古いフィルムカメラを手にしたら確認して欲しいこと|フィルムカメラ専門店 三葉堂寫眞機店

「実家の押し入れから古いフィルムカメラが出てきたけど、これって使えるのかな?」

「ネットで中古のフィルムカメラを買ってみたもののまず最初に何をするべき?」

新品のフィルムカメラの流通が少なくなった現在、フィルムカメラを始めようとする人のほとんどは中古のカメラを手にすることになるのではないでしょうか。実家の倉庫や押し入れ、またメルカリなどのフリマサイトで古いフィルムカメラを購入した時、まず何を確認すれば良いのか、フィルムカメラ専門店の三葉堂寫眞機店さんに伺いました。

PROFILE

イナダ

PROFILE

イナダ

三葉堂寫眞機店 店主。元々写真は趣味だったが、脱サラして日本写真芸術専門学校で再度勉強。
その後、フィルムカメラユーザーを増やすために写真仲間と三葉堂写真機店をオープン。

みなさま、はじめまして。

東京・日暮里で三葉堂寫眞機店(みつばどうしゃしんきてん)というフィルムカメラ専門店をやっております、イナダと申します。

最近、フィルムカメラを話題に取り上げていただく機会が増えたとのことで、中古カメラ店の観点から、いろいろとお話をさせていただきたいと思います。

まず当店は「フィルムカメラを始めたい!でもよくわからない!」という方にもサポートが出来るようにという思いから、2017 年にお店を立ち上げました。フィルムカメラユーザーを少しでも増やせるように、フィルムでの撮影は意外と難しくない!と声を大にして伝えております。

古いフィルムカメラを見つけたら

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コロナ禍になってから大掃除する機会も増えたためか、「昔のフィルムカメラが出てきたのでまだ使えるのか見て欲しい」といったご相談が増え、中には「おじいちゃんのカメラをもらったので一度綺麗にして、今度はおじいちゃんを撮ってあげたい」といった嬉しいお話もいただきます。

私自身も元は実家にあったカメラも使っておりましたし、やはり愛着が湧きますよね。

フィルムカメラを選ぶ上で「このカメラを使いたい」と思うことは、モチベーションに直結するので非常に大事な要素です。
そこで古いカメラを新たに手にしたら確認して欲しいことをお伝えいたします。

動作確認

ひとつめは、当たり前のことですが、動作確認です。

各シャッター速度で音の長さが変わっているか、巻き上げレバーは動いているか、ファインダーやレンズのガラス面はキレイかどうか、などといった具合です。高温多湿の日本の家に下手すれば何十年としまい込まれていたカメラやレンズはカビが生えてしまっていることもあるので、注意が必要です。特に確認して欲しいのは下記の3点です。

1.外観

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大きな凹みやキズがないか、ファインダーやガラスのカビやクモリがないかをチェックしましょう。
隙間に汚れが溜まっている場合はレンズクリーナーなどのお掃除グッズを使ってください。

2.シャッターが切れるかどうか

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ピントリングやシャッターダイヤル、蓋の開閉などといった動作箇所の動きがスムーズか触ってみましょう。

アナログなタイプは巻き上げレバーを引いてからシャッターボタンを押すとシャッターが切れますが、機種によって電源スイッチがあったり電池が必要だったりします。見ただけでは分からなかったら、一度機種名で調べてみると良いでしょう。

3.シャッター音・シャッタースピード

シャッターが無事に切れたら、シャッター音に違和感がないか聞いてみましょう。

シャッタースピードを調整できる機種であれば、ひとつずつ変えていって、ちゃんと変わっているのか、途中で止まったりしていないか、チェックしてみてください。

実写確認

ふたつめは、実際に撮ってみること。

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第一段階をクリアしましたら、本番の撮影の前に実際にフィルムを1本撮って現像してみてください。フィルムカメラの場合、実写してみないとわからない情報というものが多くあります。今やフィルム1本も安くはないので抵抗があるかと思いますが、気合いを入れて大事に撮った写真が何も写っていなかったということを防ぐため、ひとまずご近所散歩でもしながらカメラに慣れるつもりで撮ってもらいたいと思います。

⚠注意事項

古いフィルムカメラは非常に繊細な機構で出来ているものが多く、中にはプラスチック部品を多用している機種もあります。動くはずなのに動かないとなった時、エイッと勢いで無理に動かしてしまって部品破損ということも少なくありません。動かないときは無理に動かさずに、手順を間違えていないか・修理は必要なのかをカメラ店に聞いてみてください。

フィルムカメラのメンテナンスについて

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そして、忘れてはいけないのはフィルムカメラのメンテナンスのこと。よく機能や造りの例えに車を例に挙げるのですが、車の場合は数年に1度は車検があります。
車検を通すことによって、普段乗っていても気付いていなかった不調や壊れそうなところを事前に整備し、万が一のリスクを減らすことが出来ます。

規模やサイズは違っても、精密機械であることはカメラも同じです。
既に20〜50年以上経っているカメラが多いので、できるだけ長く使ってあげられるようにするには定期的なメンテナンスが欠かせません。フィルムカメラは古いものでは約100年前のものでも十分に撮影出来る機種もあり、それぞれの時代の技術の結晶です。

私達は中古フィルムカメラ専門店として、買取・販売だけではなく、修理も受け付けております。
また、当店でお買い求めいただいたカメラやレンズではなくても修理相談をお受けしており、機種に応じて元メーカーリペアマンや長く修理専門業を行っている職人のもとで、それぞれ得意とする機種の整備をしていただいております。

古い機種はもう増えるものではありませんので、お気に入りの1台を見つけましたら、ぜひ大事にしてあげてくださいね。

三葉堂寫眞機店

住所

〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-32-6

HP

https://www.mitsubado.com/

Email

info@mitsubado.com

Tel /Fax

03-6884-4943

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