【ウェディングフォトのポーズ集】前撮りやフォトウェディングで使える撮影アイデア

一度に数多くの写真を納品するウエディングフォト撮影において、ポーズは非常に重要なポイント。「後から見返してみたら似たようなポーズばかりだった……。」とならないためにも、ポージングのバリエーションを数多く頭に入れておくことが大切です。

今回は、友人や知人からウエディングフォトの撮影を初めて依頼されたフォトグラファーや、これからウエディングフォトの撮影を仕事にしたいと考えている方、そしてウエディングフォトの撮影を控えたカップル・ご夫婦に向けた、ウエディングフォトの基本ポーズや洋装・和装ごとのおすすめポーズを結婚式専門スタジオ『TORUTOKOYA』の後藤竜典さんに伺いました。

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ポートレートの中でもモデルさんではない一般のお客様を撮影する上では、こちらからポーズの細かい指示をする必要があります。また、ウエディングフォトではしっかりとしたルールも存在するため、基本知識も身につけておくことが大切です。

ウエディングフォトで挑戦したい基本ポーズ

基本ポーズはずばり「型物写真」と呼ばれる、新郎新婦二人の全身がしっかりと映るポーズでしょう。「型物写真」とはポージングや構図、ライティング、衣装などを細かく調節し撮影する、フォーマルな記念写真を指し、一般的にはスタジオでしっかりと撮影するものを指しますが、ロケーション撮影においても「しっかりとした基本の一枚」は必ず押さえておくことをお勧めします。

例えば和装の場合、新郎の足の開き具合、家紋の見え方、羽織紐の下がり方、末広の角度、新婦は体の角度、打掛・掛下の広がり方、帯山の角度、胸元装飾(懐剣・筥迫)の見え方、などなど言い出したらキリがありません。細かい部分が多いですが、簡単に言えば「一番シンプルな立ち姿だけど一番キレイにしっかりと見える結婚写真」を押さえておく必要があります。

①メイクシーンショット

ウエディングフォトの撮影は、新郎新婦の支度が完了してからスタートします。そこで一般的に多く撮影されるものが、メイクシーンでの撮影です。メイクシーンと単に言っても様々なバリエーションがあります。例えば、「鏡を見る」「イヤリングをつける」「リップを塗る・塗ってもらう」「ブーケを準備する」「タキシードを羽織る」「靴ひもを結ぶ」「カフスを止める」などなど。

②向き合いショット

定番ポーズともいえる向き合いショット。向き合うことでロマンチックな演出が可能です。またここから派生したポージングとして、例えばそのまま鼻と鼻をくっつけたり、おでことおでこをくっつけたり、ハグをしてみたりと、体の向き合った角度からバリエーションをつけていく形もおすすめです。ただし、鼻やおでこを近づけるシーンでは距離感が近くならないとロマンチックさに欠けてしまいます。

ウエディングドレスなど、身体よりもボリュームの大きい衣装を着ている場合、立ち位置をなるべく近づけることがおすすめです。

③立ち姿ショット

型物写真を少し崩して手をつないだり、腕に手を回したりすることでカジュアルなポージングに。すこし重心を寄せ合うことで緊張感も崩れ、自然な笑顔を引き出せます。

④座り姿ショット

二人で座る写真も素敵ですが、立ちと座りの組み合わせポーズもおすすめです。

⑤後ろ姿ショット

ドレスではトレーンの長さを活かした写真、和装では美しい刺繍を活かした写真が撮影できます。私がこれまで撮影してきた経験の中でも、「後ろ姿を撮りたい」といったご要望の方は非常に多く、確実に抑えておくことが大切です。特にドレスの後ろ姿の場合、最も見せたい特徴的な部分をしっかり見せることもポイントで、例えば背中が大きくあいたドレスであればその美しさも取り入れたポージングが必要です。

洋装ウエディングフォトで挑戦したいポーズ

①ウエディングベールを活かしたポーズ

ベールショットは新婦の可憐な美しさを表現するアイテムとしても非常に人気が高いです。完全に顔を覆うような形でベールをかぶる形も素敵ですし、風に吹かれてなびくようなシーンもおすすめです。実際に風が吹いているわけではないので、他のスタッフ(一般的にはヘアメイクさんが多いです)にベールをなびかせてもらう必要があります。刺繍が多いベールですと、滞空時間が短くなるため注意する必要があります。

②トレーン(ドレスの引き裾)を活かす

ウエディングベール同様にトレーンをなびかせて撮影する形も素敵です。特にトレーンの場合、躍動感がうまれ、ドラマチックな仕上がりになります。

③装飾アイテムを活かす

ウエディングの衣装にプラスして、例えば大正ロマンのようなステッキとハットを用いた写真や、カチューシャ、お面、トーク帽等、ファッションアイテムを取り入れる形もおすすめです。

和装のウエディングフォトで挑戦したいポーズ

和装においては最初に各種の名称・正しい基本姿勢を覚えておく必要があります。

白無垢・色打掛・掛下・半襟・懐剣・筥迫……言い出したらキリがありませんが、和装の扱い方やポーズの基本を押さえておかなければ、一般的に良くないとされる写真に仕上がってしまいます。

①正座ポーズ

正座写真は結婚報告の年賀状へ使用するといった需要が高く、和装の定番カットとしても人気があります。ただ、男性や海外の方は正座ができない方もいるため、事前に確認をしておくことが必要です。また二人で撮影する形も素敵ですが、新婦一人の正座姿なども和装ならではの厳かな雰囲気に仕上がりおすすめです。

②和傘を活かしたポーズ

番傘といった和傘を活かした写真もおすすめです。和を連想させる和傘があるだけでより一層華やかな仕上がりになるだけでなく、色も豊富にあるためシンプルな写真にも差し色として使用できます。カップルの定番でもある相合傘のようなポージングもロマンチックで素敵です。

③ロケーション(歴史的建造物)を活かしたポーズ

スタジオ外での撮影の場合、建物を活かした撮影もおすすめです。建築物にもそれぞれに美しい角度があり、それらを意識して撮ることで、一層上質な仕上がりになります。

季節感を取り入れた写真

和装は日本の四季と相性がとてもよく、美しく華やかです。特に桜や紅葉の時期は撮影の需要も高く、人気なロケーションなどは事前に撮影許可の確認をしておく必要があります。季節を取り入れることでその写真にお二人の思い出を重ねることもできるため、そのような理由からも需要が高いといえるでしょう。

ウエディングフォトで挑戦したいアイデアカット

寝ころびポーズ

スタジオなどでは普段撮影できないアングルで撮影してみることもおすすめです。寝ころびポーズの場合、特に女性は鼻の穴がうつらないようなアングルで狙ってあげると美しく残せます。また上半身だけ起こし、横に流れるようなポージングは和装洋装を問わず素敵です。

リフレクションを活かしたショット

反射を取り入れることで、幻想的な美しい写真を撮影することができます。例えば水面や水たまりを利用したり、鏡を使用することも。

ライティングを活かしたショット

スヌート(照明器具に取り付ける機材)を使用して、オシャレな木漏れ日のようなライティングで撮影してみたり、カラーフィルターを使用して写真にアクセントを加えてみたりするのも良いでしょう。

カメラマンへの注意ポイント

今回はポージングをはじめとした、撮影技術以外の様々な部分でのウエディングフォトのテクニックをお伝えしてきました。最後に先述したポージングでの注意すべきポイントをいくつかご紹介します。

ヘアスタイルが崩れていないか?

ロケーション撮影では強風となるような現場も多く、髪型が崩れてしまうことが多くあります。特に広角レンズなどで撮影する際の被写体は小さく、細かい部分まで目が届きません。例えばシースルーバングやニュアンスバングのような繊細なスタイルが風で乱れてしまったり、慣例でやっているバックライトをいつものようにいれたまま撮影したりすると、かえってアホ毛を目立たせてしまったり、等と失敗談は様々です。そういった際は必ずヘアメイクさんに相談したり、Photoshopなどの編集ツールで修正して納品することが望ましいでしょう。

ポージングのバリエーションが少なくないか?

写真を見ていると簡単そうに感じるポージングも、いざ現場にでてみると、カメラの設定やライティングに気がとられてしまい、ポージングはそっちのけ、なんてことも少なくありません。毎度カメラ目線ばかりもバリエーションに欠けるので、事前に撮りたいバリエーションアイデアを自分の中にストックしておくことが望ましいでしょう。

姿勢が悪くないか?

スマホやPCが当たり前の現代において、猫背の人がとても多いです。(私も猫背です……)そういった際は肩甲骨を寄せて背筋を伸ばし、肩の力を抜き、肩を下げることで姿勢改善と首長効果が期待できます。一生に一度のウエディングフォトで姿勢が悪くては画になりません。ポージングの度にお声がけすることで、すべてが良い姿勢での写真に仕上がります。

ウエディングフォトでは、カメラの設定・ライティングだけでなく、ポージングの指示が肝になるでしょう。さらにモデルは新郎新婦の2人であり、それぞれにポージングを伝える必要があります。限られた環境の中だからこそ、より効率的で効果的な方法とアイデアを模索していくことが大切です。

PHOTOGRAPHER PROFILE

後藤 竜典

PHOTOGRAPHER PROFILE

後藤 竜典

1996年生まれ。高校生の頃からカメラに親しみ、写真の魅力に引き込まれる。
特に人物写真に心酔し、独自の視点でライティングを駆使した光と陰の調和が印象的な絵画のような一枚を作り出すことでオリジナリティ溢れるウエディング写真を撮影。国際的な写真コンテストで2度の金賞受賞歴を持ち、その実績を通じて高い評価をいただいている。「オトナかっこいい」をコンセプトに掲げたTORUTOKOYAに所属し、技術と感性を融合させ、スタジオのトップフォトグラファーとして活動中。


【ウエディングフォトコンペ受賞歴】
2023年 AWPA competition 1st Half 2023 1st PLACE Bride & Groom Together (部門世界一位)
2023年 AWPA competition 1st Half 2023 3rd PLACE Bride or Groom Single (部門世界三位)
2023年 AWPA competition 1st Half 2023 Excellence Award Bride & Groom Together
2023年 AWPA competition 1st Half 2023 Excellence Award Bride or Groom Single
2023年 COSMOS AWARDS 2023 1st PLACE _Pre Wedding Bride Alone (部門世界一位)
2023年 COSMOS AWARDS 2023 1st PLACE _Pre Wedding Groom Alone (部門世界一位)
2023年 COSMOS AWARDS 2023 Silver Award _Pre Wedding Bride Alone
2023年 COSMOS AWARDS 2023 Silver Award _Pre Wedding Couple Together
2023年 AWPA competition 2nd Half 2023 Excellence Award Bride or Groom Single

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