ヴァイキングラインを選ぶ旅の醍醐味|コーヒールンバ平岡の北欧新婚旅行記〜カメラとコーヒーと嫁〜 #6
PHOTOGRAPHER PROFILE
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コーヒールンバ 平岡佐智男
松竹芸能所属のお笑いコンビ コーヒールンバとして活動。コーヒー芸人としてテレビ・ラジオに出演する傍ら、自身のカフェブランド SACHIOPIA COFFEE (サチオピアコーヒー)」をオープン。現在、猿田彦珈琲の広報として参画。また、 ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」 (バリスタ日本一を決める大会)の司会も務めるなど全身コーヒーまみれの芸人。コーヒー芸人としての出演歴 日本テレビ ヒルナンデス!」 ぐるナイ」、TBS マツコの知らない世界」、MBS 林先生の初耳学」、TBS ラジオ ジューンスー 生活は踊る」 他多数
@sachio_coffeeforme @sachiohiraoka https://www.instagram.com/sarutahikocoffee/写真好きのコーヒー芸人・コーヒールンバ平岡さんによる連載「北欧新婚旅行記」。今回は前回に引き続き、2023年6月にフィンランドとスウェーデンを訪れた北欧新婚旅行の模様を、撮り下ろしのフィルム写真でお届けします。
北欧新婚旅行17:中庭はみんな使っていいらしい
トゥルクでもAirbnb(以下、エアビー)でアパートを借りた。とても素晴らしいアパートで、家主が丁寧に迎えに来てくれて、家を案内してくれた。
だが、どんなに丁寧に説明してくれても分からないものは分からない。あんなことになるなんて、この時は知る由もなかったのだ。
後ほど[番外編:北欧の家電がむずすぎる]で説明させてほしい。
さて、トゥルクで借りたのは中庭のある家だ。
芝生や色とりどりの草花が生えていて、まるで絵本の中のような家だった。
中庭で私のカフェブランド「SACHIOPIA COFFEE」のカップを持ち出して撮影していたら、お隣さんの若夫婦がずっとこっちを見ている。急に東洋人が庭で写真撮っていたら珍しいか、と思っていたが、写真を撮り終わって家に戻ると、そのお隣さんの若夫婦が中庭のベンチに座り出した。
中庭を囲むように3軒ぐらいが建っているので分からなかったが、まさかこの人たちの中庭だったのかな? 不法侵入してた? と思ったけど、どうやらみんなで使う感じらしい。
それにしても、昼過ぎから家の植物の世話を二人でして、白夜だったので、まだ明るい夜9時頃に庭に出てきて、二人でコーヒー飲み、ゆったりと会話して夜10時ぐらいに帰っていった。
その様子を見ながら、最高夫婦かい、と思った。トゥルクに住んでいたらこういう生活もあるのかもしれない。現実の僕は洗濯とゴミ捨てのミッションの途中だったので、作業に戻った。
北欧新婚旅行18:ムーミンママは本当のお母さんのようだ
トゥルクにきた目的の一つはムーミンワールドに行くことだった。
トゥルクからバスで30分ほどバスに乗り、ナーンタリという街から15分ほど歩いた場所にある。子どもたちはバスの中からムーミンに会えるということで、テンションが上がっている子もいたが、私はおばあちゃんに手を引かれてムーミンに会いに行く二人の姿に胸キュンであった。
ムーミンワールドは子ども向けのテーマパークで、劇や読み聞かせ、迷路などがあった。
日本ではスナフキンはとても人気キャラクターだが、現地ではムーミンやミー、スニフなどの方が人気があるように感じた。
園内では催し物の時間が決まっていて、いろんなところで、予定している時間になるとムーミンやミーなどに会える。大盛り上がりの瞬間だ。
軽やかな音楽とダンス、そしてミーのトークで盛り上げてくれる。キャラクターも大集合の中、ふと気になった。
ムーミンママだけステージに上がらず、ムーミンやパパを見ながらお客さんと一緒に手拍子をしていた。お母さんやん、と思った。「私はいいの」みたいな控えめな感じ。「見てるよ〜」みたいな感じ……お母さんやん、と思った。
ムーミンママと実家の母親が重なって見え、ぐっとムーミン一家が身近に感じられた瞬間だった。
あと、スナフキンの身長は190cm以上あった。
北欧新婚旅行19:教会ってやっぱすごい
ムーミンワールドの帰りにバスに乗るまでの時間があったので、教会に寄ってみることにした。今まで教会に行くこともなかったので、その迫力と荘厳さ、信仰の本気さに圧倒されてしまった。たまたまパイプオルガンの演奏をしていたのもよかった。
やっぱ、世界の至る所に教会があって、みんなの信仰の場所になっているのは理由があるというか、やっぱすごいんだ……と思わざるを得なかったし、日本への観光客がお寺に行ってアメイジングだ!と思うような感覚なのだろうか。
ハマり症の私は、ナーンタリからトゥルクに戻ってきて、「トゥルク大聖堂にも行きたい」と言い出して、妻にもついてきてもらった。
見て分かるように、写真の枚数が格段に増えている。
この教会巡りも続いていくのだが、トゥルク大聖堂も素晴らしかった。これで世界遺産じゃないんかい、と思うほどだった。
トゥルクという土地柄か、観光客も少なくゆったり見学できたのもよかった。
6月の北欧だというのに気温が30度近い。ムーミンワールドの観光を終えた我々にはとてもありがたい休息になった。
北欧新婚旅行20:ヴァイキングラインには乗った方がいい
翌日、いよいよフィンランドとお別れの時がやってきた。このコラムでは書ききれない思い出もたくさんある。
というのも、このコラムはフィルムカメラの写真と一緒にお届けしているので、書くトピックと書かないトピックが出てくるのだ。デジタルカメラでも、3000枚写真を撮ったのでそれだけの思い出ができた。
ありがとう、フィンランド。
また絶対に来る、と固く決意して、次の国スウェーデン・ストックホルムに向かう。
出発前の日本で、「フィンランド〜スウェーデン間を船で行きます」と言われた時は、「もったいなくない?」と思った。なぜなら渡航時間が10時間以上もかかるからだ。8時にトゥルクを出てストックホルムに着くのが18時すぎ。
飛行機ならすぐだよ、と思ったのだが、妻のリサーチ力の前にひれ伏す結果となった。
バルト海を眺めながらの大クルーズ、カフェやバーが5つ、一人ひとりに用意された客室、免税店や、有料だがスパまであるという11階建ての超豪華客船だった。
しかも、5000〜7000円ぐらいだったと思う。念願の北欧新婚旅行ということで、これでもかと予定を詰め込んでしまう傾向のあった我々にとって、少しゆっくりする時間を強制的に持てることで心の余裕が出てきた。甲板に出て北欧の日差しとバルト海の風に吹かれてボーッとする時間がなんとも幸せであった。
このヴァイキングライン、トゥルクとヘルシンキから出航していて、トゥルクから乗るとストックホルムまで10時間、ヘルシンキから乗ると14時間ぐらいかかる。僕たちはトゥルクから乗船したがヘルシンキからの14時間の長時間の船旅でも良かったなと思うほど快適だった。(ヴァイキングラインともう1種類船もあるので、気になる方は調べてほしい)
子どもはゲームセンターなどもあるので全く飽きることもないし、最悪、自分の部屋で寝てるだけでもなんか楽しいだろう。
屋内のステージでは、年間に何日もこの船に乗ってます、みたいな雰囲気を醸すベテランおじさんトリオみたいなバンドの生演奏があり、飽きる暇がないし、そのトリオが終わったら船員のユニフォームを着ているおじさんが一人で弾き語りをしていた。
いったいどういうプログラムなんだろうという疑問はあったが、そのおじさんの演奏も素晴らしかった。しっかりものの妻は、その生演奏の前の席を陣取り、フィンランドで使用したレシートの集計を淡々と進めるのであった。そしていよいよ我々は2カ国目のスウェーデンへ上陸した。
北欧新婚旅行番外編:北欧の家電、むずすぎる
我々はAirbnb(以下、エアビー)で現地の人の家をレンタルしたので、北欧の家電をしっかりと使う旅を2週間したのだが、ちょっと、北欧の家電がむずすぎるので、ここに記しておこうと思う。
なぜなら、ネットを検索しても北欧の家電に関しての難しさが記録されておらず、めちゃくちゃ困ったからだ!
北欧に新婚旅行に行こうと思っている方、特に夫のみんなへ。この番外編だけでもいいので、読んでほしい。現地で途方にくれる夫が一人でも減ることを祈っている。
洗濯機は乾燥機付きのものを使用したが、コースがめちゃくちゃあって、大変だ。自分の洗濯物に合わせて設定してもらえたらと思うが、何も考えなくスタートすると──日本の洗濯機だと何も考えずにスタートすることもあると思うが──乾燥も含めて4時間半かかることになる(笑)。
そして、途中でストップしても扉が開かない。やり方はあると思うけど分からない。地獄だ。
どうすることもできず、ずっと終わらない洗濯を見つめることになったトゥルクの深夜4時を僕は忘れない。
これはコース選択などで乾燥含め1時間ちょいぐらいまで短縮できるし、短縮しても全く問題ない。むしろ、4時間半も洗濯してると生地がボロボロになるので、絶対やめた方がいい。
あと水温の設定もあるから注意が必要だ。COLD〜80℃まであり、なにも触らなければ60℃になっていた。現地の水の性質なのか、温度なのか分からないが、日本と同じような感覚で洗濯をしてると激しい色落ちに見舞われ、全ての衣類が同じ色になる。
という私も、ムーミンワールド以降ストックホルム最終日前日まで、ほんとは真っ白だったけど水色になってしまったTシャツと、ほんとは真っ白だったけど水色になってしまった靴下を履いて、シャツと靴下の色を合わせるのが好きな、ファッショナブルな日本人観光客になった。
特に現地の古着などを買った時は一緒に洗わない方がいいし、本当にお気に入りの服は多少時間がかかっても、それだけで洗った方がいい。とても乾燥している気候なので、洗濯物はすぐ乾く。
食洗機を動かしてみて、水が出ないようなら元栓を探してみてほしい。シンクのところにあるであろう元栓も「水道を捻る」、「レバーの付け根を押す」、「レバーの反対側のレバーを捻る」などパターンがある。そういうパターンがあるということだけでも頭に入れておいてほしい。
2〜3分は水を貯める時間があるので焦らないで大丈夫だ。洗浄時間も洗濯機と同じように変えることが可能だ。3時間かかることもあるので気をつけよう。最短でも15分程度はかかる。
シャワーは充電式の場合だけだと思うが、10分ぐらい浴びると、お湯がでなくなってしまい、充電するのに1時間ぐらいかかる場合がある。シャワーは手短に済ませること、奥様から入ってもらうようにすること。
使用カメラ:CONTAX ARIA
レンズ:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4、Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8
フィルム:FUJIFILM フジカラー PREMIUM 400、フジカラー SUPERIA X-TRA400、Kodak ULTRAMAX 400