《5月27日から》伝説的写真家達の作品が一堂に集結!「Human Baltic われら バルトに生きて」開催。|表参道 スパイラルガーデン

2024年5月27日(月)から6月9日(日)まで、表参道のスパイラルガーデン(スパイラル1F)にて、NGO団体KOI NIPPONが主催する、国内初となるバルト三国ヒューマニスト写真展「Human Baltic われら バルトに生きて」が開催される。

本展覧会は、1960年代から1990年代にかけて、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)で活躍した17人の伝説的なヒューマニスト写真家による200点以上の作品を展示。いずれも日常の大切さ・表現の自由・芸術の社会的役割に焦点を当てた作品となっている。

期間中には、バルト三国で起きた歴史的な平和デモ活動「バルトの道」をARで体験できるアプリの配信のほか、キュレーターらによるパネルディスカッションや、ウクライナ難民支援チャリティーオークションも開催される。

カリユ・スール 《Together with Grandpa》1975

バルト三国で起きたヒューマニスト写真運動とは?

第二次世界大戦の影響で起こったヒューマニスト写真運動は、一人一人の人間性の重要さに光を当て、平和を推進してきた。バルト三国に生きたヒューマニスト写真家たちは、厳しい国家検閲やグローバルな視点に対する敵意に晒されながらも、視覚的な比喩や隠れたメッセージ、「イソップ言語(検閲を逃れるための特殊なコミュニケーション言語)」などを用いながら、人々を照らし、制約に挑戦してきた。

本展では、写真家の視点を通して、ソ連時代を生きたバルト三国の人々のリアルな姿や、人生の力強さ、優美さ、複雑さを感じることができる。

ペーター・トーミング 《Renouncement (On the shore II)》1980s
ゼンタ・ジヴィジンスカ the series《House by the River》1975
ロームアルダス・ポルジェルスキス the series《Lithuanian Pilgrimages》1986
アンドレス・グランツ 《Around Latvia – Jurmala, Dzintari》1987
Pirita Rock 03 august 1987 Ivo Uukkivi

メインキュレーター
・アグネ・ナルシンテ Agnė Narušytė

共同キュレーター(五十音順)
・イーヴェッタ・ガーバリーニャ Iveta Gabalina
・クレスタル・エイメ・ロール Kristel Aimee Laur
・トーマス・ヤールベルト Toomas Järvet

参加アーティスト(五十音順)

エストニア
・アルノ・サール Arno Saar
・エネ・カルマ Ene Kärema
・カリユ・スール Kalju Suur
・ペーター・トーミング Peeter Tooming
・ペーター・ランゴヴィッツ Peeter Langovits
・ティート・ヴェルマーエ Tiit Veermäe

ラトビア
・アイヴァース・リアピンシュ Aivars Liepiņš
・アンドレス・グランツ Andrejs Grants
・グヴィドー・カヨンス Gvido Kajons
・グナーズ・ビンデ Gunārs Binde
・ゼンタ・ジヴィジンスカ Zenta Dzividzinska
・マーラ・ブラフマナ Māra Brašmane

リトアニア
・アルギマンタス・クンチュス Algimantas Kunčius
・アルゲルダス・シャシュコス Algirdas Šeškus
・アレクサンドラス・マシアウスカス Aleksandras Macijauskas
・ビオレタ・ブベリーテ Violeta Bubelytė
・ロームアルダス・ポルジェルスキス Romualdas Požerskis

「バルトの道」とは?

ロームアルダス・ポルジェルスキス シリーズ《バルトの道》より 1989

1989年8月23日、約200万人以上の人々が手を繋ぎ、エストニア、ラトビア、リトアニアを横断する690kmに及ぶ人間の鎖を形成した、重要な平和的デモ運動「バルトの道」。ソ連の占領に対するこの連帯と非暴力の抗議行動は、バルト三国の支配に立ち向かう集団行動の力と自由への切望を力強く示した。

ARアプリ「バルトの道」

展覧会に併せて5月27日(月)からローンチされるARアプリ「バルトの道」では、バルト三国の写真家による150点以上の写真作品、音声、ビデオなど様々なコンテンツを通して、「バルトの道」をはじめ、「歌う革命*」や「ロック・マーチ*」といった文化を通した連帯と非暴力の抗議運動を、会場周囲を約20分間歩くツアーで体験することができる。(ダウンロードは無料 / 日英両言語で利用可能)

*歌う革命:1980年代後半、エストニア、ラトビア、リトアニア全土に広がった平和的抵抗。数十万人が集まる大規模な音楽の祭典は国民のアイデンティティと抵抗を訴える場となった。これらの祭典は単なる音楽イベントではなく、ソ連の抑圧に対する団結の記念碑的なデモ運動であった。
*ロックマーチ:1987年に主にリトアニアに起こった、ロックの力と政治的活動を融合させたコンサート。この一連のコンサートでは、風刺的な歌詞と演劇的センスを盛り込んだバンドが演奏し、ソ連の支配に反対する若者運動を象徴した。

▼関連イベント

パネルディスカッション「写真に潜むダブルスピーク(二重表現)」

日時:5月30日(木) 18:00〜20:00
チケット:無料
登壇者:
・アグネ・ナルシンテ Agnė Narušytė(メインキュレーター)
・渡部真也 (B) (テンプル大学ジャパンキャンパス アート学科 上級准教授)
・トーマス・ヤールベルト Toomas Järvet(共同キュレーター)

「写真に潜むダブル・スピーク(二重表現)」では、同時代の日本の写真との比較を通して、バルト三国と日本の写真家が、目まぐるしい変化の中でどのように社会を記録したかを探求する。戦後、急速な近代化を遂げた日本の写真家たちは、バルト三国の写真家たちと同様、伝統と進歩のせめぎ合いを捉えてきた。これらのパネルディスカッションでは、レンズを通して日常生活を写し出す力強さに焦点を当て、日本とバルト三国の写真表現の伝統と、時代が芸術表現に与える影響力に関して模索する。

ウクライナ難民支援チャリティーオークション

日時:6月4日(火) 18:00〜20:00
チケット:無料

ウクライナ難民支援のためのチャリティーオークションでは、ラトビア、リトアニア、エストニアのキュレーターが、バルト三国のヒューマニズム写真作家による30点以上の作品を紹介、参加者はプリント作品を購入することができる。オークションでの収益金は、ウクライナ難民支援を実施している非営利組織に寄付される。

▼information

【会期】2024年5月27日(月)— 6月9日(日)
【会場】スパイラルガーデン(スパイラル1F)(東京都港区南青山5-6-23)>MAP
【開場時間】11:00 ~ 20:00 ※5月27日(月)のみ開場16:00~
【チケット】無料
【主催】KOI NIPPON、ISSP Latvia、Juhan Kuus Documentary Photo Center
【助成】Baltic Culture Foundation、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
【提供】SIGMA、Artglass
【芸術文化魅力創出助成】東芝国際交流財団、Lithuanian Council for Culture
【メディアパートナー】ENCOUNTER MAGAZINE
【公式ウェブサイト】https://humanbaltic.com/ja/
【公式SNS】X @humanbaltic, Instagram @humanbaltic, Facebook「Human Baltic」