ストックホルムの出会いと忘れられない心の交流|コーヒールンバ平岡の北欧新婚旅行記〜カメラとコーヒーと嫁〜 #8
PHOTOGRAPHER PROFILE
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コーヒールンバ 平岡佐智男
松竹芸能所属のお笑いコンビ コーヒールンバとして活動。コーヒー芸人としてテレビ・ラジオに出演する傍ら、自身のカフェブランド SACHIOPIA COFFEE (サチオピアコーヒー)」をオープン。現在、猿田彦珈琲の広報として参画。また、 ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」 (バリスタ日本一を決める大会)の司会も務めるなど全身コーヒーまみれの芸人。コーヒー芸人としての出演歴 日本テレビ ヒルナンデス!」 ぐるナイ」、TBS マツコの知らない世界」、MBS 林先生の初耳学」、TBS ラジオ ジューンスー 生活は踊る」 他多数
@sachio_coffeeforme @sachiohiraoka https://www.instagram.com/sarutahikocoffee/写真好きのコーヒー芸人・コーヒールンバ平岡さんによる連載「北欧新婚旅行記」。今回は前回に引き続き、2023年6月にフィンランドとスウェーデンを訪れた北欧新婚旅行の模様を、撮り下ろしのフィルム写真でお届けします。
北欧新婚旅行25:エスプレッソハウスのドリンクはでかいから気をつけよう
フィンランドやスウェーデンにはスタバがほぼない。もちろんドトールもコメダ珈琲もない。代わりにめっちゃあるのがエスプレッソハウスだ。世界に400店舗あるらしく、フィンランドでもたくさん見たがスウェーデンが発祥らしい。
ストックホルムだけでも100軒あるそうだ。(コーヒーハウスっていうのと、フィンランドは北欧フィンランドナンバーワンカフェチェーンのロバーツコーヒーも多い)
ヒュートリュエット市場の隣にあるエスプレッソハウスは、エスプレッソハウスコンサートハウスと言われていて、ノーベル賞の授賞式が行われるコンサートホールの地下にある。
たまたま入ったお店が、どうやら特別な感じがする、と思って調べたらそのようで、とても広い店内はカントリー調の可愛いお店だった。
注文して分かったことだが、ドリンクがばりくそデカい。40歳も超えてこんな言葉を使いたくないが、ばりくそデカいのだ。
1サイズしかないのに、体感で750mlぐらいあるマンモスサイズのコーヒーをお見舞いされる。めちゃくちゃ喉が乾いてるときは最適だ。ちなみに、ブラックコーヒーを注文する際はフィルターコーヒーと言った方がオシャレだ。
北欧新婚旅行26:休憩に困ったらFABRIQUEを頼るといい
ストックホルムに行くと、これでもかと見ることになるベーカリーカフェがFabrique(以下、ファブリック)だ。
パンがメインだがコーヒーも楽しめる。とにかく店舗数が多い。ここもファブリック。ここもまたファブリック。何度もお世話になった。店内の雰囲気も店舗ごとに変わっていて、カフェ巡りならぬ、ファブリック巡りをしてもいいぐらいだ。
こちらはノルマルムのTOSSEというカフェ。KONDITORIだ。
カップのロゴが可愛い。
コーヒーのセルフサービス式には慣れたが、KONDITORIのスイーツやパンを1個1個たべていけるほどの胃袋の余裕はなかった。
フィンランド・スウェーデンのカフェに行くたびに気づいたことが2つある。1つはカフェのバイトは世界共通で女子に人気だということ。
もう一つはカフェでパソコン開いてる人が一人もいないということ。これは本当にいない。
日本のカフェとは雰囲気が違うのだ。カフェに会話をしにくる。もしくは音楽を聞いているようだ。北欧の人はみんな、カフェでゆったりと過ごしていて雰囲気が好きだ。
北欧新婚旅行27:カメラは世界共通のコミュニケーションツール
ここで困ったことが起こった。いつも予備で持っているフィルムをマンションに忘れてしまった。これは丸一日の記録がなくなってしまう……と思い、Googleマップでカメラ屋さんを探してみたら、15分ぐらい歩いたところに富士フィルムのストックホルム店「FUJI PHOTO CENTER」があるではないか! めちゃめちゃ助かると思い、早速訪ねた。
お店に入ると後ろに髪を縛った少しノリの良さそうな店員さんがレジに立っていたので、フィルムはあるかと聞いたら、「おいおい、そんなことより、お前の持っているカメラ、ストラップもめちゃめちゃクールじゃねえか」というので、カメラを机の上に置くと、触っていいかと言って触り出した。
CONTAX(コンタックス)Ariaと一緒に持ち歩いていたRICOH GRも置くと
「おいおい、ちょっと待てよ、お前マジで言ってんのか、このカメラ美しすぎるだろ。SO BEAUTIFULだぜ。おい!ちょっとこっちこいよ、すごいやつ来たぞ!」と言って、奥にいる同僚を呼んだ。
同僚は50代ぐらいの白髪のカメラ博士といった様子だ。メガネを上げながら博士がやってきて「これは素晴らしい。フォルムが美しいな。お前どこから来たんだ? 日本か。素晴らしい。GRは初代か? Ⅱか? Ⅲか? そうか、やはりⅢか。コンタックスもいいな。大きすぎないのが良い」と言ってファインダーをのぞいているので、「フォトミー(俺を撮ってみて)」と言ったら、「いいのか?」と言って、「ここに立て」と言ってきた。
博士がぶつぶつ言いながらピントリングをいじっていたので、ここがピントでここでF値を……と説明しようとしたらカメラを触らせないようにして「誰に言うとんじゃ」的なことをスウェーデン語で言ってきた。(たぶん)
シャッターを切った瞬間、「GOOD SOUND」と言って、Ariaのシャッター音を博士と兄ちゃんと三人で目を瞑って聞いたのは良い思い出だ。
後で見たら設定をめちゃくちゃいじって撮ってくれていた。こんなに現像が楽しみな写真もないなとワクワクした。
撮影後、博士は風のように奥へ戻っていった。兄ちゃんと、今、日本ってフィルムいくらすんの?みたいな世間話をしつつフィルムを1本購入した。
「フィルムが買えて助かった、ありがとう」と言うと、「何言ってんだ、お前の国のブランドだろ!笑」って言ってくれて嬉しい気持ちになった。
最後に兄ちゃんにGRで撮ってもらい、
お返しに兄ちゃんをAriaで撮影して別れた。最後の最後まで、ノリが良かった。
なんだか心がじぃぃぃぃんとしていた。
カメラ始めて良かったなーと心の底から思った。
こんな心の交流がストックホルムでは何回かあるのだが、どれも忘れられない思い出だ。
使用カメラ:CONTAX ARIA
レンズ:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4、Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8
フィルム:FUJIFILM フジカラー PREMIUM 400、フジカラー SUPERIA X-TRA400、Kodak ULTRAMAX 400