《11/7から》石川竜一、ポートレートの最新シリーズによる個展「よ」をPURPLEで開催

京都のPURPLEで、写真家・石川竜一の個展「よ」が2026年11月7日(土)から12月6日(日)まで開催される。石川のPURPLEでの個展は、2022年の「zk」以来、約4年ぶりとなる。

本展は、石川が重要なテーマとして取り組み続けてきたポートレートの最新シリーズで構成される。被写体の一部は石川の知人だが、多くは街ですれ違い、声をかけて撮影した人々だ。撮影者にとっても鑑賞者にとっても、その素性を知らない人々が写し出されている。

私たちは写真に写る人を見て、年齢や性別、装い、表情、生活の痕跡から、その人が誰であるのかを読み取ろうとする。しかし、どれほど克明に写し出されていても、その人のすべてがわかるわけではない。むしろ見れば見るほど、その存在は生々しく迫ってくると同時に、私たちの理解には収まりきらない他者として立ち現れてくる。

石川は、こうした経験を考えるなかで、主観的に経験される感覚の質「クオリア」へと辿り着いた。クオリアとは、赤の赤さ、痛みの痛さのように、言葉や説明には還元できない感覚の質を指す。皮膚の質感、身体の緊張、視線の強さ。写真に写る身体は、言葉になるよりも先に、見る者の知覚に働きかけてくる。

展覧会タイトルの「よ」は、論理学で存在を表す記号「∃」(Existの頭文字であるEを反転させたもの)に由来する。石川は、本年刊行された同名の写真集とともに、この記号を「よ」と読んでいる。

写真の核心にあるものは、何が写っているかではなく、『なお、そこにあるもの』。言葉では尽くせず、意味へ還元されず、それでも確かに現れている現れ-それこそが『∃(よ)』である

石川竜一

他者を知ろうとすることと、知り尽くすことのできない存在に出会うこと。その両方を引き受けながら撮り続ける石川が、写真と存在の関係を問い直す新たな試みを、ぜひ会場で見届けてほしい。

関連イベント

赤々舎の設立20周年を記念したスライドショーが、京都で11月3日(火・祝)と11月8日(日)の2日間にわたり開催される。会場は、11月3日がPURPLE、11月8日が京都大学「文学研究科ぶんこも」。石川は11月8日に登壇し、喜多千草(京都大学大学院文学研究科教授)とのトークも行われる。

関連書籍

本展と同名の写真集『ヨ』は、2026年6月に赤々舎から刊行された石川の最新写真集。ブックデザインは町口景が手がけている。

PHOTOGRAPHER PROFILE

PHOTOGRAPHER PROFILE

石川竜一

1984年沖縄県生まれ。2008年より舞踏家 しば正龍に師事。'10年より写真家 勇崎哲史に師事。'11年東松照明デジタル写真ワークショップに参加。
写真集に'14年『RYUICHI ISHIKAWA』(私家版)、『okinawan portraits 2010-2012』、『絶景のポリフォニー』、'15年『adrenamix』、'16年『okinawan portraits 2012-2016』『Camp』Slant、'21年『いのちのうちがわ』、'22年『zk』(すべて赤々舎)、'25年『Sunset』(bookshop M)、'26年『ヨ』(赤々舎)がある。
'12年「okinawan portraits」で第35回写真新世紀佳作受賞。'14年『okinawan portraits 2010-2012』と『絶景のポリフォニー』で第40回木村伊兵衛写真賞。'15年日本写真協会賞新人賞受賞。

▼Information

展覧会名:石川竜一 個展「よ」

会期:2026年11月7日(土)− 12月6日(日)

時間:13:00−19:00(11月8日(日)は15:00まで)

休廊日:月曜日、火曜日(11月23日(月・祝)は開廊、11月25日(水)は休廊)

会場:PURPLE

住所:京都市中京区式阿弥町122-1 3F

URL:https://purple-purple.com/exhibition/yo/

 

関連イベント:赤々舎20周年記念スライドショー

京都 DAY 1:2026年11月3日(火・祝)PURPLE(2部制)

第一部 13:00−15:00 出演:藤岡亜弥、飯川雄大、稲岡亜里子、片岡俊、中川もも

第二部 17:00−19:00 出演:古賀絵里子、紀成道、佐伯慎亮、古里裕美、岩橋優花

京都 DAY 2:2026年11月8日(日)17:00−20:00 京都大学「文学研究科ぶんこも」

出演:浅田政志、石川竜一、赤鹿麻耶、金サジ、大道兄弟

石川竜一 × 喜多千草(京都大学大学院文学研究科教授)のトークあり

料金:各回2,200円(税込)、要事前予約

 

関連書籍:石川竜一『ヨ』

定価:5,000円+税

Book Design:町口景

発行:赤々舎