ニューボーンフォト専門家に聞いた、ポージングのアイデアとポイントまとめ
こんにちは。吉村です。今回はニューボーンフォトのポージングやシーンについて解説させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
またこの連載では、既存の写真館やフリーランスフォトグラファーがニューボーンフォトの導入で得られるメリットについては前々回でお話しておりますので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
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PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
吉村 ひろし
大阪府枚方生まれ枚方在住、大阪府枚方高校国際教養化卒。関西外国語大学スペイン語学科卒。
新卒から文房具の商社での営業、ECサイトのお客様相談室の室長を経験。うつ病をきっかけにかつてやりたかった事と向き合う様になり、フォトグラファーの道へ。ブランディングとプリント販売のノウハウを作り上げ活躍するフォトグラファーへと転身。男性フォトグラファー×女性ポージングケアアシスタントと言う形でのニューボーンフォト出張撮影の専門家・株式会社サルバドールの代表取締役として活動中。
各ポーズの説明に入る前に、安全で美しいニューボーンフォトに仕上げるために必要なお話しさせてください。
安全のためのレンズ選び
ニューボーンフォトで使用されるレンズは国内外問わず35㎜と50㎜が多いです。35㎜が使用されている理由は2つあります。1つは赤ちゃんが起きて動いてもすぐ手が届く距離で撮影ができること。もう一つは、ニューボーンフォトはレンズの歪みを利用して撮影することが多く、35mmレンズは歪み具合がちょうど良いからです。50㎜のレンズはアシスタントがいて、立体的に表現した絵づくりではなくフラットな写真を表現したい時に使用します。
しっかりしたクッションを使う事が大切
ニューボーンフォトのポージングの際、赤ちゃんの動きをある程度固定するために、布の下にクッションを見えないようにきめ細やかに配置して撮影しています。そのクッションが滑りやすいものだと、赤ちゃんが動くたびにクッションが滑ってしまい、うまくポーズがとれません。しっかりと重さのある動かないクッションを使うようにしましょう。
撮影のセオリー・顔を大きく、身体を小さく撮る
ニューボーンフォトでは、基本的に顔が大きく体を小さく見えるように撮影することが理想とされています。そのため、顔が大きく映る工夫がたくさんされています。こればかりは実際にワークショップなどにご参加いただき、実際にご覧いただけたらと思います。
ニューボーンフォトの基本のポージングの種類
さて、それでは各ポーズの解説に入っていきたいと思います。改めて写真を見返していますけども、どれも本当に可愛らしいですね。
1. バムアップ
まさにニューボーンフォトの象徴とも言える「バムアップ」。このポーズですが、実は撮影のハードルが高いです。
1番の撮影のハードルは、赤ちゃんの顔、ほっぺたが本人の重みで潰れてしまうこと。
そして、どのように赤ちゃんをクッションの上に寝かしつけるのか。この2点に関してはポージングセミナーの際にも本当によくいただくご質問でもあります。
2.バックポーズ
バックポーズは、黒背景で裸の赤ちゃんを撮影する際、とてもポピュラーなポージングです。このポーズも撮影のアングルがとても重要です。バックポーズで撮影した後にご両親の手をいれて撮影することもとても人気です。
3.チンオンハンズ
「チンオンハンズ」は、手の上に顎がのっているという意味のポーズです。こちらの撮影においては、肘の固定と顔の角度が大切です。このポーズは布背景だけでなく、バケツや籠でポージングされることも多いカットです。アレンジをたくさんされるフォトグラファーは、バケツやアーティフィシャルフラワーなどを使って、背景の世界観も作りこみます。
4.ポテトサックポーズ
ニューボーンフォトといえば、「ポテトサックポーズ」を思い浮かべるかもしれませんね。こちらのポーズでは、顎の下に手がちょこんと出ているのを見ることがよくあるかと思うのですが、実はこれはかわいいだけではなく、顎の下に手が来ることで赤ちゃんの気道をしっかり確保する役割も担っています。
ニューボーンフォトの人気のおすすめポーズ・シーン
この章では人気のポーズについて説明していきますが、お客さまからどのポーズが人気になるかは、どのような写真を作例として載せるかによっても大きく変わってきます。
1.ポテトサック
自立しているスタイルやママとのツーショット、ファミリーショットにカゴのアレンジなど、まさに万能の「ポテトサック」ポーズ。そういった意味では、1番人気とも言えるポーズかもしれません。しかしながら、その半面ニューボーンフォトを見たことがない方にとって、ポーズに少し不安を覚える方がいるのも本当のところです。
2.きょうだいカット
赤ちゃんの他にお子さんがいる場合は、圧倒的に人気のシーンとなるのが「きょうだいカット」です。こちらのシーンで注目すべきところは、なんといっても上のお子様の気持ちです。弊社では、きょうだいカットを撮影させていただく際には、まず上のお子さんとのコミュニケーションを増やします。自分も撮影の主役であると認識してもらうために、上のお子さん1人の写真を先に撮ったり、お子さんの知的好奇心に働きかける簡単なクイズをだしたり、一緒におうちにあるおもちゃで遊んだりもすることがあります。
3.フロッギーポーズ
とても大切なことなのですが、こちらのフロッギーポーズは合成写真でできています。1枚目は手を支えたもの。2枚目は頭を支えているもの。この2枚の写真を合成して1枚の写真が完成します。赤ちゃんの安全上の観点から、合成なしでは絶対に撮影をしないようにしてくださいね。また大変に難易度の高いポーズとなりますので、しっかりと講習をうけてから撮影する必要があります。
4.籠などでのアレンジカット
ニューボーンフォトといえば、籠に入った赤ちゃんをイメージするかもしれません。また、スタジオによっては、ハーフバースデーに同じ籠を使って大きさを比べるなどのアレンジに発展することもあり、営業的にも重要なカットといえます。
5.家族写真
1枚の写真を飾ったり、年賀状に使ったりするならやはり家族写真がとても人気があります。ママとのツーショット、パパとのツーショットも、我が子の誕生の時にどのくらい嬉しかったのかということを未来のお子さんに伝える大切な写真となりますので、たくさん残して欲しいカットです。
初心者におすすめのポージング
ニューボーンフォト初心者の方は、赤ちゃんが寝てくれるかどうか心配だったり、実際に赤ちゃんが寝てくれなくて困ったりすることがあるかもしれません。そんなときの撮影は、ポテトサックのポーズから始めることをおすすめします。お母さんのお腹の中にいるときの赤ちゃんは、とても小さくて丸くなるポーズをしています。手足を伸ばしたくても、子宮の壁に守られて動くことができません。そのため、ポテトサックのポーズのように赤ちゃんをしっかり包んであげると、赤ちゃんは安心して深い眠りにつくことが多いのです。撮影中、赤ちゃんがなかなか寝てくれない場合は、このポテトサックのポーズから始めてみてはいかがでしょうか。
上級者が実践するポージングのポイント
前提として赤ちゃんをポージングするためには、赤ちゃんがぐっすりと眠っている必要があります。また、ニューボーンフォトというと、赤ちゃんが本当に深く熟睡するまで待ってから撮るというイメージが強いかもしれませんが、実は上級者のフォトグラファーは赤ちゃんがむにゃむにゃ眠りに入るか入らないかの状態でポージングを始めることもあります。これは何故かというと、腕の中で熟睡している赤ちゃんは、ベッドの上でポーズをとろうとすると起きてしまうことが多いからです。初心者さんの場合は、抱っこして赤ちゃんの熟睡を待ちますが、ベッドに寝かせようすると起きてしまいがちです。この繰り返しで撮影が思うように進まないこともあります。そこで上級者は、赤ちゃんが深く眠っていなくてもポージングを進める場合もあるのです。この場合、「この体勢なら気持ちよく眠れるよ」と言わんばかりに、ポーズをとらせながら寝かせていきます。もちろん赤ちゃんが不快に感じない範囲で行うことが大前提なので、常に赤ちゃんの様子には気を配る必要があります。
ニューボーンフォトのポージングの注意点
赤ちゃんの可動域やバランスは、赤ちゃんの成長具合と個人差によって異なります。ですので、「ここまで曲がるはず」「このようにするとうまくポージングできるはず」といった思い込みは大変危険です。ニューボーンフォトのポージングは、赤ちゃんの無理のない範囲で行うようにしてください。
そして忘れてはいけない大切なことなのですが、ニューボーンフォトの目的は、ご家族に新しく誕生した赤ちゃんを可愛く残し、家族に愛し愛された記憶を残すこと。ですから、それをどのように表現していくのか?ポーズや装飾はどこまで作り込んでいくのか、フォトグラファー自身でしっかりと考える必要があります。
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今回はニューボーンフォトのおすすめのポージング集からその注意点までご紹介しました。
今回お話した内容を参考にしていただきながら、是非ニューボーンフォトを撮影する魅力に触れてみてくださいね。
PHOTOGRAPHER PROFILE
株式会社サルバドール 代表取締役 吉村ひろし
生まれも育ちも大阪府枚方市。枚方高校国際教養科卒業後、関西外国語大学でスペイン語学科を修了。新卒から文房具の商社での営業やECサイトのお客様相談室の室長を経験したが、うつ病を経験し、かつての夢に向き合うことを決断。フォトグラファーの道へ転身した。ブランディングとプリント販売のノウハウを身につけ、その経験を活かし、男性フォトグラファー×女性ポージングケアアシスタントとしてニューボーンフォトの出張撮影を得意とする専門家として活動中。写真館「よしむら写真事務所」を大阪府交野市に設立し「家族愛」をテーマにした心温まる写真で評判を呼んでいる。講師としても活動し、ポージングセミナー、キッズ撮影講座、魔法のおうちスタジオ、ライティングセミナー、アルバム販売セミナー、個別コンサルティングなど多岐にわたる講座を手がけ、安心価格でプロデュースしている。その熱意と実績が富士フィルムイメージングに認められ、全国で10名しかいないNBフォトとして、富士フィルムのプロ向け講座の講師に抜擢されている。趣味はジャズギター、ルービックキューブ、そしてブルーナボインの洋服。ポリシーは、人の損から得をとらない、意味のないことには意味をつけない。大人は挑戦、子どもに背中を見せる。この三つを信条としている。
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