《10/1から》呉服メーカー問屋・矢代仁が着物にまつわる展示を京都・Gallery SUGATAにて開催
着物にまつわる展示「YSN:ゆっくりしっかりのこす」が、10月1日(水)〜10月12日(日)の期間中、京都・Gallery SUGATAにて開催される。

本展は、1720年に京都室町二条で創業した呉服メーカー問屋である矢代仁(やしろに)が、350周年に向けて2024年にスタートした「YSN:ゆっくりしっかりのこす」の第2回となる展示だ。
本年は「うごく・かさなる・”きもの”になる」編と題し、「着る」をキーワードに4つの「調べもの」を展開。「動きとシワ」「着付けのイロイロ」「”着る”の音を見える化」「(きものの)しまいかた」という4つのテーマで、人に着られる”きもの”と、”きもの”を着る人の関わりにフォーカスした企画が展開される。

1つ目のテーマは、テック集団「BASSDRUM」によるモーションキャプチャーや御召の分析をもとに、「歩くとは何か? 」「シワとは何か?」を考える企画だ。着るものを扱うときに、避けて通れない「シワ」。矢代仁の代名詞ともいえる「御召」という着物がシワになりにくいと言われてきた理由を探る。[協力:安藤隆一郎(身体0ベース運用法 / 京都市立芸術大学)]

2つ目は、着付のプロ・服部和子きもの学院と社会とファッションを研究する小形道正とともに「着物の正しい着方」を考える企画。戦後大きく変化してきた「着る」という行為を、普段着としての着物からハレ着、さらにはコスプレへと広がる装いの変遷を手がかりに見つめ直す。

3つ目は、グラフィックデザイナー・岡本太玖斗とともに、「きものを着る」行為に潜む音を録音し、ビジュアライズする企画だ。布や紐が重なり合うときに生まれる動きや音を採取し、その着るにまつわる音を「視える化」することで、きものの新たな魅力を発見する。[協力:武田真彦(サウンドデザイン)、服部青海(服部和子きもの学院)]

4つ目は、9月2日に上演された「(“きもの”の)しまいかた」のアーカイブを写真やテキストを通して公開する展示企画。本上演では、演出家・福井裕孝とともに、着物に「モヤモヤ」を抱く5人の参加者が対話を重ね、着物との関係を見つめ直した過程を、展示でたどることができる。
着物について理解を深めることのできる、貴重な展示となっている。
ぜひ会場にてその魅力を体感してほしい。
▼Information
展示『YSN ゆっくり・しっかり・のこす』
着物を考えるための調べもの 「うごく かさなる “きもの”になる」編
【日程】10月1日(水)〜10月12日(日)
【場所】Gallery SUGATA
【時間】11:00〜18:00 ※全日営業
【住所】京都府京都市中京区蛸薬師町271-1
【参加パートナー】小形道正(大妻女子大学)、岡本太玖斗(グラフィックデザイナー)、BASSDRUM(池田航成、小川恭平、毛原大樹)、服部和子きもの学院(服部有樹子、服部青海)、福井裕孝(演出家)
【公式サイト】YSN|ゆっくりしっかりのこす