《インタビュー》飯豊まりえ、初の写真展「日々の裏地。或いは、覚え書き。」に込めた、撮ることへの想い
俳優・モデルとして活躍する飯豊まりえが、自身初の写真展「日々の裏地。或いは、覚え書き。」を、1月30日(金)〜2月12日(木)の期間中、LUMIX BASE TOKYOで開催する。

本展では、カメラを趣味とする飯豊が、パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ『LUMIX S9』を手に、2か月間にわたり撮りためた日々の記録を展示する。
これまでカメラ好きを公言してこなかった彼女にとって、写真展の開催は今回が初めて。展示に込めた想いや、長年趣味としてきた“撮ること”へのまなざしについて話を聞いた。
PROFILE
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飯豊まりえ
1998年1月5日生まれ、千葉県出身。俳優・モデル。近年の主な出演作に、「岸辺露伴は動かない」シリーズ(20-25/NHK・映画)、「何曜日に生まれたの」(23/EX)主演、「オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~」シリーズ(22・24/NTV)主演、「シバのおきて~われら犬バカ編集部~」(25/NHK)、「マイクロバスと安定」(25/竹生企画)などがある。ファッションモデルとして女性誌で幅広く活躍しており、現在『Oggi』専属モデルとTOD’sフレンズを務めている。多彩な表現力で魅せる演技と透明感あふれる存在感が幅広い層から支持されている。
@marie_iitoyo https://avexnet.jp/contents/MIITO-XXXX-XXXX撮るのは、ふとした日常を覚えていたいから

──今回の写真展はどのようにして決まったのでしょうか。
LUMIXさんが、私の15周年写真集『かの日、』を見てくださり、その中に写っていたカメラを見て「もしかして、カメラが好きなのでは?」と、声をかけてくださったんです。実際、そのカメラは長く使っている私物だったので、びっくりしました!
『かの日、』は私にとって特別な一冊だったので、それがこのようなご縁につながってとても嬉しく思います。

──飯豊さんは、いつからカメラで写真を撮るようになったのですか。
子どものころから、父が持っていたコンパクトカメラで写真を撮るのが、すごく好きだったんです。両親と出かけるときも、「私が撮る!」と言ってカメラを借りて、夢中で写真を撮っていました。
自分のカメラを持ったのは、小学3年生くらい。お仕事でいただいたお金を貯めて、デジタルカメラを買いました。

それ以来、ふとした瞬間をカメラで収めるようになって。気づけば、カメラは日々の相棒みたいな存在になっていました。
今では、いくつかのデジタルカメラを使い分けたり、フィルムカメラやチェキで撮影したり、いろんなカメラで撮ることを楽しんでいます。

──普段は、どんな写真を撮っていますか?
日々の生活や、いま目の前で起きていることを切り取っていますね。作り込まれたものというより、自然に流れてくるものに惹かれるというか。
私、写真家のソール・ライターの作品をよく見るんです。彼は、物陰や雨の日の窓越しに人を撮ったりするんですけど、そのスタイルがいいなと思っていて。「何かが起きるのを待ちながら撮る写真」みたいなのが、私はすごく好きなのかなって。

なかでも、人を撮るのが好きです。誰かと過ごしているとき、その人が自分に向けてくれた表情とか、一緒に過ごした時間、その人との関係性を「忘れたくない」って思うんですよね。私にとって撮ることは、そういう瞬間をちゃんと覚えておくためのものなんです。

そんなふうに自分の記録として撮っている意識が強かったので、これまでは写真を対外的に発表したいってあまり思ったことがなくて……。Instagramも長くやっているんですけど、アップする直前で「やっぱりやめておこう」って止めてしまうくらい、写真を多くの人に見られることに、どこか怖さがありました。
だから、まさか個展をさせていただける日がくるなんて思ってもみませんでした!今もまだドキドキしていますが、こうして誰かに見てもらうのも新しい一歩なのかなと思っています。
忘れたくない瞬間を集めた、まるで日記のような作品たち

──個展のタイトル「日々の裏地。或いは、覚え書き。」に込めた想いについて教えてください。
さっきの「忘れたくない瞬間を覚えておくために写真を撮っている」という話に通ずるんですけど、そもそも写真って、後で振り返ったときに写っている「外側」の物語を思い起こすためのものだと私は思っていて。シャッターを切ったときに隣にいた人とか、そのときに起きていたドラマとか。それらを日記に綴るように残したい、という想いでこのタイトルをつけました。

──実際に、どのような写真を撮影しましたか?
自分の心が動いた瞬間を素直に撮影しました。撮影期間がちょうど、舞台公演の時期と重なっていたので、移動中の景色や舞台袖の様子、共演者のみなさんの自然体な姿など、公演の裏側をドキュメンタリー感覚で収めた写真が中心になりました。

──ご自身のお気に入りの写真を教えてください。
どれも思い入れがあるんですけど、うーん、そうですね。たとえば、これは地方公演で青森に行ったときの一枚です。

ごはんを食べた後にふらっと海へ寄って、釣りをしている人を眺めながら撮影しました。芝生に寝そべって「これから本番なんだよな」ってぼんやり考えて……。この写真を見ると、本番当日とは思えないくらい、穏やかで静かな時間を過ごしたことを思い出します。
あとこれは、本多劇場の舞台上から客席を撮った写真。

黄色と水色の客席で、それがすごく可愛かったんです。でも、あえてモノクロにすることで、そのコントラストを際立たせながら、見る人が色を自由に想像できる余白を残しました。
スマホ時代にカメラを持つ。道具の“重み”が表現活動を尊くしてくれる

──『LUMIX S9』での撮影体験はいかがでしたか。
「痒いところに手が届く」って感じで、とにかく便利でした。なかでも、プロが調整したエフェクト(LUT※)をアプリからダウンロードして使えるのがすごく楽しかったです。私はモノクロの写真がとても好きなので、モノクロのLUTを5種類くらい入れていました。
※LUT:「Look up table」の略称。写真・動画の撮影時に適用できるカラープリセットのようなもの。

あと、普段は恥ずかしくて自撮りを全然しないんですが、共演者とのセルフィーも楽しみました。液晶画面を反転すれば画角にみんな入っているのをひと目で確認してすぐ撮れるので、自然な表情を収められたと思います。
カバンの中に入れても気にならない重さだったのもうれしかったですね。コンパクトなので、移動の多い公演期間中もストレスフリーに持ち運べました。

──スマートフォンで気軽に写真が撮れる時代ですが、あえてカメラを持つことにはどんな魅力があると思いますか。
カメラっていう道具そのものが、いいじゃないですか。スマホで気軽に撮影した写真と、わざわざカメラを使って撮影する写真では、一枚に宿る“重み”が違うと思うんです。丁寧にシャッターを切るからこそより思い入れが深くなりますし、この先も長く見返したいと思うんじゃないかな。

それにカメラで撮影した写真って、プリントして手元に置いておきたくなりません?私、子どものころから撮った写真をプリントするのが大好きで、よく父から「インクがなくなるから、そんなにいっぱいプリントしないで」と言われていました(笑)。今でも写真をプリントしますし、チェキにその日の出来事を書き込んで、アルバムを作ったりもします。
AIとか、これからどんどん技術的に便利になっていくけれど、そんな時代だからこそカメラで表現する行為は尊いなと思います。

──最後に、個展の来場者にどのように写真展を楽しんでいただきたいと思いますか。
普段の自分の生活や表に出ない部分を見てもらうのは珍しい機会なので、ちょっと恥ずかしさもあるんですけど、ぜひ気軽に見ていただけたらと思います。
それから、自分も写真を撮りたいと思うきっかけになったら嬉しいですね。私もこの個展を通して、今後も写真を撮り続けていきたいなと改めて思いました。会場に『LUMIX S9』も一緒に展示する予定なので、ぜひ手にとって体験してみてください。

▼Information
飯豊まりえ写真展「日々の裏地。或いは、覚え書き。」
【会期】2026年1月30日(金)〜 2月12日(木)
【時間】11:00~19:00(月曜日定休)
【会場】LUMIX BASE TOKYO 東京都港区南青山2丁目11-17第一法規ビル1F
【入場料】無料 ※事前予約不要
【主催】パナソニック株式会社
【企画・構成】J.K.Wang
【協力】avex management agency
【URL】日々の裏地。或いは、覚え書き。
※会期終了後、一部作品をオンラインにて販売予定
Text:加藤由梨
Photo:笑子
Edit:しばた れいな
Styling : 高木 千智
Hair&Make-up : 星野 加奈子