【マタニティフォト】おすすめの撮影アイテム&機材|あの人のカメラバッグ マタニティフォトサロン代表・壹岐倫子さん
妊娠中の特別で神秘的な姿を残すことができるマタニティフォト。撮り方・レタッチ・ポーズ集記事に引き続き、マタニティ、ベビー、ファミリーフォトを専門に撮影しているPhoto Salon FRAU(フォトサロンフラウ)の壹岐倫子さんにマタニティフォト撮影におすすめの機材や、あると便利なアイテムについて解説していただきました。
マタニティフォトについての記事はこちらから
▶︎【マタニティフォト】プロが教えるマタニティフォトの撮り方
▶︎【マタニティフォト】プロが教えるレタッチ術
▶︎【マタニティフォト】プロが解説!おすすめポーズ集
目次
マタニティフォト撮影に使用する機材・アイテム
私が基本マタニティフォトで使用しているカメラはNikon Z 8とNIKKOR Z 24-70mm f2.8sの標準ズームレンズです。ライティングにはSUNSTAR STROBO(サンスターストロボ)2灯、3×6の白&黒のカポック、ラストライトの自立式ライトボックスなどを使っています。
この機材を軸に小物やアイテムを活用しシンプルかつ少し個性と深みのある写真を目指しています。
ここで、私がマタニティフォトを撮影するときに必ず用意している4つのアイテムをご紹介します。
①布
布は被写体に羽織ってもらったり、被ってもらったりするほか、背景として使用したり、、レンズの前にかませて手前ボケを出すために使用したりと、本当に様々な表現が可能なので多用しています。透け感のある軽い布は汎用性が高いので常に何種類か用意しています。
②レンズベビー コンポーザー プロ エッジ80
レンズベビーのコンポーザー プロⅡ エッジ80は独特のボケ感が楽しめるマニュアルレンズです。私がニューヨークで活動していた頃に、テリ・ワイフェンバックというフォトグラファーの写真が好きで、「こんな写真を撮影するにはどういうレンズが良いかな?」とNYで有名なカメラ屋さんに聞いたところ、このレンズをおすすめしてもらいました。レンズを傾けることで一部だけぼかしたり、独特なボケ感を出すことができるので柔らかい雰囲気で撮影したい時におすすめです。
③サランラップとオイル
サランラップをレンズに巻きゴムで縛ります。その上からサラダ油を指で塗布し撮影します。この方法で撮影するとボケ感が出てあまり見たことのない雰囲気がでます。
手でオイルを添付するのでボケ感にムラが出て、狙った写真とは違ったものが撮れたりするので偶然性があり面白い撮影方法だと思います。確実に撮りたい画を撮るには練習が必須ですが、個性が出せるのでおすすめです。この撮影方法はデイヴィッド・ハミルトンというフォトグラファーの写真集のボケ感からヒントをもらいました。フィルターでは出せないような、均一ではない有機的なボケ感が魅力です。
④生花
生花の有機的な曲線が妊婦さんの体の曲線と合わさることで、より美しくドラマチックに仕上げることができるのでよく使っています。
大きな花束を抱えるように持つカットも華やかで良いですし、1本だけ持つのもシンプルかつお腹も引き立つので好きです。
またお腹に生花をデコレーションする撮影もしています。ヌードになって寝転んで頂き、お腹の上に生花を載せてつけまつ毛のグルーで固定していきます。
お花でお祝いする様な気持ちでデコレーションさせてもらっています。デザインは事前に考えず、当日にその方のイメージと季節のお花で即興で作らせて頂いています。ポイントは載せやすい平たい花を選ぶこと、大中小と様々な大きさのお花を用意することで、体型に合わせて緩急のあるデザインが作れます。
マタニティフォトにおすすめの撮影アイテムを使う際の注意点
続いて、おすすめのアイテムを使う際に私自身が気をつけていることをご紹介します。
1.シンプルに撮る
あまりアイテムを使いすぎずシンプルに撮ることを心がけています。
あくまでも、マタニティフォトは美しい身体のラインが主役であり、小物やアイテムはそれを引き立てるために添えるものだと思っています。
2.少しずつ足していく
1でお伝えしたこととも繋がりますが、まずは少ない要素で撮影してみるのが良いかと思います。最初からいろいろなアイテムを入れすぎると、何が必要で何が要らないか分かりにくくなるので、極力少ない要素で撮り、足りないと思ったら足すイメージで撮影していくと良いと思います。
3.実験と実践を積み重ねる
おすすめしている布や花、オイルを使った撮影などは、とにかく試して実験することでコツを掴んでいけるものだと思います。どの光でどの透け感の布を選ぶのか、被写体の肌色に合わせた布や花の色選び、ボケ感の出し方など、本番の撮影前に実験してみてください。その中で掴めるコツがたくさんあると思います。
私も、オイルの撮影や花のデコレーションなどは、「自分が撮りたい画はなんだろう?」と模索する中で編み出した方法です。撮影がない日は自分なりの作風を見つけるためにも、依頼主のための写真ではなく自分の作品を作る日をぜひ設けてみてください。
PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
壹岐 倫子
Photo Salon FRAU(フォトサロンフラウ)代表。2011年に友人のマタニティフォトを撮影したことで妊娠した女性の美しさ、神秘性、力強さに感銘を受け、フォトスタジオを立ち上げる。
大学でインテリアデザインを学んだ経験から撮影の空間づくりや、ダンサーとして指導経験もあり、どんな方もできる美しいポーズ作りも得意としている。
2015~2019年にはNYでも活動し、展示やアートコンペの経験も積む。
いつの時代に見ても力をもらえるような、シンプルでタイムレスな写真を心がけている。