ヒュートリュエット市場への食の巡礼|コーヒールンバ平岡の北欧新婚旅行記〜カメラとコーヒーと嫁〜 #7
PHOTOGRAPHER PROFILE
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コーヒールンバ 平岡佐智男
松竹芸能所属のお笑いコンビ コーヒールンバとして活動。コーヒー芸人としてテレビ・ラジオに出演する傍ら、自身のカフェブランド SACHIOPIA COFFEE (サチオピアコーヒー)」をオープン。現在、猿田彦珈琲の広報として参画。また、 ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」 (バリスタ日本一を決める大会)の司会も務めるなど全身コーヒーまみれの芸人。コーヒー芸人としての出演歴 日本テレビ ヒルナンデス!」 ぐるナイ」、TBS マツコの知らない世界」、MBS 林先生の初耳学」、TBS ラジオ ジューンスー 生活は踊る」 他多数
@sachio_coffeeforme @sachiohiraoka https://www.instagram.com/sarutahikocoffee/写真好きのコーヒー芸人・コーヒールンバ平岡さんによる連載「北欧新婚旅行記」。今回は前回に引き続き、2023年6月にフィンランドとスウェーデンを訪れた北欧新婚旅行の模様を、撮り下ろしのフィルム写真でお届けします。
北欧新婚旅行21:ストックホルムは都会だわ
ヴァイキングラインに揺られ10時間、我々はストックホルムに到着した。なんとなく、隣の国ということもあり、同じような雰囲気を予想していたが、ストックホルムは都会だった。
商業施設の規模や人の多さ、車の数などが都市の大きさを感じさせた。むちゃくちゃ偏見だが、フィンランドの人よりみんな忙しそうにしていて、女性はみんなファッショナブルで自信に満ち溢れており、全員ワールドクラスのサッカー選手の彼女みたいな雰囲気を醸し出していた。
ストックホルムの人を見ながら、スーツを着ている人がいることに気づく。そういえばフィンランドでスーツを着ている人に一人も会わなかったかもしれない(そんなわけない)。
そういうところも都会らしさを感じるポイントだった。
北欧のヴェネツィアと呼ばれているぐらい水の都で、ストックホルムは「小さな川の小島」という意味らしく、小さな島がたくさん橋で繋がっている。
なんだかアカデミックなことを言い出しているが、それもそのはず、ノーベル賞の授賞式も行われるのがこのストックホルムだ。ノーベル賞博物館については後ほど紹介することにして、まずはアパートに行って、地元に根ざすのが我々夫婦の旅のスタイル。
北欧新婚旅行22:スーパーの取り扱い商品は覚えた方がいい
ストックホルムを大きく分けて、ノルマルム、クングスホルメン、ガムラスタン、セーデルマルム、ユールゴーデンという5つの地域や島に分かれると考えて行動した。
我々のエアビーで借りたアパートはクングスホルメン島にある。セーデルマルム島のフェリー乗り場からバスで25分ぐらいだったと思う。
クングスホルメン島は緑の多い住宅街という感じ。落ち着いている雰囲気がとてもいいが、アパートの周辺に日本食のレストランが10軒以上あったのは気になった。
宿泊したのは新築マンションの5階だった、とても綺麗なマンションにチェックインした後は、もう20時近くなっていたのでスーパーマーケットを散策して、食材や日用品を見ることにした。
#2でも触れたが、結局のところスーパーマーケットが大好きだ。
フィンランドのスーパーマーケットもそうだが、食材がフレッシュで、魚も野菜もめちゃくちゃ美味しい。ハーブなどは土に植って販売されているほどだ。
野菜は量り売りになっていることがあるので、焦らないでほしい。
袋に必要なだけ入れ、秤に持っていき、どの食材を測っているか選択し、重さによって価格のシールが出てくるという流れだ。フィンランドでも番号を選択してシールが出てくるなんていうシステムがあるので、しっかり予習しておいて、夫の皆さんはどんと構えて大黒柱感を出し、奥様を安心させてあげてほしい。
それにしても、種類が多い。いろんな食材を扱っているということより、牛乳なら牛乳、チーズならチーズで何十種類もある。外で飼っている牛の牛乳、室内で飼っている牛の牛乳というような感じだ。
なんともこだわりが強いから、画像翻訳などを駆使して違いを感じよう。本当に、ヨーグルトだけで何種類あるの?って感じだ。
ちなみに、家の近くのSankt EriksgatanとFleminggatanの交差点にはICA(イーカ)、COOP、Willysという3つのおおきなスーパーがある。ICAはちょっと高級な感じの品が多いイメージ。Willysは日用雑貨もあるので、ハサミや軍手、靴下などがほしいときはここを見た方がいい。COOPが庶民的で品揃えも良かったので、とりあえずCOOPから見始める、というふうなお店ごとの特性がある。
とにかく毎日このスーパー3つは行くことになるので、今度菓子折りを持っていきたい気持ちだ。支払いを済ませる前に、卵は割れてないか確認してから買うといい。パックに入っているが、平気で割れている。
この日はサラダなどを買って、船の中で食べられなかった妻が作ってくれたトゥルクからの持ち込みサンドイッチを食べて終了。明日に備える。
北欧新婚旅行23:大体がKONDITORIだ
翌朝、早朝カフェをスウェーデンでも開始した。クングスホルメン島の近所のカフェは行き尽くしてやるという意気込みだ。Thelines konditoriに行ってみることにした。
朝から営業してくれて助かる。このスーパーの交差点あたりにお店が集中しているようだ。大体がコーヒーはセルフで、パンは選んでね、という感じ。
接客も自然体を通り越して、ドリンクを渡された時にサンキューというと、ウィンク一発で終了ということもあるのでびっくりしないでほしい。
ノルディックローストと言って、北欧の方は浅煎りの酸っぱいものがコーヒーだ、みたいな幻想を持っているかもしれない。かくいう私もそうなのかなと思っていたが、どこも濃くて昔ながらのコーヒーの店が多い。それは特定のスペシャルティコーヒー専門店の話なのかもしれない。
ちなみに店名のKONDITORIというのはお菓子という意味らしく、“ケーキもありますよ”という意味らしい。ストックホルムのカフェはほぼベーカリーカフェで、必ずと言っていいほどパンがあるし、KONDITORIがついているとケーキもある。ただ、KONDITORIという名前でなくてもパンやケーキはある!
あと、このお店ではないが、「アイスコーヒー(ください)」って注文すると、アイスラテが出てくるところがあるので気をつけよう! アイスコーヒーの文化がないところもあるから、コールドブリューと伝えるほうがいいかもしれない。
北欧新婚旅行24:結局、市場のスープが美味い
この日はノルマルムにあるヒュートリュエット市場に行くことにした。
クングスホルメン島から10分ほどの街で、セントラル駅がある中心的な存在。東京で言うと新宿といった雰囲気だ。ちなみに我々のアパートのあるクングスホルメン島は、緑が多く住みやすさにも優れた駒沢だ。いや、板橋だ。
ヒュートリュエット市場は食材の集まる市場で、我々の目的はスープ屋さんだ。
Kaisas Fisk(カイサスフィスク)というお店で、なんと売り切れごめんの大人気店らしい。
行ってみると、早くも行列ができていて、すごいスピードでスープが提供されていた。スープを受け取ったあとは自分でサラダとパンを取って席へ。サラダもパンも食べ放題だけど、スープがかなりのボリュームなのでパンの取り過ぎには注意しよう。
トマトベースのスープの中に、これでもかと白身魚が入っている。魚介の出汁が効いていて、なんとも味わい深い。エビや貝もゴロゴロしていてすごい食べ応えだ。スウェーデンに来て2日だが、おそらくスウェーデンでいちばん美味いと確信している。
そういえば #2 のヘルシンキハニエカミ(本当はハカニエミ)市場のサーモンスープも美味かった。市場のスープは美味いというのは真理なのだ。
使用カメラ:CONTAX ARIA
レンズ:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4、Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8
フィルム:FUJIFILM フジカラー PREMIUM 400、フジカラー SUPERIA X-TRA400、Kodak ULTRAMAX 400