第三回|撮影の必須アイテム – わたしのスタイリング思考|プロップスタイリスト・早野アレックス

こんにちは、プロップスタイリストの早野アレックスです。

日常にあるものを使って、見慣れないパンチのあるルックだけれど愛着の湧く空間を制作することをポリシーにしています。

今回は、第一回、第二回よりぐんと実用的な、撮影にまつわる私の必須アイテムをご紹介します。

第1回:わたしのスタイリング思考 プロップスタイリスト・早野アレックス
第2回:アイデアのインスピレーション – わたしのスタイリング思考|早野アレックス

PHOTOGRAPHER PROFILE

早野アレックス

PHOTOGRAPHER PROFILE

早野アレックス

武蔵野美術大学卒業後、ファッションスタイリストのアシスタントを経て、プロップスタイリングを学ぶため渡英。ライティングやカメラワークの重要さを知り、ロンドンでアシスタントを経験しながら写真を学ぶ。その後東京に戻りプロップや衣装のスタイリストとして意欲的に活動中。プレイフルなスタイルが定番。

instagramのアイコン @alexhayano 別のタブで開く URLリンクのアイコン https://www.youtube.com/channel/UC-houO0kqQJSppSfJsp-H5w 別のタブで開く
早野アレックス わたしのスタイリング思考

ブツ撮りの写真を見て、どうやって撮影したのかな?合成かな?と疑問に思うことってよくありませんか? 私が実際に現場を体験してまもない頃に感じたことは、「思ったよりアナログで作っている!」という驚きでした。

なぜ、わざわざアナログで作るのか。

それは単純にレタッチャーさんのいない現場も多いですし、合成の費用や手間をかけられることが少ないという理由はあるのですが、やはり思うのは、自然現象を超える画作りが難しいということ。

自然に落ちる影やアイテム同士の色の反射など、合成で再現するのはとても難しいのです。私たちプロップスタイリストは、できる限り合成せずに画を仕上げるよう努力する必要があります。


そんな努力に欠かせないアイテムとその使い方を紹介していきます。

1. コクヨ ひっつき虫 / ドット 両面テープ

この二つは似ているようで全然違うものなのですが、「接着するもの」という点では同じグループです。

早野アレックス わたしのスタイリング思考

コクヨのひっつき虫は、練りゴムと似ていますが、その粘着力をもうちょっと強くしたものです。これはある程度重いものを後ろから固定する時や、球体など動いてほしくない時に下に見えないように仕込みます。

色が透明ではなく白なので、あくまで見えないように使わないといけません。

ドット両面テープのほうは、聞きなれない方も多いかもしれません。私がロンドンでアシスタントをしていた時にボスに教わったアイテムで、パーティ文化のある国では風船同士をくっつけるためのものとして販売されているようです。

直径8mmほどの円形テープなのですが、透明ですし大きさも小物同士をちょっと固定しておきたい、という場合にピッタリなので本当によく使っています。

裏技は、このドットテープをいくつもとって、くるくるとまるめると半透明の粘着玉みたいなものができあがるので、これをコクヨのひっつき虫のように使うこともできます。

2.手芸用透明糸

早野アレックス わたしのスタイリング思考

なにかを浮かす際に、透明のテグス(釣り糸)はよく使われますよね。

それよりもずっと細い、手芸糸にも透明のものがあることはご存じですか? 少し大きな手芸ショップに売っている、とても便利なアイテムです。

テグスのように使う以外にも、針を使って布や食材などに糸を通すことができます。

これは、吊るす以外にも、例えば靴など布でできたもの同士を固定することもでき、さらに跡が残らないのでとっても使いやすいのです。

早野アレックス わたしのスタイリング思考
テディベアに透明の糸を針で通して、吊っています。ファー素材など、テープでテグスなどの固定が難しいときに、この方法はとても便利です。

かなり細いため、焦点が当たっていない箇所に写り込んでいてもほとんどわからないので、フォトグラファーさんにも優しい縁の下の力持ちです。

3.アクリルキューブ

早野アレックス わたしのスタイリング思考

最後は、みんな大好きアクリルキューブ。

高さを整えたり、裏で支えたり、もし写真に写り込んでもPhotoshopで消しやすいため、重宝されています。

色々な大きさのキューブがあるととても撮影がしやすいのですが、ちょっと値が張るのが難点です。私はスタジオで撮影することが多いので、スタジオのものをよく使わせてもらっています。

アクリル製のものは、キューブだけではなく半球や円柱などさまざまな幾何形体があります。調整に使う以外にも、なにか物足りないときにプロップとして登場させるとちょうどいいことも結構あるので、私もちょっとずつ集めたいなと思っています。

撮影の必須アイテム

以上、私のお気に入りアイテムたちでした。

撮影現場で、いつも私を助けてくれているものばかりなので、みなさんの役にも立ってくれるはず。ぜひ使ってみてください。

全三回にわたって、お付き合いありがとうございました。みなさんのプロップスタイリングが、より楽しく、より面白いものになるきっかけになれたら嬉しいです。

またどこかでお会いしましょう。私のInstagramとYoutubeもみてね!シ〜ユ〜。