【47都道府県・手土産ガイド】全国のフォトグラファーが教える、絶品のご当地菓子
甘いものがおいしい季節になりましたね。なかなか遠出しづらい毎日ですが、お菓子を取り寄せて、ご当地気分を味わいませんか?
47都道府県の各地方を拠点に活躍するフォトグラファーと、日本全国津々浦々の知られざる魅力を発掘する連載。
今回は地域で暮らすフォトグラファーに、おすすめしたい地元のご当地菓子を教えていただきました。工夫を凝らして撮影した写真とともにお楽しみください。
【九州・沖縄地方】熊本県の「いきなり団子」
カジュアルなおもてなしを「いきなり団子」で。
今回撮影したのは熊本の郷土菓子「いきなり団子」。
小麦粉を練って伸ばした生地でさつま芋と粒あんを包んで蒸した、熊本では定番の、お土産物としても人気のお菓子です。
いきなり訪ねてこられたお客様にも簡単に手早くおもてなしができるお菓子、というのが名前の由来と言われています。
この日は「水の都熊本」の代名詞でもある、湧水を湛える江津湖のほとりで撮影をしてきました。
ほんのりとした塩気でもちもちした食感の生地、ほくほくしたさつま芋、優しい甘さの粒あんが素朴な味わいの「いきなり団子」はお取り寄せもできます。
■Shop Data
いきなり団子は、お店によって定番の味から個性派までさまざまです。気になる一品を召し上がれ。
https://kumamoto-guide.jp/ikinari/
編集部 「二人でのおいしい時間まで一緒に表現されているのはすごくいいですね!背景に青空と湖を配置しているので、熊本のみずみずしい空気感が伝わってきます」
Photographer
Keiko.
忙しない日常の中で、ほっと一息つきたくなるような「珈琲のある風景」をフィルムにおさめています。これからも、穏やかな日常の中にある小さな幸せを写真に残していきたいと思っています。
Instagram:@keiko.i.photo
Twitter:@keiko_mini32
Note:keiko_i
【四国地方・高知県】城西館の「銀不老大福・ロールケーキ」
甘さ控えめ、上品な味わい。明治7年創業、高知市の老舗旅館がつくる「銀不老大福・ロールケーキ」
明治7年創業、高知市の老舗旅館・城西館がつくる「銀不老」大福とロールケーキ。
銀不老大福は、年間生産量800キログラムと少なく、高知県大豊町で唯一生産されている「銀不老豆」が練り込まれています。
「銀不老豆」とは高知県の大豊町で栽培されている豆の呼称で「不老長寿の豆」として古くから栽培され、そのほとんどが地域内で消費されてきました。
「銀不老大福」の特徴は、クリーミーで上品な甘さの味わい。モチモチとした餅生地に、白餡と生クリームが包まれています。
甘さ控えめでおいしいと評判の、リピーターの多いご当地菓子です。「銀不老ロールケーキ」も、くどすぎない上品な甘さにこだわっているそう。
大福はモチモチ、ロールはふわふわと、食感の違いも楽しめますよ。
銀不老大福とロールケーキは見た目が黒っぽい為、直射日光に当てるのではなく障子で柔らかい光にすることで、控えめでやさしい味を表現しました。
■Shop Data
城西館
〒780-0901 高知県高知市上町2丁目5−34
TEL : +81888750111
https://jyoseikan.shop-pro.jp
編集部「和菓子とロールケーキはジャンルの違うものだけど、お皿や小物をあわせることで、銀不老のシリーズであることが伝わってきますね!似たスタイリングでも光の当て方や撮る角度といった撮り方が異なり、断面が美しいロールケーキ。食べたくなります!」
■Photographer
Kana
高知県在住、スタジオアシスタントをしながら写真の勉強中。高知の良い場所を日々撮り続けています。
Instagram:@kana_____photo
【中国地方・島根県】秀月堂の「さざえ最中」
「貝の王国」隠岐の島の和菓子屋・秀月堂がつくる「さざえ最中」
「貝の王国」と呼ばれている隠岐の島で、さざえは食卓に欠かせない食材です。
今回ご紹介したいのは、地元の人気の和菓子屋「秀月堂」さんで一目惚れした、さざえの形がかわいい最中。
中には、甘さ控えめな藻塩が練り込まれたつぶあんとお餅が入っています。
オーブントースターでさざえ最中を3分焼くと、外はパリパリで、中身はとろ~り。
特徴のぐるぐるな巻きや連続する角が画面いっぱいに撮りたいと思い、海のサザエ料理を入れるときにも使用しているお皿に複数乗せて、なるべく近づいて撮らせてもらいました。
隠岐の島は気軽に往来しにくい場所かもしれませんが、地元で親しまれている和菓子屋さんのお菓子を通して、島を感じてもらえることができればと思いました。
かわいい形とおいしい中身、おすすめです。
■Shop Data
秀月堂
〒685-0014 島根県隠岐郡隠岐の島町 西町八尾の三65−4
+81851220433
https://ja-jp.facebook.com/秀月堂-297008663664974/about/
編集部「さざえ最中の独特の形を伝えるために、フォルムに焦点を当てて撮影。くりさんがこのお菓子の形を面白いと思って撮影したことが伝わってきますね。お菓子の寄りのカットで引き立つもちもち感。美味しそう!」
■Photographer
久莉
こんにちは。久莉(くり)といいます。写真(film & digitalで花や身近な風景を撮っています)大好きです。島根県在住。よろしくお願いします。
Instagram:@kuri_ccc303
Twitter:@kuri_sss303
【中部地方・静岡県】五穀屋の「五季」
五穀屋「五季」の、日本の移り変わる季節を食べる。
今回紹介するのは、五穀屋さんの「五季」という、日本の移り変わる季節(春夏秋冬+土用)を表した、5色のみずみずしい玉羊羹です。
専用の楊枝で突いてまわりの包装をとくと、きらきらと輝く玉羊羹がでてきます。
賞味期限がなければ、大事にしまっておいて、季節が訪れたら一つ一つを食べたかったなと思うほど、美味しかったです。
この写真は、私がこの商品を見つけたとき、思わず惹かれてしまった「見た目」に焦点を当てて撮影しました。
パッケージの整列した玉羊羹の美しさ、そして、玉羊羹自体のころんとした愛らしさ、みずみずしい様子が伝わるとうれしいです。
■Shop Data
五穀屋
静岡県浜松市浜北区染地台6丁目7-11 nicoe内
TEL : 053-587-7778
https://gokokuya.jp/
編集部「水晶のように輝く玉羊羹、綺麗ですね!透明さ、透き通る感じ、輝きを最大限に活かす光の使い方。ガラスのお皿のチョイスも、透明感へのこだわりを感じます。今度この撮り方、やってみたい!」
■Photographer
Swimmy
静岡県の写真映像作家。中判カメラが好きでGFX50RとPENTAX6×7で撮影しています。どことなく切なくて、泡になって消えそうな物語が好きで、そんな雰囲気を感じられるような写真を目指して撮影しています。青と緑が好きです。
Instagram:@327__723
Twitter:@327__723
【近畿地方・三重県】笹井屋の「なが餅」
450年以上の歴史ある「なが餅」で一服
三重といえば伊勢神宮名物の赤福が有名ですが、あえて違うお菓子を選んでみました。なが餅には450年以上の歴史があり、外側のお餅は少し硬めで、焼き目が付けてあります。
中には少し粒が残ったねっとりした餡子が入っており、香ばしいお餅との相性が抜群です。
三重県には伊勢神宮への旧街道が数多くあることから、昔から旅行客に愛され続けているお菓子がたくさんあります。
三重に足を運ぶことがあれば、ぜひ他のお菓子も楽しんでください。
そのまま食べても美味しいなが餅ですが、焼き網で焦げ目をつけて、より一層香ばしさを引き立ててみました。
色が少なくなるため、目を引くためにも鮮やかな緑茶を淹れ、同時に涼しさも演出しています。
■Shop Data
なが餅 笹井屋本店
〒510-0081 三重県四日市市北町5-13
TEL : +81593518800
https://www.nagamochi.co.jp/
編集部「なが餅でお茶したくなりますね!より美味しく食べる過程を絵として撮るところに技を感じます。450年の歴史のある和菓子にあわせた渋めのトンマナ、小物や色のセレクトに歴史の長さも伝わってきます」
■Photographer
kyuta
三重県在住の学生フォトグラファー。ポートレートの中でもファッション要素の強い撮影が得意。最近はクリエイティブチーム「BECK」を通じて、カフェの制作・撮影に携わる。
Instagram:@k_ark04
Twitter:@k_ark04
【関東地方・栃木県】バウム工房ゆずの木の「バウムクーヘン」
自分へのご褒美に。バターの香りが口いっぱいに広がるバウムクーヘン
私が紹介するのは、栃木県茂木町「バウム工房ゆずの木」のバウムクーヘンです。
地元産の米粉を使用したしっとりふわふわの米粉のバウムクーヘン。私はハードタイプがお気に入りです。
切り株のような見た目と、お砂糖がグレースされた表面の触感がたまりません。ひとくちほおばるとバターの香りが口いっぱいに広がります。
親友をお家に招いたとき、自分へのご褒美などちょっと特別な時に食べるのが私流です。季節の果物とマスカルポーネを添え、大好きな紅茶を淹れて、バウムクーヘンを楽しむひと時。
そんな少しだけ贅沢な時間を写真に表せるよう、やわらかな光の時間帯に撮影しました。ぜひたくさんの人に食べていただきたいお菓子です。
■Shop Data
バウム工房 ゆずの木
〒321-3531 栃木県芳賀郡茂木町茂木1090
TEL : +81285635671
http://www.motegiplaza.com
編集部「対象物を寄りで撮るだけではなく、空間を含めて引いて撮ることによって、シチュエーションが感じられる写真。こんなときに食べてほしいというyoakeさんの想いが伝わってきます。日々のティータイムというよりも、頑張った日のご褒美に食べたくなりますね!」
■Photographer
yoake
1998年生まれ。フィルムで地元の栃木県を中心に写真を撮っています。もう戻れない場所や時間に戻りたいと思う気持ちを抱きしめながら、日々を写真に残します。
Instagram:@nzk.9_11
Twitter:@nazu_0911
【東北地方・青森県】佐藤製菓の「大王あて」
くじが楽しい。津軽地方に伝わるエンタメ駄菓子「大王当て」
青森県津軽地方に古くから親しまれている「大王当て」は、練切の生菓子で昔ながらの手作りで、現在では、弘前市にある「佐藤製菓」でのみ製造が続けられています。
くじ引きの結果によりお菓子の大きさが異なり、子、親、大王の順番でより大きなお菓子が当たります。
くじの楽しさから、お盆やお正月の定番で地元で愛され続けています。
■Shop Data
佐藤製菓
〒038-3874 青森県弘前市津賀野宮崎68
TEL : +81172343356
https://tsugaru-atemono.jp/about.html
編集部「青森県にはエンターテイメント要素のあるお菓子があるんですね!小さな手とそれに寄り添う大きな手を活かして、世代を超えて大人から子どもまで楽しめるお菓子であることが伝わってきます。全体的に少し暗めのトーンで、ピンクや赤の差し色が引き立っていてとても美しいです」
■Photographer
くらっち
青森のロードスター乗りです。 趣味で写真を撮っています。ポートレート多め。青森ねぶた祭の囃子方。写真で青森の良さが伝わると嬉しいです。勝手に青森PR。SONY α7RⅢ SIGMA art フィルム ポートレートアカウント@kuratti_365 #kodak日本一周 青森担当
Instagram:@kuratti365
Twitter:@kuratti365
【北海道地方・帯広市】洋菓子店クランベリーの「スイートポテト」
口いっぱいに広がる、さつまいもとカスタードのシンプルで優しい味。
私がオススメしたい北海道のご当地お菓子は、地元・帯広市の洋菓子店、クランベリーさんのスイートポテトです。
ひと口食べると、さつまいもとカスタードのシンプルで優しい味が口いっぱいに広がって、幸せな気持ちになります。
さつまいも丸ごと1本分の大きめサイズで、持つとずっしり重さを感じますが、甘さは控えめ。気付くといつもぺろりと全部食べ切ってしまっています。
今回の写真は、ぎゅっと中身が詰まったスイートポテトの質感が伝わるように、切っているシーンや断面を意識して撮影してみました。
小さい頃から変わらない、私の大好きな思い出の味です。
■Shop Data
クランベリー(本店)
北海道帯広市西2条南6丁目
TEL : 0155-22-6656
http://www.cranberry.jp
編集部「黒を基調としたスタイリングと黒を活かす編集で、スイートポテトの黄色が引き立つ! 手が入ることで、スイートポテトのずっしりとしたサイズ感もよくわかりますね。だけどペロっと食べられちゃうということで、すごく食べたくなりました!」
■Photographer
yui
北海道在住。社会人になってから始めたフィルムカメラを主に使用し、地元の美しい四季の風景や、夫と息子、友人達と過ごす愛おしい毎日を緩やかに撮影している。
Instagram:@herisson_12345
Twitter:@herisson_12345