コーヒールンバ平岡の北欧新婚旅行記 – カメラとコーヒーと嫁 –
PHOTOGRAPHER PROFILE
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コーヒールンバ 平岡佐智男
松竹芸能所属のお笑いコンビ コーヒールンバとして活動。コーヒー芸人としてテレビ・ラジオに出演する傍ら、自身のカフェブランド SACHIOPIA COFFEE (サチオピアコーヒー)」をオープン。現在、猿田彦珈琲の広報として参画。また、 ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」 (バリスタ日本一を決める大会)の司会も務めるなど全身コーヒーまみれの芸人。コーヒー芸人としての出演歴 日本テレビ ヒルナンデス!」 ぐるナイ」、TBS マツコの知らない世界」、MBS 林先生の初耳学」、TBS ラジオ ジューンスー 生活は踊る」 他多数
@sachio_coffeeforme @sachiohiraoka https://www.instagram.com/sarutahikocoffee/はじめに
2023年4月1日という一瞬疑ってしまう日に、僕コーヒールンバ平岡は結婚した。
お相手はかねてよりお付き合いしていた方。「エイプリルフールに入籍したい」と言い出したのは彼女で、結婚を冗談にしたいのかなと僕の方が一瞬躊躇した。彼女とはかれこれお付き合いして10年ぐらい経つ。
結婚のきっかけは、2017年に事務所の先輩である元うしろシティ金子さんのお仕事の関係で行かせてもらった「フィンランド・第1回ヘビメタ編み物選手権」だ。結果優勝し、初代ヘビメタ編み物選手権の世界チャンピオンになって帰国したのだが、フィンランドを満喫してきてズルい、と彼女は思ったようで「じゃあ一緒に行こう」「会社でそんな長期休暇は結婚でもしない限り取れない」「じゃあ結婚すっか」という流れだ。そもそもヘビメタ編み物の時もスケジュール上、観光の時間などもほぼなかったので、しっかりともう一度行きたいと思っていたからちょうどいい。
彼女の会社の規定で結婚して6ヶ月以内しか結婚休暇を取れないので、プロポーズして、コロナが落ち着いて飛行機が飛ぶようになるのを、親たちが心配になるぐらい息を潜めて数年待ち、飛ぶようになったのを確認してススっと婚姻届を出し、僕たちはあの森と湖とコーヒーが待つ北欧へ2週間の新婚旅行へ行くことにした。その度の記録をフィルム写真をセットにして記していきたいと思う。
北欧新婚旅行1:旅行はもう始まっている
彼女の部屋には100鉢をも超える植物があり(僕の部屋にも30鉢ぐらいある)、旅行中の水やりなどをお母さんにお願いしていたので、その準備から大変であった。海外楽し〜だけではもうダメなのだ。私は既婚者。家のこと、妻のこと、親戚へのお土産など大黒柱としてイニシアチブをとっていかないといけない。とは思うのだが、準備から何から、しっかり者の妻の指示に従うことになってゆく。飛行機の手配も宿泊先も交通機関についても妻の指示の通りに私は動いた。自ら積極的に行ったことといえば販売本数が制限されているカラーネガフィルムを色んなカメラ屋さんを駆け回り集めることぐらいであった。情けない限りである!
13時間程度のフライトを経てパンパンにむくんだ足で降り立ったのは、憧れのそして懐かしのフィンランドであった。それにしても足がパンパンにむくんでいた。ぜひみなさんは簡易スリッパなどで飛行機内は過ごしてほしい。ちなみに、フィンエアーの中で飲めるブルーベリージュースは激ウマで、「おいおいもうフィンランドはじまってんかい」と思わざるをえないだろう。
北欧新婚旅行2:帽子をかぶると、顔は黒くなる
23時成田発で6時にヘルシンキヴァンダー空港着なので、お店なども空いていないのだが、空港からヘルシンキ中央駅に行って荷物をコインロッカーなどに預けたりしてたらなんやかんや8時ぐらいにはなる。そうなったら、市場が開き出すのでまずそこから行ってみるのもいいだろう。
街をなんとなく歩くだけでも、歴史を感じさせる建物や、おしゃれなデザインが街に溢れているので、ワクワクは止まらない。ヘルシンキの空気は冷んやりはしているものの、穏やかな暖かさもふくんでいて過ごしやすかった。昼になると結構暑く(28℃ぐらいあった)もっと寒いのを予測していて薄めのインナーダウンなど用意していたが、使うことはなかった。地元の人がびっくりするぐらい暖かい2週間に当たったようだった。暖かさに加えヨーロッパの日差しの強さも加わり、妻は愛用のサンバリア100という日差しを防ぐのに特化した帽子を目深に被って2週間過ごした。当然、写真はこうなる。眩しいという理由で顔黒妻の写真はたくさん撮影できた。それも思い出だ。
北欧新婚旅行:1日券は買った方がいい
電車を使うことよりもトラムを使うことが多かったが、どちらにせよ旅行の際は1日乗車券を買った方がお得だ。トラムも電車も時にはフェリーも乗れる。そういうことを調べてくれたのも妻だ!情けないかぎりである!ちなみに1日券はABCDと使える地域が決まっていて、ABで買うと結構主要な観光地は巡れる(Aだけ販売はないのでABで買ってほしい)のでおすすめ。
現地のアテンドは夫である私が、と強く思った。新婚旅行のイニシアチブを諦めたわけではない。ただ、新婚旅行に行く全国の夫の皆さんもそうなると思うので、はじめに言っておくが、絶対に行き先と反対の電車とか乗る。なのであまり大きなことを言わない方がいい。そして、そんな時思うのだ。1日券買っといてほんとよかった、と。
北欧新婚旅行3:カモメは2日もあれば慣れる
フィンランドは世界でも1位2位を争うほどコーヒーを飲む国だそうで、スーパーには家庭用のコーヒーがずらりと並ぶほか、カフェも多い。
この旅で30軒を超えるカフェに行ったので、何軒か紹介していければと思う。ここは「cafe regatta」ヘルシンキ駅から30分ぐらいかかるのでわざわざ行かないといけないカフェだが、ぜひわざわざ行ってほしい。湖とコーヒーの素晴らしいヘルシンキを体感できる。
ヘルシンキにつくと、カモメの多さに驚くだろう。駅でもどこでも飛んでいる。白くて優雅に舞ってフィンランドだなという気になるが、2日もすれば白いカラスだなということがわかってくる。可愛い外見をしているのだが、何かを食べていると、こちらが気づかないぐらいの歩幅でジリジリ距離を詰めてくる。そういうカモメの性格にも2日もすれば気づくのだ。現地の人は慣れているのか、コーヒーを乗せていたお盆をたくみに振り回して、カモメを追い払っていた。
北欧新婚旅行4:ウインナーは火のあるところで焼く
レガッタの名物に自分で焼くスタイルのウインナーがある。レジでウインナーを買って、囲炉裏のようなところがあるので自分で焼いて食べるというものだ。僕たちはこれをやってみたくて、ここに来た。長い銛のような串にウインナーを刺して囲炉裏で焼いたのだが、火はそんなに燃えておらず、息を炭に吹きかけるとぱーっと赤くなるような状態で、こういう遠赤外線的な感じで焼くのかなと思っていた。ウインナーを炭に近づけて5分、なかなか焼けないので炭の中にウインナー入れるパターンなんじゃない?などと妻に言ってウインナーを炭の中に突っ込んでいたら、現地のボーイスカウトを毎週やっているようなお父さんが来て「…………手伝おうか?」と言って、おもむろに囲炉裏の隣の小屋から新しい薪を4本ぐらい持ってきて、その皮を剥ぎ、まず皮を投入し種火とすると、薪を入れ、ゴウゴウと火が起こり、ウインナーは一瞬で焼けた。
旅行者が火のないところで一生懸命炭の中にウインナーを突っ込んでいたのを見ていられなくなったんだろう。優しい人だ。一瞬で焼けた炭だらけのウインナーを齧りながら「お前らどこからきたんだ?」「日本だ」などと答えながら「日本だ」、じゃねえよと、思った。情けない限りだ!
その後、アメリカから来たおばあちゃんが横に座り、同じようにウインナーを焼きに来た。ゴウゴウと燃え盛る火でおばあちゃんのウインナーは一瞬で焼け「ニューエクスペリエンス」と僕に言ってきたので炭だらけのウインナーにマスタードをかけながら「ミートゥー」と答えた。
使用カメラ:CONTAX ARIA
レンズ:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4、Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8
フィルム:FUJIFILM フジカラー PREMIUM 400、フジカラー SUPERIA X-TRA400、Kodak ULTRAMAX 400
── 続編に続く。