クリエイターが影響を受けた一枚 vol.15 #ビジュアルの魅力を強める色彩
“編集思考”とアートディレクションを武器に、新たな価値を生み出すデザインコンサルティングファームDynamite Brothers Syndicate。
そこで活躍するアートディレクターやデザイナーが、影響を受けた写真家を紹介する連載企画「クリエイターが影響を受けた一枚」。
第十五回は、デザイナー大木真奈美が「色彩」をテーマにお話します。
株式会社ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート
東京港区にあるデザインコンサルティングファーム。
ブランディング、デザインコンサルティング、ロゴマーク開発など幅広いフィールドで事業展開中。
THEME :色彩
私たちの周りには、空の⻘や木々の緑などさまざまな色の世界が広がっていますが、 写真だからこそ感じられる色の世界もあると思います。今回は自分が感覚的に素敵だと思っていた写真を振り返り、「色彩」という大きな枠で紹介したいと思います。
井崎⻯太朗
企業広告、ファッション、音楽シーンなど、さまざまな分野で活躍中の井崎⻯太朗さん。これまでの活動の中で「色」をテーマに含めた展示や写真集も出版されていて、その中で私が好きな1枚です。
写真全体の上品なトーンに差し色の⻩色ラインと白のラインが服のスタイリッシュさをより際立たせます。くっきりとした影が落ちているにも関わらず柔らかい空気感をまとっていて幻想的な一面も感じる素敵な写真です。
小見山峻
合成や加工を施さずにグラフィカルな世界をとても素敵に作り出す小見山さん。シャープでかっこいいイメージを受ける作品が数多くあるなかで、雑誌 「Milk MAGAZINE JAPON」の表紙で使用された1枚がとても可愛くセレクトしました。
「Playing」をテーマにした号の表紙で、カラフルなモチーフを多用しているのにPOP過ぎず、シックな印象も感じるのはグレーの砂浜との色のバランスがとても絶妙だからでしょうか。また多色のモチーフのなかにいるモデルにしっかりと目がいくのもすごいです。
⻑山一樹
ファッションや広告の分野で活躍され、人気コンテンツ「THE FIRST TAKE」 のVISUAL DIRECTORとして映像と写真も担当している⻑山さん。また愛機であるハッセルブラッドのジャパンローカルアンバサダーも務めています。シンプルで本質的な強さを感じる作品が多く、今回セレクトした2枚の写真は品格を感じる色の表現がとても魅力的です。大人の女性像として憧れも感じます。ビジュアルの魅力をさらに強めているのは色彩にあると思います。
今回は「色彩」というテーマから3名の写真を紹介しましたが、色は、写真で世界観をより感動的・魅力的に伝えるための表現のひとつとして、とても重要なものだと改めて感じました。これからも、写真だからこそ表現できる色の世界にたくさん出会いたいです。
writing
大木真奈美 / Manami Oki
Designer / Dynamite Brothers Syndicate
美大卒業後にデザイン事務所で経験を積み、フリーランスを経て入社。エディトリアルデザインを得意としながら、積極的にデジタルリテラシーを高めて Web デザインのスキルアップにも日々取り組んでいる。