【作例レビュー】CONTAX T|コンタックスのカメラ|#わたしのカメラ|vol.085
とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はコンタックスのカメラ「CONTAX T」とその作例をご紹介します。
Photographer/鈴木啓太|urban
メーカー等でのセミナー講師をする傍ら、執筆、人物及びカタログ撮影に加えフィルムやオールドレンズをメインに活動。2017年に立ち上げた「フィルムさんぽ/フランジバック」は月間延べ60人ほどの参加者を有する、関東最大のワークショップに成長している。著書に「ポートレートのためのオールドレンズ入門」「ポートレートのためのオールドレンズ撮影マニュアル」がある。リコーフォトアカデミー講師。
Twitter:@urbansoul_00 / Instagram:@urbansoul00/
ワークショップHP:https://urbansoul00.wixsite.com/filmsanpo
CONTAX Tの作例
わたしがCONTAX Tで撮る理由
軽量、絞り優先、高い描写力、そして自分でピントを合わせることができるフィルムカメラを探してたどり着いた答えがCONTAX Tでした。
後継機となるCONTAX T2と同じSonnar T* 38mm F2.8を搭載、コンパクトながらハッとするような表現ができるのは、Carl Zeissの技術の結晶とも言えるでしょう。
T2の影に隠れてはいるものの、レンジファインダーを搭載しておりT2によくみられるピントの中抜けがないのは強みのひとつ。プログラムオートが基本であり、絞り開放が使いにくいT2と比較し、自由に絞りを選択することで表現に幅を持たせることができるのもお気に入りのポイント。
ポートレートではボケとシャープさを両立させた開放F2.8~4を積極的に活用するのが僕のスタイルです。また、F8に絞り込むことで1.5m~∞までピントが合う特性は、軽快なスナップを後押ししてくれます。
270gの軽量ボディかつポケットに入る薄さはフィルムカメラを使いたいけど、重いカメラを持ちたくないという悩みを持つ方にこそおすすめ。絞りを決め、ピントを合わせ、巻き上げてシャッターを切る。コンパクトながらフィルムで撮るという楽しさが詰まっている、そんなカメラです。
information
CONTAX Tの基本情報
CONTAX Tは、それまでのコンタックスブランドを引き継いでいたヤシカと、京セラが合併して最初に発売されたカメラで、とりわけ力を入れて開発されました。
1984年に最初に導入され、高品質な光学系とコンパクトなデザインで評価されています。
このカメラは、その優れた画質で知られており、しばしばプロの写真家や愛好家に好まれました。レンジファインダースタイルのデザインを特徴とし、鋭いレンズ、精密なフォーカス機構、優れた耐久性は、長く大切に使いたくなること間違いなし。
CONTAX TモデルにはT2、T3などの改良版が続き、これらのカメラも非常に人気があり、写真家たちの熱い支持を得ています。
なかでも、このカメラの特徴の1つはレンズです。搭載されているSonnar T* 38mm F2.8は鮮明さ、カラーレンダリング、総合的な光学性能で評価されました。カールツァイスのレンズは品質が高く評価されており、このカメラでしか味わえない特別な描写をぜひお手に取ってみてくださいね。
幅・高さ・奥行:98㎜×66.5㎜×32.5㎜
重量:270g(電池別)