【東京都】都内の展示におすすめのギャラリー5選|フォトグラファーが厳選

ギャラリーの広さや天井の高さ、自然光や照明の具合、搬入のしやすさ、そしてアクセスの良さまで……アート作品を展示するギャラリーを選ぶ際、作品が引き立つ空間を見つけるには様々な条件を考慮する必要があります。

今回は、フォトグラファーが実際におすすめする、都内で展示利用してみたい5つのギャラリーを厳選してご紹介。

それぞれのギャラリーが持つ魅力を、プロの視点からお届けします。

教えてくれたphotographer

PROFILE

Mume │ 夢萌

PROFILE

Mume │ 夢萌

2001年群馬県生まれ。学生時代はフラワーデザインを学びながら高校2年生で写真を始める。就職を機にフォトスタジオへ勤務し、フラワーから写真の世界へ転身。現在は制作会社で専属フォトグラファーをしながら個人の創作活動も行なっている。

instagramのアイコン @_20___me 別のタブで開く URLリンクのアイコン https://encounter.curbon.jp/news/ambiguous-expression/ 別のタブで開く
Yutaka Kikutake Gallery
Yutaka Kikutake Gallery

展示方法に特徴があるギャラリーです。ここでは、ただ壁に作品を展示したり物を置くだけのシンプルな展示ではなく、空間そのものを活かした展示が多いんです。美術館のような細かいディスプレイや、現代美術館のような、作品との一体感を感じるような展示が行われていて、他のギャラリーではなかなか見られないようなタイプの作品が展示されています。

Yutaka Kikutake Galleryの一番の魅力は、空間の作り込みにあると思います。大きなギャラリーでは避けがちなインスタレーションの展示を、しっかりと作り込んでいる点が他のギャラリーとの大きな違いです。空間そのものがアートとして成立しているため、作品を展示するだけでなく、観客がその場で体験できるような要素が満載です。

Yutaka Kikutake Gallery
Yutaka Kikutake Gallery

また、ギャラリーが手がける展示は、他ではあまり見られないジャンルに挑戦していることもポイントです。大きなギャラリーでは扱われにくい、少し難易度の高い展示にも挑戦しており、そうした新しい取り組みが魅力的です。

Yutaka Kikutake Galleryの背後にあるネットワークとは

ギャラリーの背後には、かなり広いネットワークが存在しています。例えば、ベネチアビエンナーレの日本館で展示されたり、キュレーターとのつながりが深いことから、アーティストにとっては非常に良い機会が提供されていると感じます。こうした国際的な場での活動は、アーティストにとっても大きなステップアップになりますし、ギャラリーにとってもその評価を得るための重要な要素です。実際に、ギャラリーが扱っている展示やイベントは、メディアとも強い関係があります。「疾駆」というリトルプレスを発行元がギャラリーとしてメディア活動を発展させてきたという背景があるんです。こうしたメディアとアート空間がうまく融合している点も、ギャラリーの大きな魅力のひとつだと思います。

どんな人におすすめ?

アートに対して一歩踏み込んだ体験を求めている人におすすめです。写真やインスタレーションアートに興味がある人にとっては、特に新しい発見があるギャラリーだと思います。空間の使い方や展示の仕方にこだわりが感じられるので、アートに対する理解を深めたい人にもピッタリです。

Yutaka Kikutake Gallery
Yutaka Kikutake Gallery


ギャラリー名:Yutaka Kikutake Gallery
住所: 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
公式サイト:https://www.yutakakikutakegallery.com/

2. 「ユメノギャラリー吉祥寺」とは

ユメノギャラリー吉祥寺
ユメノギャラリー吉祥寺

吉祥寺にあるギャラリーは、さまざまなジャンルの展示を受け入れている点が特徴です。例えば、イラスト系やデザインの展示、写真展など、ジャンルを問わず多岐にわたる作品が展示されています。それに比べて、他のギャラリーは特定のテーマやアーティストに特化していることが多いので、ここは本当に多様なアートが集まる場所だと感じます。

幅広い作家を受け入れているギャラリー

一番の特徴は、作家の選定に制限をかけていないところです。他のギャラリーでは、展示できる作家が限られていることが多いのですが、ここのギャラリーは規約の範囲内であれば幅広い作家を受け入れているので、誰でも展示を試みることができるんです。

ユメノギャラリー吉祥寺
ユメノギャラリー吉祥寺

また、価格面でもかなりリーズナブルです。1日1万円から借りられるスペースもあり、気軽に展示ができる点が大きな魅力です。広さもちょうど良いコンパクトなスペースで、展示しやすい環境が整っています。特に価格設定が手の届きやすいのが、作家やギャラリーにとってはありがたいポイントだと思います。

ユメノギャラリー吉祥寺
ユメノギャラリー吉祥寺

ギャラリー名:ユメノギャラリー吉祥寺
住所: 東京都武蔵野市吉祥寺東町1丁目5−13 2F
公式サイト:https://www.yumenogallerykichijoji.com/

3. 「PUNIO(プニオ)」とは

ギャラリー PUNIO(プニオ)
PUNIO(プニオ)

このギャラリーは、私が今まで見てきたギャラリーの中で一番自由な雰囲気が漂っています。例えば、スペースを使う際に、元の状態に戻せるのであれば、何をしてもOKという感じです。色を塗ってもいいし、壁に何かをつけても全然問題なし。自由な発想で展示できる点がとても魅力的です。

ギャラリー PUNIO(プニオ)
PUNIO(プニオ)

完成品じゃない、作る過程が見られるギャラリー

面白いところは展示が完成した状態ではなく、制作過程を見せることができるところです。作品を作る過程をそのまま展示できるんです。例えば、発泡スチロールに薬品をかけて、穴を開けていくような作業を展示してもOK。できあがったものだけでなく、その過程も魅力の一部として楽しめるギャラリーはなかなかないと思います。

多様な作家が集まる場所

このギャラリーは多くの作家が集まる場所で、私も何人かの作家と出会いました。知らない人とも簡単に知り合えるので、新しい接点が増えるのが嬉しいポイントです。こういうギャラリーは、アートを通じて新たな人とのつながりが生まれる場所でもあると思います。

また、ここのギャラリーでは、面白いシステムが導入されています。入場料が100円かかりますが、展示料を取るわけではありません。その分ギャラリー側と作品販売のパーセンテージを分けるという仕組みです。これは、ギャラリー側も多くの人を呼べば呼ぶほど利益が増える仕組みになっていて、まさにウィンウィンな関係が成り立っています。

アーティストとしては、予算を気にせずに挑戦できる場所が確保されているので、展示の自由度が高く、常に新しい展示が楽しめる環境が整っています。

ギャラリー PUNIO(プニオ)
PUNIO(プニオ)

ギャラリー名:PUNIO
住所:東京都足立区千住旭町15−11
公式サイト:https://punio1001.com/

4. 「SUMMER of LOVE」とは

SUMMER of LOVE
SUMMER of LOVE

ここはシンプルでアクセスも良いギャラリーです。高円寺駅からのアクセスが意外と良く、展示スペースも使いやすいです。料金も割とお手頃で、1日のレンタル料は12,000円ほど。狭い場所より少し高いですが、その分広めのスペースが確保できるので使い勝手がいいですね。

このギャラリーは服のポップアップやちょっとした展示にすごく向いていると思います。年中展示が行われていることが多いので、常に何かしらの展示が楽しめます。特に、この場所の特徴は展示用のポールが完備されていて、事前に頼めば設置もしてくれます。壁掛けではなく、天井からの吊り下げ式で展示できるギャラリーはあまりないので展示の幅が広がります。

自由にボードや看板を使える点もおもしろいポイント。例えば入口にはサインボードがあり、来場者が自分で看板を作ったりできます。他のギャラリーではあまり見かけないスタイルです。

SUMMER of LOVE
SUMMER of LOVE

どんな展示者に向いている?

特にSNSで頑張っているアーティストには向いている場所かもしれません。オープンな雰囲気があって、展示がしやすい環境です。

シンプルな作りだから、誰でも挑戦できるし、特にエンタメ要素が強い展示にはぴったり。窓が大きくて、外からの視認性も良いので、通行人に見てもらえるチャンスも多いです。ただ、通りすがりに気軽に入ってくる感じではなく、展示に興味を持った人が足を運ぶ、そんな雰囲気のギャラリーですね。

全体的に、シンプルながらも自由で、個性を活かした展示ができる場所だと思います。

SUMMER of LOVE
SUMMER of LOVE

ギャラリー名:SUMMER of LOVE
住所:東京都杉並区高円寺南4丁目41−6 ユニーブル高円寺
公式サイト:https://summeroflove.jp/

5. 「L-1gallery (エルワンギャラリー)」とは

L-1gallery  エルワンギャラリー
L-1gallery エルワンギャラリー

L-1galleryは、恵比寿にある非常に洗練されたギャラリーです。

ギャラリーの経営には、クリエイティブディレクターと空間デザイナーが関わっていて、そのためか空間自体が非常にシンプルでありながら、洗練されています。例えば、パイプがむき出しになっているデザインなども、アートとの調和を感じさせて、とてもクリエイティブな雰囲気を醸し出しています。

L-1gallery  エルワンギャラリー
L-1gallery エルワンギャラリー

会場の雰囲気が作品にどう影響する?

ギャラリー自体が洗練されていると、作家の作品をさらに際立たせます。実際に、作品と会場の雰囲気が合わないと、展示自体が良いものでも、ちょっと物足りなく感じてしまうこともありますが、L-1galleryでは、そのバランスが非常に良いと感じました。

恵比寿という立地が持つ魅力

ギャラリーは恵比寿にあり、周辺には根津美術館などもあって、まさに芸術エリアといった感じです。ちょっと格式のある雰囲気ですが、親しみやすさも感じられる場所です。

L-1gallery  エルワンギャラリー
L-1gallery エルワンギャラリー

ギャラリー名:L-1gallery
住所:東京都渋谷区広尾3丁目13−1 trust value hiroo B1F
公式サイト:https://www.l-1gallery.com/

Encounter Gallery
Encounter Gallery

Encounter Galleryは、展示スペースの自由度が高く、さまざまな表現方法を試すのにぴったりなギャラリーです。特に、抽象的な表現を試みるアーティストには最適だと思います。なぜならこのギャラリーの空間は、どんな作品にも合わせやすく、展示の自由度がとても高いからです。

例えば、真っ白な空間での展示は作品が目立つ反面、ギャラリー自体の印象が強く出すぎてしまうことがありますが、Encounter Galleryは壁を自由に配置できるので空間のコントロールがしやすく、作品の魅力をしっかり引き出してくれる場所だと思います。

Encounter Gallery

Encounter Galleryの特徴

Encounter Galleryの大きな特徴は、スペースに凹凸が少なく、フラットな作りをしていることです。そのため、空間全体を自由に使って作品を展示でき、展示内容に合わせた空間のコントロールがしやすいです。また、映像を流したり、カッティングシートを使ったり、釘を打つなど、作品に合わせた自由な表現が可能です。音響設備も整っており、プロジェクターやスピーカーを使って映像や音楽を流すこともできます。

さらに、利用時間の延長も可能で、レセプションパーティーを開くこともできます。パーティー中に食事を持ち込んだり、ケータリングを手配したりすることもできるので、展示と一緒に特別な時間を演出することができます。お酒もパーティー中に提供可能で、リラックスした雰囲気で展示を楽しむことができます。

どんな展示に向いている?

どんな展示でも合わせやすいギャラリーですが、特に自分たちの繋がりやメッセージを発信したい展示に向いています。写真展はもちろん、油絵や水彩画、さらには水墨画の展示にもぴったりです。空間が広く、圧迫感がないため、どんなジャンルの作品でも調和が取れやすいです。

デメリットはあるのか

ただし、展示する作品数が少ないと、広さを感じさせすぎてしまうことがあります。作品数が少ないと、空間が寂しく見えがちです。例えば、35点程度がちょうど良いバランスになります。作品数が少ない場合は、データを活用するなど、工夫を凝らすことが大切です。

広さがある分、作品数が少ないと空間が余ってしまい、展示が物足りなく感じることがあります。特に個展を開催する際には、作品数をしっかり準備することが重要です。展示を考える際には、作品数が30点程度は必要だと感じますが、作品数が少ない場合は見せ方に工夫を凝らすサポートも入ります。

Encounter Galleryは、自由な表現が可能で、多様なジャンルに対応できるギャラリーです。特に空間を自在に使いたいアーティストや、非日常的な展示体験を提供したい方におすすめです。また、自由度が高く、音響や映像の使用、パーティーなどのイベントも可能なので、展示だけでなく、訪れる人々と特別な時間を共有することができます。

Encounter Gallery

ギャラリー名:Encounter Gallery
住所:東京都文京区小石川5丁目29−5
公式サイト:https://encounter-gallery.curbon.jp/