《47SERIES・東日本編》新しいビジュアルづくりの引き出しに|身近な桜を活用。フォトグラファーのための春のビジュアル制作のヒント

桜の写真を撮りに行くとき、新しい制作物を考えるとき、ついつい有名なスポットに行き、型にはまった写真を撮ってしまいませんか?

身近な環境を活かした春のビジュアルづくりのヒントをお届けする本企画。
前回に引き続き、今回も読者の新しいアイデアにつながるような、全国のフォトグラファーの作例を紹介していきます。

西日本編はこちら↓
《47SERIES・西日本編》新しいビジュアルづくりの引き出しに|身近な桜を活用。フォトグラファーのための春のビジュアル制作のヒント



幻想的なロケーションの広告に

桜の写真でポスターを作るとき、生活感を出したくない場面で、建物や電線などが写りこんでしまうことはありませんか?今回の写真のようにお城の跡地に咲く桜では、生活感を出さず、桜の幻想的な美しさを強調することができそうです。

撮影エピソード

この公園の桜はソメイヨシノでGW頃にピークを迎えるので、その時期に合わせて撮影をします。北海道で大規模な桜が見れる場所は数少なく、沢山の桜が見れるこの公園はとても魅力的です。

kominato hiroaki/ Instagram:@kominato1001

撮影場所

北海道函館市にある城郭跡公園

撮影機材

カメラ:Canon 6d mark II

被写体を目立たせたい華やかなポートレート広告に

桜の前ボケが視線を誘導する構図になっていて、自然と奥の女性に目がいきます。また、花を前ボケに使うことで写真全体の華やかさも出すことができる花ならではの表現が素敵ですね。

撮影エピソード

桜の名所として有名な上田城跡公園に向かう途中、桜がきれいな公園を見つけたので立ち寄りました。人気のある公園に比べると人が少なく、ゆっくり写真を撮ることができました。近くの川沿いの桜並木も美しく、今年も訪れたいと思う素敵な場所です。石垣に映る桜の影が気に入ったので、フレームに入れて余白を埋めつつ、前ボケの桜で遠近感を出すようにしました。

                               平澤 翔/ Instagram:@sho_3030

撮影場所

長野県上田市にある公園

撮影機材

カメラ:PENTAX 67ⅱ
フィルム:  Kodak PORTRA 400

お子様や家族を描いた広告に

子供と大きな桜の木を1枚におさめた写真。季節はもちろん、少し成長した時にまた同じ場所、同じ構図で撮った写真を並べてみたりできそうですね。家族の素敵な時の流れを表現するのにぴったりなロケーションです。

撮影エピソード

小さな子供達と愛犬を連れて家族で何度も通った公園です。

どこにでもあるような小さな公園だけど古くて大きな桜の木があります。優しく見守ってくれているような大樹とグングンと大きくなる息子のツーショットが微笑ましくて夢中でシャッターを切りました。

いつも6×6の写真の時は撮りたいと思ったものを日の丸構図で撮っています。大きな木を見上げるようなアングルで撮りたかったのですが、煽りすぎないように気をつけて撮影しました。

                                ysk.film / Instagram:@ ysk.film

撮影場所

埼玉県川口市にある公園

撮影機材

カメラ:Rolleiflex 2.8F
フィルム: Kodak PORTRA 400

日常を切り取った広告に

街の人が生活をしている様子と桜のバランスをとるのは意外と難しかったりしますよね。川沿いの遊歩道は、多くの人が散歩やサイクリングに出かけ、桜が美しく咲いている絶好の撮影スポットです。

撮影エピソード

この辺りは桜の木で溢れる街で、春になるといたる所で桜を楽しみながら歩くことができます。中でもこの川沿いは遊歩道があり、子どもたちとサイクリングをしたりするお決まりの散歩コースでした。

子どもたちは野鳥を見たいと河原へ行き、夢中で走り回る姿を撮りました。広い河川敷でのびのびと走り回る子どもたちと、美しくなびく桜の花びらを少し遠くから見守りながらシャッターをきりました。                                

yumi /Instagram:@film_life_aomei・Twitter:@hattoriyuumin

撮影場所

東京都東村山市にある空堀川沿い

撮影機材

カメラ:Nikon FE
フィルム:FUJIFILM superia 400

哀愁漂う春の広告に

美しい夕日と桜がとてもいいアングルで撮れていますね。撮影場所によっては日没が近くなると周りの山で太陽が隠れてしまったり、日が沈む方向に桜の木がなかったり。哀愁漂う夕陽をモチーフに、春の広告を作ってみてはいかがでしょうか。

撮影エピソード

ここは夕陽が綺麗で1年中さまざまな景色を楽しめる私の大好きな場所で、桜が見事に咲き誇ります。福島駅から徒歩圏内ですが、雄大な自然も楽しめる公園。綺麗な風景に心癒されたいときにおすすめの場所です。

この日、満開の桜の合間から夕陽の光が差し込み優しく桜を照らしているところが美しいと感じ、夢中でシャッターを切りました。

                            はるりか / Instagram: @haru_rika088

撮影場所

福島県福島市にある公園

撮影機材 

カメラ:SONY α7Ⅲ

生活を感じるまちや車の広告に

生活感が感じられる写真は、道の正面や対岸の道端から撮影することが多くなりがち。この場所では、川沿いの道をハイアングルで撮影できる橋があり、まちの生活を俯瞰して撮影できます。

撮影エピソード

団地や公園の雰囲気が気になり、この場所には何度か訪れたことがありました。ある時、桜の名前がついた橋を見つけ、「桜が咲くのかな、春に絶対来よう」と前々から思っていたところです。
日常生活に溶けこむように咲く桜が、どこを歩いても綺麗で、穏やかな時間が流れるこの場所がとても好きです。その場の人の生活や雰囲気が、桜と一緒に写るように意識して、撮影しました。

mana/ Instagram:@mana_hrs

撮影場所

東京都、都営新宿線東大島駅付近の公園や団地、川沿いの土手付近

撮影機材

カメラ:PENTAX K-1/NATURA CLASSICA
フィルム:Kodak GOLD 200

温かい視点を用いた広告に

桜の写真では、桜そのものを画角に入れる構図が一般的ですが、この写真では地面に落ちた花びらとその影を一緒に撮影しています。この2人が直接写っていなくても、春の暖かな日にお出かけをしている雰囲気が間接的に伝わってくる素敵な一枚です。

撮影エピソード

私の会社から数駅離れたところにある公園です。毎年、天候や休みのタイミングが合わなかったのですが、ようやく念願叶って行くことができた日に撮ったのがこの写真です。桜の花びらがふんわりと舞う、温もりのある風景を感じることができる場所です。愛用のフィルムPRO400Hで桜の写真を撮れるのもこれが最後になるかなと、シャッターを切った大切な思い出がよみがえってきます。またいろいろなカメラやフィルムを持って行ってみたいと思います。

                                irodori/ Instagram:@iiirodoriii 

撮影場所

横浜市都筑区の公園

撮影機材

カメラ:PENTAX ME Super
フィルム:FUJIFILM PRO 400H

身近な環境から生み出される春のビジュアル

さまざまな写真家が教えてくれた桜の撮影スポットとエピソード。

春を予感させるものは、桜の名所だけでなく、私たちの身近なところにもあります。

ぜひ、春らしさを演出するビジュアルのヒントにしてくださいね。

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《47SERIES・西日本編》新しいビジュアルづくりの引き出しに|身近な桜を活用。フォトグラファーのための春のビジュアル制作のヒント


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