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【作例レビュー】CONTAX T2|コンタックスのフィルムカメラ|#わたしのカメラ|vol.057 【作例レビュー】CONTAX T2|コンタックスのフィルムカメラ|#わたしのカメラ|vol.057

【作例レビュー】CONTAX T2|コンタックスのフィルムカメラ|#わたしのカメラ|vol.057

とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。

そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。

今回はコンタックスのカメラ「CONTAX T2」とその作例をご紹介します。

Photographer / みしぇる。(Kikuyama Kohei)

1995年生まれ。沖縄県出身、滋賀県在住。
ことばと写真による表現を通じて、よりよい自分を目指す。見た人が「これは自分の記憶だ」と錯覚してしまうような、穏やかでさりげない写真を理想としています。

Instagram : @crsa_photo
Twitter:@ahiru_puka


CONTAX T2の作例

わたしがCONTAX T2で撮る理由

カメラとの出会い

高級コンパクトカメラとして、真っ先に思いつくであろうこのCONTAX T2。手に入れてはじめて自分で使ったとき、これは危険なカメラだなと思いました。というのも、一眼レフのフィルムカメラをメインで使用していた身からすると、あまりにも使い勝手が良いし、「写りすぎる」んです。はじめて撮影に持ち出した日には、5本のフィルムを簡単に使い切ってしまうほどの撮影テンポの良さ。このカメラの大きな魅力のひとつでしょう。

CONTAX T2を使い続けたい理由

撮影へのハードルが下がるという点だけなら、そのほかの多くのコンパクトカメラにも共通して言えることではあります。ほかのコンパクトカメラにはないCONTAX T2ならではの強みは、やはりカールツァイスレンズを搭載していること。ぼくは、レンズによる写りの差というものをあまり信じていなかったのですが、このカメラで撮ったフィルムを現像に出してあがってきたデータを見たときに、レンズの力というものに気付かされました。オートフォーカスで撮影できるカメラということとも相まって、先述の「写りすぎる」という感想をぼくは抱いてしまったわけです。

「写りがいい」ということばが直接に賛辞として働くとは考えていませんが、写すものと写さないものの取捨選択を的確にできる撮影者がこのカメラを持ったとき、CONTAX T2は真の力を発揮するのではないかと思っています。フィルム写真や、マニュアルフォーカスの曖昧さというようなものでのごまかしのない、地に足の付いた写真を生み出せる稀有なコンパクトカメラだと言えるでしょう。

とはいえ、初心者向けではないのかと言われれば決してそんなことはありません。夜間や室内の複雑なひかりを捉える力には本当に目を見張るものがありますし、日常の些細なこころの引っかかりを確かな「想い出」と呼べるものに引き上げる力があります。長くこのカメラと付き合うことが、写真というものを理解する近道だと思います。

CONTAX T2のひとつの弱点とも呼べる特徴に、オートフォーカスがときどき抜ける、つまりピントを外してしまうという点がありますが、これがむしろこのカメラで撮る写真をどうしようもなく愛しいものにしてくれます。
ピントの合わなかった写真というのは、二度とクリアに見られない光景であり、現実と思い出の隙間に記憶が転がり落ちてしまったような感覚をもたらしてくれます。これにより手の届かないものに手を伸ばすように、記憶を強く求める作用が働き、その光景が忘れられないものになるのではないかと思っています。

中古相場がほとんど発売当時の定価まで上がってしまい、フィルム自体の価格も高騰する中で、なかなか手の届かないカメラではありますが、これ1台で全ての日常を作品にしてしまう力があります。記憶を邪魔しない、そんなカメラです。

information

CONTAX T2の基本情報

1990年代の高級コンパクトフィルムカメラブームの立役者:CONTAX T2。

1990年に京セラ・CONTAXが発売し、高級コンパクトフィルムカメラの中の「名機中の名機」と評されることもあり、価格が高騰気味のカメラの一つ。
愛用者は、森栄喜氏、奥山由之氏、任航氏、テリー・リチャードソン氏、アニー・リーボヴィッツ氏、ソフィア・コッポラ氏、水原希子氏、ケンダル・ジェンナー氏など。多くの写真家やセレブリティを魅了している。

頑丈で高級感のあるチタンボディ。
そして、描写力に定評のある世界のカールツァイスのレンズ:ゾナーT* 38mm F2.8を搭載。
レンズ周囲のダイヤルを回して露出を調整していくシンプルな操作性。
F2.8設定時に露出オーバーになると、絞り込まれる自動システムも内蔵。
しかし、シャッター速度が1/500秒までのため、高感度フィルムで開放を楽しみたい時は、自動絞り込みに注意が必要。

幅・高さ・奥行:119mm×66mm×33mm
重量:295g(電池別)

関連機材『CONTAX T3』の作例記事はこちら↓↓
CONTAX T3|#わたしのカメラ|vol.019

CONTAX T3|#わたしのカメラ|vol.051

関連機材『CONTAX S2』の作例記事はこちら↓↓
CONTAX S2|#わたしのカメラ|vol.053

高級コンパクトカメラの作例記事はこちら↓↓
Minolta TC-1|#わたしのカメラ|vol.005

#わたしのカメラとは?

「作例から選ぶカメラ」そんな連載があったらいい——。写真と歩むライフスタイルを提案するCURBONがお送りする、作例から選ぶカメラの連載が「#わたしのカメラ」です。

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