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1枚の写真から仕事につなげる。現役デザイナーが語るフォトグラファーの探し方 (前編) 1枚の写真から仕事につなげる。現役デザイナーが語るフォトグラファーの探し方 (前編)

1枚の写真から仕事につなげる。現役デザイナーが語るフォトグラファーの探し方 (前編)

DESIGNER MEETS PHOTOGRAPHER Vol.01

編集思考とアートディレクションを武器に、企業やサービスの新たな価値を創出しているデザインコンサルティングファームDynamite Brothers Syndicate。日々、第一線のフォトグラファーとコンタクトをとっているクリエイティブディレクター、デザイナー、プロジェクトマネージャーが、プロジェクトに応じたフォトグラファーの探し方やポイントを実際のエピソードとともに明かします。



■SPEAKER

高木 裕次 TAKAGI YUJI
CREATIVE DIRECTOR / ART DIRECTOR

前川 亮介 MAEKAWA RYOSUKE
DESIGNER

水流 麻美 TSURU ASAMI
ASSISTANT DESIGNER

高橋 梢 TAKAHASHI KOZUE
CHIEF PROJECT MANAGER


気になる写真はずっと覚えている。いつか一緒に仕事をするために。

高木:フォトグラファーや、フォトグラファーを目指す人たちに向けて、どんなフォトグラファーだと仕事を頼みやすいか、頼みたくなるかを、実際にフォトグラファーをアサインするアートディレクターやデザイナーの視点で伝えたいと思います。
前川くんと水流さんは、「フォトグラファーでいい人いる?」って先輩によく聞かれたり、実際に探したりする立場だけど、いつもどうしてる?

前川:今担当しているファッションブランドの案件は、好きなファッション誌のクレジットを見て名前を検索しました。Webサイトよりインスタを更新する人が多いので、インスタもチェックしています。たとえばマーティン・ホルトカンプ (Martin Holtkamp)さんを起用したときは、過去に気になる作品があったのでそれを思い出しました。

高木:マーティンさんのことは最初に何で知ったの?

前川:丸の内のTHE UPPERというレストランのブックレットですね。その写真が気になっていました。

高木:僕もあの写真いいなと思ってた。そういうのってメモしてるの?

前川:いいものはメモというか、ブックマークして溜めています。

高木:ネタボックスみたいなものがある?

前川:ネタというか、単純に自分の好きなものを集めている感覚に近いです。紐づくものがあるかどうか探して、合いそうなら提案します。

高橋:マーティンさんは何の案件で提案したの?

前川:アーティストのユージーンスタジオが東京都現代美術館で展覧会を開く際に、告知するためのパンフレットです。

高木:最初はTAKE FREEって聞いていたけど、最終的には販売物になったね。ユージーンスタジオの作品はすごくシンプルで、抽象度の高いコンセプチュアルな作品だから、その空気感、緊張感を表現できる写真がいいと思ったんだよね。


前川:実際のアトリエで撮影するということだったので、「建築的な写真を撮る人」みたいな探し方をしました。

高木:そのとき、ゴッティンガムさんというフォトグラファーも記憶にあって、一緒に提案したよね。パンフレットとポスターのデザインをさせていただいたデザインディレクターの柳本浩市さんの展覧会の関係者として協力されていて、いい写真だなと思ってずっと覚えてた。いつかお仕事したいなと。
普通、フォトグラファーって「これを撮ってほしい」という依頼に対して撮るけど、このゴッティンガムさんは、アーティストとして「作品を作っている」ような感覚があったから、そういう意味で個人的に深く記憶に残っていて。実際に依頼してもらったエディターさんに聞いたところ、「3~4ヵ月前にオファーをもらって、現場を見て、構成を練らないと撮影できない」とのことだったようで、そのときは来週撮影というスケジュールだったから難しくて実現には至らなかった。

高橋:エディトリアルとコマーシャルワークでは、フォトグラファー選びは違いますか?

高木:そんなに変わらないかな。どちらも受け手にどんな印象を与えたいのかを考えるというか。ユージーンスタジオのパンフレットの場合、撮影するものがアート作品だから、作品そのものを正確に切り取ることも大切だけど、作品の本当の良さは実際の作品でしか伝わらない。だからパンフレットのデザインや撮影をする上では、作品のコンセプトとか、そのアーティストの想いを、どうやって表現するかが大事なわけで。
今回の場合は、作品と鑑賞者の「関係性」とか、その場の「空間」や「空気」を作品にしていると感じたんだよね。それで、すごく広いアトリエだったから、単純に作品を正確に切り取る写真ではなくて、そのアトリエの空気感だったり、モノとモノが共鳴している「ピーン」とした緊張感を撮れるフォトグラファーの方が面白いと思った。インタビュー写真も、2人が近くで喋っている写真じゃなくて、こっちと向こうにいて、それを遠くから撮るみたいな方が緊張感が出ると思ったから、そういう写真を撮れそうなフォトグラファーを前川くんに相談したんだよね。

高橋:世界観はクリエイティブディレクターやアートディレクターが作りますけど、フォトグラファーはディレクターだけが探すわけじゃなくて、デザイナーと一緒に探すんですね。

高木:前川くんには前川くんの日常があって、マーティンさんの写真をどこかで見てストックしているから、そういうのを引き出したい。

高橋:そういう意味では、うち(Dynamite Brothers Syndicate)はプロジェクトに関わるアートディレクターからデザイナー、アシスタントデザイナーまで年齢層も幅広いし、価値観も違うし、きっと見ているメディアも違うから、提案の幅は広いだろうね。
私は水流さんがフォトグラファーをTwitterで探すっていうのがすごく新鮮だったからそれを聞きたいな。

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1枚の写真から仕事につなげる。現役デザイナーが語るフォトグラファーの探し方 (後編) 
DESIGNER MEETS PHOTOGRAPHER Vol.02




株式会社ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート(DBS)

東京港区にあるデザインコンサルティングファーム。
ブランディング、デザインコンサルティング、ロゴマーク開発など幅広いフィールドで事業展開中。

https://d-b-s.co.jp

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