【作例レビュー】Nikon F|ニコンのフィルムカメラ|#わたしのカメラ|vol.068
とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はニコンのフィルムカメラ「Nikon F」とその作例をご紹介します。
Photographer / atsuko.aoki
沖縄県出身 埼玉県在住
写真は日常や生活の延長線上で撮ることがほとんどです。ありふれた風景が、移ろう時間によって美しく見える瞬間を撮るのが好きです。
Instagram @_atsuko.a
Nikon Fの作例
わたしがNikon Fで撮る理由
「昔使っていたカメラがあるから使って」と叔父から譲り受けたのがNikonFでした。
大事にされていたことが伝わる保管状態で、身近な人の歴史あるカメラを譲ってもらえたことが嬉しかったです。
リペアを依頼した元Nikonの技術者の方の「とても良いカメラだから大事に使ってあげてね」という言葉に、現在の金銭的価値ではない、誇りのようなものが伺えたのを記憶しています。
私が使用するいくつかのフィルムカメラの中で一番大きく重量もありますが、信頼度も一番です。
レンズはNIKKOR-S 50㎜f1.4 や Carl Zeiss Planar 50㎜f1.4を使用します。どのレンズでも、どの場面でも安定して撮れる実直さがあり、光によって柔らかさとシャープさどちらも表現出来ることが、私がNikonFを使う理由です
information
Nikon Fの基本情報
Nikon F は、1959年に発売されたニコン初の一眼レフカメラで、当時Leicaが先陣を切っていたレンジファインダー式カメラが主流だった時代に、プロの道具として一眼レフカメラが使われていくきっかけになった一台です。
レンジファインダー式カメラでは短焦点レンズしか装着ができませんでしたが、1950年代、一眼レフカメラではズームレンズなど様々なレンズを装着することによって撮影の幅が広がることが期待され、開発が進んでいました。そんな中、丈夫なチタン製のシャッターや、レンジファインダー式カメラでは実現できなかった豊富な機能を装備して誕生したカメラがNikon Fです。また、通常のアイレベルファインダーの他に、TTL露出計付きのフォトミックファインダーや、上からのぞいて撮影できるウェストレベルファインダーなど、用途に合わせて豊富なファインダーが存在する点も魅力の一つです。
丈夫で壊れにくく、質実剛健なNkion F は発売から半世紀たった今でも数多くのユーザーに愛されているカメラです。そんな、一度は手に取ってみたい歴史あるカメラです。
幅・高さ・奥行:147㎜×98㎜×54㎜
重量:685g(本体のみ)