《shanai / #写真家の視る働く空間》株式会社助太刀篇|事業の急成長を後押しする、風通しの良いコミュニケーション空間
オフィスとは、多様な働き方の最前線。
写真家の目に映るオフィスの魅力とは、どんなものだろう。
オフィスのあり方が問われる今、
細部まで工夫を凝らされたオフィス空間を写真家が切り取ることで
「これからのオフィス」を考える。
今回は、株式会社助太刀(以下、助太刀)のオフィスを訪問した。
助太刀は、「建設現場を魅力ある職場に。」 というミッションを掲げ、工事会社と職人たちをつなぐマッチングプラットフォーム(職人・工事会社のマッチングサービス、建設業特化の正社員採用サービス)を運営している会社だ。
昨今の建設業界は、市場規模60兆円を超える超巨大市場でありながら、高齢化による引退を中心に深刻な人手不足が課題となっている。就業者数は減少傾向にあるのに、建設投資額は増加傾向に…。そんな苦境に助太刀のサービスが見事にマッチ。創業から6年あまりで建設事業者の登録数は19万を超え、業界でも圧倒的なシェアを誇る。
人々の暮らしに欠かせない「住」の下支えとなる建設業をサポートする、その舞台裏は?
気鋭の写真家による撮り下ろしカットと共に、助太刀の「shanai」を探訪する。
株式会社助太刀HP:https://suke-dachi.jp/company/
PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
マネークリッパー吉沢
1995年鹿児島県出身。ウェディングフォトグラファー。会社員として働く傍ら、休日に趣味として撮った写真をSNSへ投稿することを主な活動としている。
@moneyclipper @moneyclipper助太刀がオフィスを構えるのは、新宿都庁前近くの大きなオフィスビルの上層階。
「きつい・汚い・危険」。建設業に対する“3K”を払拭し、かっこいいイメージを持ってもらいたいという願いを込めてオフィスをデザインした。「工事中」というオフィスコンセプトには、助太刀がさらに発展していく未来に期待が感じられる。
足場が組まれていたり、エントランスサインがチェーンで吊るしてあったり、ヘルメットがオブジェとして使われていたり、設計において重要な役割を果たす墨出し線もそのままになっていたり…。オフィスそのものが、建築現場で働く人々と助太刀との一体感を体現するよう。
全部で6つある会議室の呼び名は、会社のバリューである「ゲンバ主義」「職人たれ」「全員親方」「仲間とつくる」と、助太刀の前身である東京ロケットという社名から「東京」「ロケット」とした。
一番広い「全員親方」以外は全てガラス張りのオープンな空間。すべての会議室で椅子やテーブルがそれぞれ異なっているのもニクいポイントだ。
週何日かはリモート、という会社も増えているなかで、助太刀は基本的には原則出社のスタイルを採用している。ここ1年半の会社の成長は特にめざましく、社員は約100人急増。対面でより円滑なコミュニケーションを図っている。
本来、オフィスとはその会社の人々や会社を訪れた人が活発に行き交うものであるはずだが、今日のオフィス事情は必ずしもそうとは限らない。だからこそ、廊下で人と人とがすれ違い、どこからか人の話し声が聞こえてきて、人が輪になって働いている姿…、はなんだか新鮮だとさえ感じてしまう。
“オフィスらしい”執務スペースももちろん備えているが、フリースペースはあちこちで電源が取れるようになっているので、ここで作業する人も多い。
フロアの背面に設置された冷蔵庫の飲み物はすべてフリー。終業後にはお酒を楽しむこともできるので、そこでまた新たなコミュニケーションが生まれるのだという。
オフィスを見渡すと、多くの人が揃いのパーカーを着ていた。聞くと、FY24のキックオフに合わせて作られたものなのだそう。胸に「自走、連帯、進化」と今期の全社スローガンがさりげなくあしらわれている、ごくシンプルなもので「肌寒い季節でも近場に気軽に着ていける」と社員たちからの評判も高い。入社タイミングの関係で、手に入れそびれた社員からは羨ましがられるほどの人気ぶりなのだという。
取材中、shanaiを案内してくれた広報の真覚さんはこんなふうに語ってくれた。
「毎月新しいメンバーが増えていますが、馴染むのはかなり早いです。新たに入ってきた方たちとのコミュニケーションもスムーズで、彼らにとってもやりやすい環境が整っているのかなと思います。オンラインではなかなかそうはいかないと思うので」
これまでにさまざまな業種のshanaiを取材してきたが、その中でも一番オフィスが人でにぎわっていた印象が強い助太刀。部活動も盛んで、フットサル部や登山部、多国籍料理部など12の部活が積極的に活動している(2023年6月時点)。どの会社にも絆というものはあるが、助太刀においてはそれが目に見えるよう。
アフターコロナ、ウィズコロナ時代、さらなる事業拡大へと向かう企業の躍進の秘訣は、社員同士の強固な絆がキーワードとなるのかもしれない。