《shanai / #写真家の視る働く空間 》株式会社ポニーキャニオン 篇

オフィスとは、多様な働き方の最前線。
写真家の目に映るオフィスの魅力とは、どんなものだろう。

オフィスのあり方が問われる今、写真家が細部まで工夫を凝らされたオフィス空間を切り取ることで「これからのオフィス」を考える。

今回は「想像力を超える創造力で、世界中の人とつながります」を理念に掲げ、時代にとらわれることなく、国を越えて、音楽・アニメ・映像を柱にエンターテイメント分野において様々な事業を展開している株式会社ポニーキャニオンの本社オフィスを訪問。

日々、創造的なもの・コトづくりに携わる人々は、どのような空間で働いているのだろうか。気鋭の写真家による撮り下ろしカットと共に「shanai」を探索する。

Photographer

草野庸子 / Yoko Kusano

福島県生まれ。桑沢デザイン研究所でグラフィックデザインを専攻し、在学中にプライベートで撮りためて応募した写真で、2014年にキヤノン写真新世紀優秀賞(佐内正史選)に選出される。以後、写真家の道を歩み始め、現在ではファッションやカルチャー誌をはじめとする数々のメディアで活動している。2017年に『EVERYTHING IS TEMPORARY(すべてが一時的なものです)』を刊行。2018年9月にRoshin Booksより写真集『Across the Sea』を刊行。

HP : https://sheishere.jp/column/201711-yokokusano/2/
Instagram : @yoko.kusano

エンターテイメントを世界に届けるために。

エンターテイメント企業のオフィスと聞いてどんな空間を想像するだろう。
まず驚いたのは、オフィスにステージとアーティストルーム(楽屋)があることだ。

ポニーキャニオン
ポニーキャニオン

世界中の人々を楽しませるエンターテイメントコンテンツ。ステージやアーティストルームは、それらの制作に携わるクリエイターをはじめ、様々な人々が訪れるオフィスだからこそ生まれた空間。

大胆な空間の使い方は、オフィス移転の際に社員の要望を取り入れたからこそ。自社内にステージを設けることで時間や予約の制限なく利用ができ、アーティストによるステージを使用した配信などに活用されるそうだ。

ポニーキャニオン

特殊な機械が並ぶコックピットのような空間。マスタリングルームも自社内に完備している。

マスタリングとはレコーディング後におこなう最終調整、いわば仕上げの作業。

この部屋で何度も音源を確かめながら、アーティストの独自の音を届けている。

ポニーキャニオン

マスタリングルームとステージ、そこで働く人の姿から感じられるのは、エンターテイメントをつくり世界に届けようとする同社の気概。

これらの空間はエンターテイメントの可能性を広げるための環境と言えるだろう。

エンターテイメントを味わう工夫は細部に。

ポニーキャニオン
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会議室にある吸音ボードはもちろんのこと、フロアマットまで、企業カラーで統一したデザインに。

会議では活発な議論を交わすことはもちろんだが、業務で扱う映像や音楽を流すこともしばしば。壁に取り付けた吸音ボードが音の振動を弱めていくため、大きな音を流しても大丈夫。

ポニーキャニオン

「音」にこだわる会議室にもエンターテイメントの体験を重視する人々の姿勢が表れている。

コミュニケーションから創造を促す働き方。

ポニーキャニオン
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休憩や食事ができるラウンジ
ポニーキャニオン

もとは固定席制だったポニーキャニオンだが、世界的な新型コロナウィルスの流行とともにリモートワークを採用。

社員が安心して安全に働ける環境を構築するために、フリーアドレス制で仕事をする場所を自由に選べるABW(Activity Based Working / アクティビティ・ベースド・ワーキング)を導入。グループ会社が本社オフィスに集結しグループシナジーも熟成。

ポニーキャニオン

オフィスのコンセプトは「コミュニケーションからのイノベーション」。

開放感あふれる空間で、部署関係なく活発にコミュニケーションがおこなわれている。

ポニーキャニオン
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働く場所は、窓からの景色も重要なポイント。 開放的な景色を眺めながら作業するのもよし、緑に包まれてホッとしても。

勤務中は屋内位置情報サービス/Beacapp Hereというアプリを活用し、誰が、どのフロアにいるかを見える化。コミュニケーションを取りたい人がいる場所で仕事をすることによって業務の円滑化を図った。

ポニーキャニオン
特定の人と話したり仕事をしたい時には、その人の近くに座ることもしばしば。

このワークスタイルには、部署に関係なくコミュニケーションし合い、価値を共創しようとする同社の姿勢が感じられる。

「最近は少しずつ出社率も上がってきたこともあるので、新たに机を増やしております。」

ポニーキャニオン

コミュニケーションを誘発し、創造性を高める働き方。

アーティスト独自の音を届ける音響設備や、エンターテイメントを最大限に味わうためのステージ。

写真家・草野庸子の視点から、ポニーキャニオンで働く人々の、エンターテイメントを楽しむためのこだわりが見えてくる。

ポニーキャニオン
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これからのオフィスとは、単なる働く作業場ではなく、企業の〝テーマ〟を追求するための実験場なのかもしれない。

今後も写真家と共に、写真の力を最大限に引き出す企画をお届けしていく。
次回の更新をお楽しみに。


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