奥山由之の個展「windows」が六本木・amanaTIGPにて6月10日より開催。同名の作品集の刊行も。

数々の広告や名だたるアーティストの撮影などを手掛ける、奥山由之の写真展「windows」が6月10日(土)から7月8日(土)まで六本木・amanaTIGPにて開催される。コロナ禍の2020年4月から2022年11月の間、2年半にわたって撮影された約10万枚の写真から25点をピックアップ。東京の住宅の不透明な窓のみを捉えた写真だ。


Yoshiyuki Okuyama, windows ♯1, 2022, archival pigment print
© Yoshiyuki Okuyama / Courtesy of amanaTIGP


屋内の環境を求めながらも、屋外の恩恵にあやかりたいという人間の相反する欲望を満たした矛盾の産物ともいえる窓。奥山は「『人』ひとりひとりと『社会』をつなぐ“結節点”としての役割も担っているように思える」と言う。大きさや窓枠の幅(額幅)の異なる作品が点在する、小さくも混沌とした東京という街の様相を成形した疑似空間で開催される本展は、奥山作品の転換の過渡期ともいえる。

 入り組んだ文化のレイヤーを持ち、建物がひしめき合う東京において、ある種のシンボルとも言える不透明な窓に、私は人々の表情を見た。窓を見つめることは、見知らぬ誰かと見つめ合うことに等しいと感じた。
 この静かな視線の行き交いが、「東京」という街で生きる人々の肖像画になり得ることを、心から強く願っている。

奥山由之、「東京の人々」、『windows』、赤々舎、n.p.

profile

奥山由之

1991年東京生まれ。2009年から写真作品の制作を開始し、2011年に第34回写真新世紀優秀賞を受賞してデビュー。以降、具象と抽象といった相反する要素の混在や矛盾などを主なテーマに作品制作を続けている。2016年には『BACON ICE CREAM』(Parco Publishing刊、2015年)で第47回講談社出版文化賞写真賞を受賞。主な写真集に、『Girl』(PLANCTON刊、2012年)、『君の住む街』(SPACE SHOWER BOOKS刊、2017年)、『As the Call, So the Echo』(赤々舎刊、2017年)、『POCARI SWEAT』(青幻舎刊、2018年)、『Los Angeles / San Francisco』(Union publishing刊、2018年)、『The Good Side』(Editions Bessard刊、2020年)、『flowers』(赤々舎刊、2021年)、『台湾版: BACON ICE CREAM』(原點出版刊、2021年)、『Ton! Tan! Pan! Don!』(bookshop M刊、2021年)、『BEST BEFORE』(青幻舎刊、2022年)など。主な個展に、「Girl」Raum1F(東京、2012年)、「BACON ICE CREAM」パルコミュージアム(東京、2016年)、「THE NEW STORY」POST(東京、2016年)、「As the Call, So the Echo」Gallery916(東京、2017年)、「君の住む街」表参道ヒルズ スペースオー(東京、2017年)、「白い光」キヤノンギャラリーS(東京、2019年)など。

HP:https://y-okuyama.com/
Instagram:@yoshiyukiokuyama
Twitter:@okuyama_333

また、本展の開催に合わせ、下記の作品集が刊行される。

【新刊情報】
奥山由之『windows』
赤々舎刊、2023年6月上旬発売予定
販売価格:通常版 ¥11,000-(税込)/特別限定版 ¥19,800-(税込) *サイン入り、限定500部
先行予約受付中 通常版 特別限定版


奥山由之個展「windows」

■開催期間

2023年6月10日(土)〜7月8日(土)|12:00 – 19:00( 定休日: 日・月・祝祭日)
*6月10日(土)のみ12:00 – 17:00営業

■開催場所

amanaTIGP

東京都港区六本木5丁目17−1 AXISビル 2F
Google Map:https://goo.gl/maps/7BUFB2heHRUjiJY38
https://www.takaishiigallery.com/jp/