ニューボーンフォト専門家に聞いた、おくるみを安全に巻く方法と注意点
よしむら写真事務所の吉村です。
今回はニューボーンフォトに欠かすことのできない「おくるみの巻き方」の基本と注意点を解説いたします。
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PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
吉村 ひろし
大阪府枚方生まれ枚方在住、大阪府枚方高校国際教養化卒。関西外国語大学スペイン語学科卒。
新卒から文房具の商社での営業、ECサイトのお客様相談室の室長を経験。うつ病をきっかけにかつてやりたかった事と向き合う様になり、フォトグラファーの道へ。ブランディングとプリント販売のノウハウを作り上げ活躍するフォトグラファーへと転身。男性フォトグラファー×女性ポージングケアアシスタントと言う形でのニューボーンフォト出張撮影の専門家・株式会社サルバドールの代表取締役として活動中。
ニューボーンフォトとは生後約三週間の新生児期を撮影する写真のことです。
ちいさな赤ちゃんやお腹の中にいたような様子を残す撮影となるわけですが、おくるみで「巻く」ことが撮影でどのようなメリットをもたらすのか、お伝えしていきます。
なぜ赤ちゃんをおくるみで巻くのか
1.おくるみで巻くと赤ちゃんは安心する
ニューボーンフォトは、その名のとおり産まれてからまもなく赤ちゃんを撮影します。つまりほんのつい最近まで、赤ちゃんは小さく丸くなった姿勢でお母さんのお腹の中にいたということです。ですのでそのような姿勢をキープできるようにおくるみで巻くことによって赤ちゃんはとても安心します。
おくるみの中で小さくなっている赤ちゃんは、一見すると窮屈そうに見えるかもしれません。しかし実際のところ赤ちゃんは安心できるので落ち着き、深く眠りに付くことが多いです。その特性を活かして撮影のはじめにおくるみで巻いて眠りつかせることもあります。
また赤ちゃんの起きてしまう原因のひとつに、モロー反射があるのですが、おくるみを巻くとモロー反射が防ぐことができます。この点からも眠りについてほしい時にもおくるみを巻くのは有効です。
2.応用の幅も広い
おくるみで巻かれた赤ちゃんは、なんといっても可愛らしいですよね。また、三枚ほどの布を使って巻くポテトサックポーズをふくめ、巻くスタイルでの撮影は、籠でのアレンジや家族撮影にも応用できるためニューボーンフォトの撮影においてなくてはならない存在です。さらにここ数年は、巻いている布でリボンをつくったりとスタイリングのバリエーションが増えてきています。
3.他のポージングと比べて撮影しやすい
ニューボーンフォトのポージングには、どれも熟練の技が必要です。おくるみもそのひとつですが、比較的うつ伏せでの撮影や頬杖、裸んぼなどに比べると初心者さんでも再現性が高いのです。
もちろん撮影角度やおくるみを巻いた状態でのスタイリングなどプロの技はあるものの、ひとまず巻くことでニューボーンフォトを自社メニューに取り入れやすいという特性はあります。
これらの理由からニューボーンフォトをはじめる上でおくるみをマスターすることはとても大切だと言えます。
それでは工程を紹介していきますね。
プロが実践!安全にニューボーンフォトのおくるみを巻くポイント
1.赤ちゃんを膝の上に乗せる
おむつをした状態で赤ちゃんを膝の上に乗せます。この時、日本では床に座りながら巻いていくことが多いのですが、欧米だと椅子に座りながら巻く事が多い印象です。またこの姿勢はフォトグラファーが腹筋を使うので、慣れないうちはしんどいかもしれません。床に座りながら巻いていくのがしんどい時は、むりせず椅子や小さな椅子を用意しておこなうことも選択肢に入れてください。
2.足の組み方を確認する
赤ちゃんの足を組む時に「組みやすい方」があります。これはお腹の中でそう組んでいたのかなと考えられるのですが、足のどちらかを上にして組んでみると、確かに「組みやすい方」がわかるかと思いますので、赤ちゃんが組みやすい方で組んでいきます。
3.腕から固定する
40cmくらい布を余らせた状態で背中から肩にかかるようにかけていきます。そこから前におくるみを持ってきて、赤ちゃんの手をクロスさせて手が動いてしまわないように巻いていきます。
次に背中側へとおくるみを回していくのですが、背中から肩にかけて巻いていきます。この時赤ちゃんの脚は固定されていないので自由に動いてしまいます。動いていると巻くのが難しくなるのでの赤ちゃんの脚を自分のお腹で抑える様に固定しながら腕を巻いていくといいと思います。
4.脚を巻いていく
次に脚を固定していきます。背中、向かって右肩、腕、向かって左肩と巻いた次は脚の方に布を伸ばします。この時のポイントはしっかりとおしりにおくるみが掛かる様に巻いていくことです。赤ちゃんの脚は組んだ状態で巻いていくのですが、動いてしまうと組んだ状態で巻くのが難しいので、そうならないように片方の手でで赤ちゃんの脚のクロスを保ち、もう片方の手でしっかりとおしりにかかるようにおくるみを巻いていきます。
5.肩へかける
続いておくるみを肩へ掛けます。肩にしっかりとおくるみをかけたら後はグルグルと同じ様に両肩を巻いていきます。この時に背中は肌が見えているけど大丈夫?と疑問に思うかもしれませんが、撮影中に背中が見えることはないのでひとまず気にせずに巻いていきます。この工程になってくると少しおくるみが緩み始めていることが多いので、緩くならないようにしっかりと巻いていきます。
6.手の位置を微調整する
巻いている途中で赤ちゃんの手の位置が変わることもあるので、赤ちゃんの手の位置をかわいく見えるところまで戻して完成です。
7.余ったおくるみはどうするの?
先ほどの背中の肌が見える問題と同様に撮影する際は背中側は見えないので、余ったおくるみは、赤ちゃんの背中に敷く感じで大丈夫です。
さて、次におくるみを巻くときに注意するポイントです。
ニューボーンフォトのおくるみを巻く際の注意点
1.適切な力で巻く
まず大前提として赤ちゃんが苦しくなるような巻き方、無理に小さく巻こうとすることは絶対にやめてください。しかし撮影においては赤ちゃんをしっかりホールドできていないと、おくるみが撮影中にくずれてきてしまったり、はだけてしまったりして、綺麗に撮影ができません。ある程度動いても大丈夫なくらいの力でしっかりと巻いていくことが大切ではあるのです。
このあたりの力加減は本当に微妙ですので、実際のワークショップで体験していただくくのが一番安全です。練習の時にはニューボーンフォト専用のポージング人形がよく用いられるのですが、専用のものではなく赤ちゃんと似たサイズのぬいぐるみなどを用いると、巻いたときに軽い反発も感じられるので個人的には巻きの練習にはぬいぐるみもお勧めです。
2.しっかり起きている時は巻かない
赤ちゃんが起きていてアクティブに動こうとしている時におくるみを巻こうとすると、赤ちゃんにストレスがかかります。しっかり起きていたりミルクを欲しそうにしていたりする時にはおくるみを巻かないようにしましょう。
3.オムツが見えていないか?
おくるみを巻いた状態でオムツがみえてしまうと、現実的な印象にしあがってしまい、写真の世界観に影響がでてしまいます。もしおくるみを巻いたときにオムツが見えてしまうようであれば、オムツをちいさく織り込んでおきます。
* * *
今回はニューボーンフォトの撮影に欠かせない安全におくるみの巻く方法、その注意点についてご紹介しました。他のポージングと比べると撮影しやすく、アレンジの幅も広く、なによりもおくるみ を巻くことによって被写体である赤ちゃんは安心してくれます。
まさにおくるみ巻きはニューボーンフォトの基本、とも言えます。しっかりと練習をかさね、マスターしてみてくださいね!
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PHOTOGRAPHER PROFILE
株式会社サルバドール 代表取締役 吉村ひろし
生まれも育ちも大阪府枚方市。枚方高校国際教養科卒業後、関西外国語大学でスペイン語学科を修了。新卒から文房具の商社での営業やECサイトのお客様相談室の室長を経験したが、うつ病を経験し、かつての夢に向き合うことを決断。フォトグラファーの道へ転身した。ブランディングとプリント販売のノウハウを身につけ、その経験を活かし、男性フォトグラファー×女性ポージングケアアシスタントとしてニューボーンフォトの出張撮影を得意とする専門家として活動中。写真館「よしむら写真事務所」を大阪府交野市に設立し「家族愛」をテーマにした心温まる写真で評判を呼んでいる。講師としても活動し、ポージングセミナー、キッズ撮影講座、魔法のおうちスタジオ、ライティングセミナー、アルバム販売セミナー、個別コンサルティングなど多岐にわたる講座を手がけ、安心価格でプロデュースしている。その熱意と実績が富士フィルムイメージングに認められ、全国で10名しかいないNBフォトとして、富士フィルムのプロ向け講座の講師に抜擢されている。趣味はジャズギター、ルービックキューブ、そしてブルーナボインの洋服。ポリシーは、人の損から得をとらない、意味のないことには意味をつけない。大人は挑戦、子どもに背中を見せる。この三つを信条としている。
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