【マタニティフォト】サロン代表に聞いた、おすすめポーズ集
妊娠中の特別で神秘的な姿を残すことができるマタニティフォト。押さえておくべき基本のポージングや人気のポーズ、あまり大きな動きができない妊婦さんのポーズのバリエーションの出し方などを、撮り方記事・レタッチ記事に引き続き、マタニティ、ベビー、ファミリーフォトを専門に撮影しているPhoto Salon FRAU(フォトサロンフラウ)の壹岐倫子さんに解説していただきました。
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目次
ポージングの選び方 基本の3つのポージング
1.横を向いてお腹を見ながら立つ
一番スタンダードで、みなさんがマタニティフォトとしてよく見るポーズかもしれません。お腹の膨らんだラインが一番わかりやすい横向き、なおかつお腹に目線を落とすことでお腹が主役、赤ちゃんを楽しみに待っている雰囲気がよく伝わります。
2.正面から
正面からの写真は横向きとはまた違った、満月のような丸いお腹を写すことができ、神秘的で柔らかい雰囲気が出せます。
3.パートナーと2人でお腹を見る
2人ともお腹を見ることで、お腹が主役であり楽しみに待っている様子が伝わります。このパターンでは後ろからパートナーを包み込むようにくっついたりすることで、構図的にもまとまりやすく、愛情を感じる画作りができます。
人気ポージングのご紹介。メリットと気をつけたいポイントも
1.上を向いて目を閉じる
神秘的な雰囲気を出したい時におすすめです。
上を向くことで首のラインがキレイに見えます。
ただし、上を向くポーズが辛い方もいらっしゃるので、無理ない範囲で、サポートしつつおこないましょう。
2.寝転ぶ
寝転んだカットはなかなか撮ることがないと思うので、特別感が出ておすすめです。寝転んだ周りに花や小物を配置しても良いと思います。ただ寝転ぶことで体や顔のラインが重力に負けて崩れるのでポーズ作りや撮る角度に気をつけてください。
特に真上を向いて寝る場合はお腹の膨らみが分かりづらくなるので、ライティングや手を置く位置などの工夫が必要です。お腹のラインを分かりやすくするには横向きに寝るのもおすすめです。また、わたしが撮影する際には、体の負担を考えて下に柔らかいラグを敷いたり、顔の角度を調整するために小さめの枕を仕込んだりしています。寝転ぶ際には、妊婦さんの転倒などに十分気をつけて、無理をさせないように手助けをお願いします。
3.産前・産後のビフォーアフター
赤ちゃんが産まれてから同じポーズで撮ることを想定し撮影します。
お腹にいる頃の写真と、産まれた後に抱きかかえている写真を並べたり、比較することで、時間の経過と無事に産まれてきた様子をしっかり形に残すことができます。
赤ちゃんが産まれてからも無理なくできるポージングやシチュエーションを選ぶことをおすすめします。
おすすめのポージング
私が撮影する際、「お任せでお願いします」と言われたらご提案させて頂くポーズ構成は下記の5つです。
1. 横向きで立つ半身カット
2. 正面向き
3. お腹のアップ
4. 全身 立ち姿
5. 旦那様とお腹を見る
マタニティフォトの最大の魅力である体のラインの変化を前からも横からも、アップでも残すということを意識しています。さらにパートナー様やお子様も撮影にいらっしゃる場合は、一緒に写るカットもおすすめです。
お腹の赤ちゃんとの初めての家族写真として、思い出に残るものになると思います。
ポージングの注意点
マタニティフォトのポージングは、何より姿勢が重要かと思います。
妊婦さんはお腹が重く、普通に立つと猫背ぎみになってしまう方も多いので出来るだけ背中の中心を引き上げるように立ってもらいます。その際、背中の中心に手を添えてここを引き上げてくださいと伝えてあげるとより分かりやすいと思います。
背中を意識して立つと肩も同時に上がってしまう方が多いので、その際は肩だけおろしてもらいます。次に首を引き上げる様に長く伸ばす意識をしてもらいます。そうすると顎が上がってしまうので首を伸ばしたまま顎だけ下げる様にお伝えします。
1.背中の真ん中を意識して上に引き上げるように胸を張る
2.肩だけを落とす
3.首を長くしたまま顎を引く
このような流れで指示を出してあげると、綺麗な姿勢を撮影することができます。
次に手の位置もお腹のラインを強調するために、とても重要となってきます。
下記の2枚の写真を見比べて頂くとよく分かると思うのですが、同じポーズでも手の位置でお腹の見え方や雰囲気が違ってきます。
手をお腹の下に置く場合は全体的に丸いシルエットになり、体のラインは強調されませんが、優しい印象になります。手を腰のあたりに置く場合は背中と腕の間に空間ができることでS字ラインが強調され、よりくびれてお腹が目立ちます。どちらかというとクールな印象になると思います。
このように同じ衣装でも手の位置で見え方がだいぶ違ってくるので手の位置を色々と変えて試してみてください。
妊婦さんは大きく動いたりすることが難しい場合が多いので、比較的簡単に動かせる姿勢と手の位置で様々な変化をつけて撮影できるようになると、ご本人の負担も少なく、バリエーションも撮ることができてとても良いと思います。
PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
壹岐 倫子
Photo Salon FRAU(フォトサロンフラウ)代表。2011年に友人のマタニティフォトを撮影したことで妊娠した女性の美しさ、神秘性、力強さに感銘を受け、フォトスタジオを立ち上げる。
大学でインテリアデザインを学んだ経験から撮影の空間づくりや、ダンサーとして指導経験もあり、どんな方もできる美しいポーズ作りも得意としている。
2015~2019年にはNYでも活動し、展示やアートコンペの経験も積む。
いつの時代に見ても力をもらえるような、シンプルでタイムレスな写真を心がけている。