《shanai / #写真家の視る働く空間 》ダイキン工業株式会社 篇 心地よい風を共に創り出す空間

オフィスとは、多様な働き方の最前線。
写真家の目に映るオフィスの魅力とは、どんなものだろう。

オフィスのあり方が問われる今、細部まで工夫を凝らされたオフィス空間を写真家が切り取ることで「これからのオフィス」を考える。

今回は、ダイキン工業株式会社(以下ダイキン)の東京支社を訪問した。

まもなく創業100年を迎えるダイキンは、世界で唯一、空調機器と冷媒の両方を手掛けており、開発、製造・販売、アフターサービスまでを自社でおこなう総合空調メーカーだ。世界各地に100以上の生産拠点を構え、世界170ヵ国以上で製品を販売。地域によって異なる様々なニーズに応える、空気のスペシャリスト集団である。

そんなダイキンは「人を基軸におく経営」を掲げており、「企業の競争力の源泉はそこで働く『人』の力である」、「従業員一人ひとりの成長の総和が企業の発展の基盤である」といった信念を持っている。働く人たちが自らの個性を磨き、能力を最大限に発揮することによって、組織としての力を高めていこうという考え方だ。

さらに、会社や国境も越えた人材の交流に取り組み、互いに刺激しあいながら成長することも目指している。

そんな、一人ひとりの力を合わせて発展していくダイキンのオフィスは、どんなところなのだろうか。そこにはどんな空気があるのだろうか。気鋭の写真家による撮り下ろしカットと共に、ダイキンの「shanai」を探訪する。

PHOTOGRAPHER PROFILE

PHOTOGRAPHER PROFILE

嶌原 佑矢

Born in Osaka,photographer based in Tokyo.
1985年 大阪府生まれ。2013年出版社に勤務しその後2018年に独立。主にファッション、ポートレイト、風景、静物などの撮影を手がける。

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まずは広々としたエントランス。
壁に配置された大きなモニターでは、ダイキンの歴史や取り組みがアニメーションなども織り交ぜて紹介されている。タッチパネルで操作することも可能で、ついあれこれと見入ってしまう。来客の多いダイキンの、待つ人を楽しませる工夫が光る。

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印象的なのが、風をテーマにしているという間仕切りのカーテン。絶妙な透け感が爽やか。

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オフィスがあるのは東京駅の目の前に建つ高層ビルだ。38階からの眺めは圧巻である。

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マスコットキャラクターのぴちょんくんも、この見晴らしには大満足。

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続いて、社外との打ち合わせに使われる応接室を見ていこう。

国内外問わず、さまざまな関係先からの来客が多いため、応接室には特にこだわりがある。

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季節の風をイメージした色合いのパネルが、一つ一つの部屋に飾られている。
こちらは夏の「薫風」。初夏の頃、 青葉の中を吹き渡って緑の香りを運ぶような風を表現している。

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他にも「春陽の頃、雨あがりの日をあびた草木に吹く風」や「晩夏の水田を渡る風」などをイメージしたパネルがあり、どれも美術館の作品のように美しい。

思わずすべての応接室をじっくり鑑賞したくなってしまう。

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華やかさと爽やかさを兼ね備えた応接室の空間からは、ダイキンならではの「風」を伝えたいというこだわりが感じられる。

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応接室を飾るアートフラワーは、毎月種類を変えて季節感を演出している。

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季節や環境に合わせて快適な空間を提供するダイキンのこだわりが、来客に対する「おもてなし精神」にも表れているのだ。

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デスクやチェア、カーペットも一部屋ごとにコーディネートされ、それぞれに個性が感じられる。

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こちらは大きなプレゼンなどに使う大会議室。
モニターやマイクなどの設備が充実し、いかにも大企業という迫力がある。

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オフィスは2フロアに渡っているが、吹き抜けと内階段で繋がれており、開放的なイメージ。各エリアがそれぞれ独立しながら、一体感もある。

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吹き抜けの2階から見渡せるのは、社内のミーティングに使われるオープンスペース。

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デスク、チェア、パーテーションなどはすべて可動式。ミーティングの人数や目的によってレイアウトは自由自在だ。ランチや休憩に使う人も多い。部署間の交流がしやすく、社内全体で同じ空気を共有できる。

ダイキンは社内外の人を巻き込んだ講演会や勉強会などのイベントがとても多く、週に複数回は開催されるが、その際にもこのオープンスペースは大活躍。可動式レイアウトが役立つだけでなく、社外で場所を手配する必要がないという点でも、好評だという。

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大きなモニターに映し出されていたのは森の風景。都会の真ん中にあっても、心地よい自然の風を感じさせてくれる。また、社内外に知らせたい情報もここに表示されている。

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こちらはオープンスペースのそばにあるカフェ。始業の30分前からオープンしており、朝食にも便利なのだとか。人気メニューはできたてのスムージー。

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仕事の合間のちょっとした休憩時間にも、手軽に楽しむことができる。

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こちらは「Co-Creation Lab」と呼ばれる協創のためのエリア。社外の企業や大学との連携に使われている。カジュアルな雰囲気で気軽に集まることができ、社内のちょっとした打ち合わせやラフなミーティングも可能となっている。

ソファやスツールなどのインテリアもくつろいだイメージ。人と人とが関わり合い「ともに創る」ための発想が、自由に広がりそうだ。

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人との関わりを重視しているのは、社員同士に限ったことではない。こちらの個室は、協業しているスタートアップ企業などのメンバーのために用意されている。社外の関係者が、いつでも来社し、利用可能なのだという。

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社員専用の個室ブースもある。ときには一人で作業に集中し、ときには部署も会社も超えて交流できる、そんな環境が整えられており、一人ひとりの個性と能力を最大限に発揮することにつながっている。

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季節の風や心地よい空気を表現した来客スペースや、広々とした開放感あふれるオープンスペースを備えたダイキンのオフィス。

その空間は「空気のスペシャリスト」としての思いが形になったものだった。

さまざまな国や企業との関わりが多いダイキンだが、訪れる人々はみな、このオフィスに一歩足を踏み入れるだけで、ダイキンの在り方に触れることができるのだ。

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もちろん来客にとってだけではなく、社員にとっても心地のいいオフィスだ。
抜群の眺め、窓の外の高く広い空も、日々社員のモチベーションをアップさせている。

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そして、社内、社外を問わず顔を合わせて対話することを大切にし、それをスムーズにストレスなく進めることを可能にする、充実した設備やシステム。

ダイキンが目指す「快適な空間」を、あらゆる意味で叶え、社員にとっても会社全体にとっても、働きやすいオフィスを実現している。

一人ひとりの力を伸ばしながら、会社全体でさらに新たな風を創り出していく、そんな思いがダイキンのオフィスからはたしかに感じられた。