《shanai / #写真家の視る働く空間 》リノベる株式会社 篇

今回は、中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」を提供し、リノベーションプラットフォームを構築するリノベる株式会社の本社オフィスを訪問。

オフィスとは、多様な働き方の最前線。

写真家の目に映るオフィスの魅力とは、どんなものだろう。

オフィスのあり方が問われる今、写真家が細部まで工夫を凝らされたオフィス空間を切り取ることで「これからのオフィス」を考える。

リノベる

歴史的に日本のライフスタイルを作ってきた土地・東京都青山へのオフィス移転には、様々な文化を紡いでいきたいという想いを込めた。

コロナ禍においてオフィスを約 2.4倍に拡大した同社のチャレンジは、これからの働き方、ニューノーマル時代のオフィスのあり方の模索する象徴的な空間。

そのコンセプトはCrossing Field – 「その先の暮らし」に出会う場所。

それを実現するためにオフィスに設けたのは「うち」と「みち」と「まち」。気鋭の写真家による撮り下ろしカットと共にリノベる株式会社の「shanai」を探訪する。

リノベる株式会社 HP:https://renoveru.co.jp/

PHOTOGRAPHER PROFILE

東 京祐

PHOTOGRAPHER PROFILE

東 京祐

1989年生まれ。北海道歌志内市出身。約3年間スタジオ勤務後、2015年独立。作家活動の他、女性のポートレートを中心にファッション、音楽などジャンルを問わず活動。

instagramのアイコン @tokyojorkphotogram 別のタブで開く URLリンクのアイコン https://www.kyosukeazuma.com/ 別のタブで開く

オフィスの中に「うち」を作る

リノベる

小上がりになっている「うち」エリア。リモートワークの普及で在宅で仕事も当たり前のようにするようになった時代。

せっかくオフィスで仕事をするのであれば、家よりも落ち着けてリラックスした場所を作りたい。このような想いのもとに設計された「うち」は、まるで「家に帰ってきた」と思わせるような造りである。

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このあとに登場する「まち」と「うち」は、段差を設け素材を変えることで区切りをつけている。2F「うち」エリアは、屋内に入るのと同じように庇(ひさし)をくぐり、一段あがって入る仕様となっている。

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3F「うち」エリアの天井には、黒い四角の囲いがある。これは本フロアの各部署頭上に1つずつ設置されており、天井を見れば、帰属意識つまりそれぞれの部署の「うち」感覚が生まれることを意図している。

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ライブラリーには建築のサンプルやアイディアの源となる書籍が充実。

リノベる
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さすがリノベる!とひざを打つほど工夫が凝らされたポイントは、いずれのミーティングスペースも壁の片面をホワイトボードとして活用できること。まさにここは仲間と議論しアイデアが生まれる場所なのだ。

リノベる
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カラーリングがコンセプチュアルな会議室は「評論モンスターよりもアイディアヒーロー」というバリューに合わせて内装が設計された。ミーティングルームを通じて社員が行動指針を感じられるよう工夫されている。

リノベる
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外からも見えるオープンな空間は、 代表取締役の山下智弘氏の社長室。社長室は1段上がる設えに。

商店街の「みち」 のように、ご近所さんと立ち話も

リノベる

「みち」はまるで商店街の大通りのような通り。

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実際に街にある「みち」のように様々な形のベンチがある。社員同士がばったり会って、そのままの流れで会話が始まるようなスペースなのだ。

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人が集い行き交う「まち」のように

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社員の人たちが集える工夫が凝らされている「まち」エリア。
建築サンプルや本を広げて、向かい合って座れるシートも設置。お客様との打合わせにも活用されている。

りのべる
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会社のオフィスに何気なく存在するのはロッカールーム。しかしリノベるのロッカールームは一味違う、人が集う場。

B1から3Fまでのオフィス空間で、フロアが異なると社員同士は用事がなければコミュニケーションを取らなくなってしまう。

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そこでフロアの異なる社員同士が自然と顔を合わせられるように、ロッカールームを集約させた。まさにここは社員同士が交流する大事な空間なのである。

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また、 ロッカールームにはさまれたこの空間はグリーンが豊富だ。

これらのグリーンは移転祝いに取引先や関係企業からいただいたものだという。共に歩みを進める企業と一緒につくりあげた空間は社員たちの憩いの場であり、ご縁やつながりを感じる大切な場だ。

リノベる

緑と共に会社も、そして大切な仲間である各社とのご縁も育てていきたい、そんな同社の想いが込められている。

モノづくりの原点に立ち返る場所「b1./ビーワン。」

リノベる

作業場のような空間は「b1./ビーワン。」。デジタル製造加工機を備えた工房と、展示やイベントを行うギャラリースペース、 そしてミーティングができるエリアも兼ね備えている。

リノベる

取材で訪れた際には、北欧デンマーク発のインテリアプロダクトブランド「HAY(ヘイ)」による展示が開催されていた。製品づくりのこだわりを感じられる動画や、種類の違う椅子が並べられ、家具を通して愛着のあるものと共に暮らす豊かさについて考えるきっかけを提供していた。

このような空間を設けた理由は、「モノづくりの原点に立ち返る」ため。お客様も、社員も、モノづくりのストーリーやこだわり、素材に直接触れられる空間だ。

リノベる

実際にリノベーションを行うお客様が、ここで打ち合わせをすることもあるという。例えば、ドアノブを一つとってもさまざまな種類があるが、フルオーダーだからこそ、細部まで選ぶ楽しみがある。

同社は様々な場面でテクノロジーを活用して住まい作りの体験価値を上げる工夫をしているが、大工さんなどの職人の誠実な手仕事があるからこそ、住まいは完成する。つまり「b1./ビーワン。」は建物に対する敬意を持ちながらリノベーションの魅力を発見し、新しい発想を生む場所なのだ。

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編集後記

普段はレトロでお洒落なポートレートを中心に撮っている東京祐さんだからこそ、手触り感があり、生っぽいオフィスの日常を垣間観ることができたように思う。

リノベる

じっさいに「うち」の段差を登ると、雰囲気だけではなく、気持ちが変わった。それは筆者がオフィスで働いてきた経験の中では、決して感じられなかったものだった。

同じ面積、同じ天井の高さの中で工夫が凝らされ、感覚まで訴えてくるのは細部へのこだわりが成すものなのだろう。

見栄え、だけではない。

ただお洒落であるわけではなく、空間の使い方が「リノベる」なのだ。

リノベる

個人向けワンストップリノベーションサービス 「リノベる。」も展開しています。
https://www.renoveru.jp/

【連載記事】shanai / 写真家の視る、働く空間


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