デザイナーの目に留まりやすいポートフォリオサイトとは Part2
DESIGNER MEETS PHOTOGRAPHER Vol.07
編集思考とアートディレクションを武器に、企業やサービスの新たな価値を創出しているデザインコンサルティングファームDynamite Brothers Syndicate。日々、第一線のフォトグラファーとコンタクトをとっているクリエイティブディレクター、デザイナー、プロジェクトマネージャーが実際に出会い、影響を受けたフォトグラファーとのエピソードを明かします。
前回の記事
>>>デザイナーの目に留まりやすいポートフォリオサイトとは Part1
DESIGNER MEETS PHOTOGRAPHER Vol.06
ジャンル分けがされていると目に留まりやすい。
高木:前回は、仕事をお願いするデザイナーの視点からフォトグラファーのサイトは見やすさが大切、プライベートワークも見たい、という話でしたが、他にもポイントってある?
大脇:作品のジャンル分けがあるといいですね。見やすさという視点で言えば、エディトリアルとアドバタイジングで分けてるとか、スティルライフとモデルで分けてるとか。デザイナー的にはあまりエディトリアルとアドバタイジングって気にしていないんですかね?
細野:僕はあまり気にしてないかな。
高木:媒体とかメディア別よりは、Fashion/Beauty/Still Lifeみたいな分け方がいいんじゃないかな?
大脇:FashionとBeautyは分かれているとありがたいです。
高木:クライアント案件だとシリーズで撮っている場合もあるじゃないですか。細かい話だけど、そういうのは全シリーズ載せてほしい。1枚しかない場合、それはそれでいいんだけど、何枚かあると提案しやすくなる。
細野:カンプ(ラフ)とかで提案しやすいって話ですよね。完全にデザイナー側の勝手な要望だけど(笑)。でもありがたい。
大脇:これはデザイナーがどう提案書を作るかって話なんですが、私の場合は、同じフォトグラファーで2ページにわたる提案書を作ったとして、1ページ目はクライアントやプロジェクトに一番フィットしそうな写真でまとめて、2ページ目はその人の世界観を表現している写真をまとめます。
高木:イラストレーターの提案でもそうしてるかな。
細野:僕は雑誌「●●●●」で撮りましたみたいな実績があれば、それは提案書に入れるかな。実績がわかるとクライアントがイメージつきやすいですよね。
高木:わかりやすい実績がない人はどうすればいい?
細野:実績が少ない人はやっぱり作品のジャンル分けをしっかりやるとか、そういう基本的なことから始めるのがいいのかな。
高木:探しやすかったり見やすかったりすると、大きな実績が無くても提案しやすいってことだよね。そのために適切なジャンル分け、サムネイル表示、その先で大きく写真を見せて、ちゃんとダウンロードできる。これはあくまでもデザイナー目線で、商業的な観点で。
インスタグラムがポートフォリオってアリ?
高木:今はインスタだけやってる人も多いかと思うけど、どういうアカウントだとデザイナーとして提案しやすいというか、引っかかりやすくなると思う?
大脇:まだクライアントワークが少ないような方々は、どうすればいいかってことですか?
高木:写真が良ければ、メディアは何だって良いんだけど…。何かヒントがあればと思って。
細野:インスタって更新しやすいと思うけど、インスタの写真って正方形が多くなるし、解像度としても小さいし、あくまでスマホで見る形になっているっていうか。でも実際は、インスタだけじゃない写真の仕事の方がほとんどだから、そうなった時に写真が全部インスタの中だけに収まっちゃってると提案しづらいなって思います。
大脇:私たちが提案する際にはインスタの写真って、ダウンロードできないですしね。
高木:良い写真が多くて仕事を頼みたいと思っても、スクリーンショットになっちゃう。全部、正方形で。
当然今はスマホの時代だし、スマホで見ることが前提の案件も多いけど、PCで見れるサイズ感だったり、正方形じゃないトリミングだったり、あるいはデザインされた状態の作品も見れると良い。
プロジェクトにもよるけど、仕事で撮影した写真は、クライアントのインスタにもバナーにも、紙媒体にも、いろいろなシーンで使われることがほとんどだしね。インスタは最新作もあげやすいし、手軽かもしれないけど、ある程度溜まったらやっぱりポートフォリオサイトを更新していく方がデザイナーとしては選びやすいのかな。
細野:例えば提案したいフォトグラファーが2人いたとして、どっちにしようか悩んでいる。新しい仕事の写真が載ってる人と、それが数年前の仕事で止まってる人だったとしたら、当然新しい仕事が載ってる人を提案する可能性が高い。ポートフォリオサイトがある人とインスタだけの人だったら、サイトがある人の方が、選択肢が広がると思う。
高木:そもそも良い写真であれば、インスタのフォーマットだけに収めておくのはもったいないしね。
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デザイナーの目に留まりやすいポートフォリオサイトとは Part3
DESIGNER MEETS PHOTOGRAPHER Vol.08
■SPEAKER
高木 裕次 TAKAGI YUJI
CREATIVE DIRECTOR / ART DIRECTOR
細野 隆博 HOSONO TAKAHIRO
ART DIRECTOR
大脇初枝 OWAKI HATSUE
ART DIRECTOR
株式会社ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート(DBS)
東京港区にあるデザインコンサルティングファーム。
ブランディング、デザインコンサルティング、ロゴマーク開発など幅広いフィールドで事業展開中。
HP : https://d-b-s.co.jp
Instagram : @dynamitebrotherssyndicate
高木 裕次 Twitter : @takagiyuji1