【成人式前撮り】フォトスタジオ代表に聞いた、成人式写真の基本ポージング
一生に一度、成人した晴れ姿を形に残す成人式の前撮り(後撮り)。
近年では思い出の場所や晴れ着にぴったりなロケーションで行う屋外撮影も人気を集めています。成人式前撮りの撮り方記事・レタッチ記事に続き、今回は成人式前撮り写真における古典的ポージングや自由なポージングについて、『片倉写真事務所』の片倉玄徳さんに伺いました。
目次
成人式前撮りのポージングとは?
本来、ポージングは自由で決まりがなく無限に存在します。
ただ成人式写真は、お着物を扱う撮影であるため、注意しなければいけないポイントがあります。
成人式の古典的な基本ポージングは、被写体と着物をきっちり撮影することを意図したものです。現在ではより自由なポージングへ移行しているように感じますが、まずは古典的なポージングを理解するところから始めましょう。
成人式前撮りの古典的なポージング
古典的ポージングにはいくつかの基本パターンがあります。
1.立ち姿
カメラに左前を見せる様に立つことで、着物の左肩の柄・左袖と膝下の主な柄、右袖の柄も見せて撮影が出来ます。
袖の弛みが出ないように中に袖板を仕込む場合もあります。手は前で組むか、体の側面に沿わせるように自然に下ろします。カバンを持つ場合はカバンで着物の柄が隠れるため、持つ位置に注意を払いましょう。
足元は必ず合わせて立ちます。スタジオ写真でもよく見られる、スタンダードなポージングです。
【ポイント】一般的な振袖の場合メインとなる柄の位置が決まっています。
・左肩 ・膝下 ・袖左前 ・袖右後
上記はあくまでも一般的な柄行のため、着物によっては柄が無かったり違った位置に主な柄がある場合があります。着物の柄行をしっかり確認して撮影に臨みましょう。
2.椅子での座り姿
左前を見せるように椅子に座ると、左肩・左袖と膝下の主な柄を見せて撮影できます。立ち姿よりアップで全体が狙うことができ、こちらもスタジオ写真でよく見られるスタンダードなポージングです。
3.正座
和室や縁側のシチュエーションで使われるポージングです。膝前の着物を入れながら座り込み、袖を流します。
4.手を持ち上げながら片袖、または両袖を見せたポージング
袖の柄を見せて撮影できます。
5.後ろ姿 ヘアスタイル
帯結びがしっかりと映るように後ろ姿も必ず撮影しましょう。
後ろで手を組んでもらったり、横を向いてもらうなど応用を効かせて撮影していきます。また、ヘアスタイルの写真も忘れず残しましょう。
成人式前撮りの自由なポージング
古典的な撮影ポージングを理解したら、その真逆の自由なポージングも試していきましょう。
例えば……手は前で組まない、真っ直ぐ立たない、足を閉じないといったポージングや、
走ってみたり、片足で立ってみたり、しゃがんでみたり……
同行している人を交えて撮影してみたり……等々。
写真撮影自体を楽しみ、遊びながら進めるのが最も理想的です。
ぎこちないポージングをすると、多くの場合“やらせている感”が出てしまいます。依頼者が緊張している際は、同行している人を交えて遊ぶことにより、撮影の場の空気をなごませながら撮影を進めていきましょう。
また、それぞれが求めるイメージによって、表情やポージングは異なります。事前の打ち合わせや撮影中の会話の中から、希望する写真を見極めていきましょう。満足度の高い写真にするためには、フォトグラファーとモデル(依頼者)のイメージの共有がとても大切です。
フォトグラファー側も、積極的にInstagramなどのSNSを使って、自分の作風やイメージを発信していくことが、イメージの共有や集客に直結していきます。
そして、成人式撮影はご本人だけではなく御両親、祖父母家族のためのものでもあります。どちらかだけを撮るのではなく、古典的なポージングから撮影を始めて、自由なポージングへ持っていくことで、ご家族みんなが求める写真が残せると思います。
成人式前撮り写真を撮影するフォトグラファーにとって最も大切なこと
成人式前撮りの撮影では、お客様とのささいな会話の中から、撮るべき写真、残さなければならない写真が見えてきます。そして、撮影した写真が「家族の宝物になりました」と言われることも多くあります。
依頼者の気持ちに寄り添いながら、希望に沿った写真を撮ることが記念写真を撮影するフォトグラファーにとって最も大切なことです。
PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
片倉玄徳 Katakura Gentoku
1980年三重県伊賀市生まれ
大谷大学卒
日本写真映像専門学校卒
2012年片倉写真事務所設立
京都北山のフォトスタジオ
Katakura photo office
婚礼/成人式/家族写真/ポートレート/商業撮影 を行ってます。