とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。

そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。

今回はゼンザブロニカのカメラ「Zenza Bronica S2」とその作例をご紹介します。

zenza bronica
作例で使用した機材

camera : Zenza Bronica

わたしがZenza Bronicaで撮る理由

PROFILE

Sonoko Senuma

PROFILE

Sonoko Senuma

高校生のころに出会った一冊の本をきっかけに広告の道を志す。
清潔感と透明感の溢れる写真は、見る人の心にすっと溶け込みながら余韻を残す。
見たときに揺らいだ瞬間や眼差し、溢れる光を優しく掬い上げ、
丁寧に箱におさめるようにそれを切り取ってきた。

「共存する」というワードを軸に、自身の写真をブランド化し、
共感しあえる広告を目指しながら、写真・映像ともに幅広く活動している。

instagramのアイコン @snksnm1997 別のタブで開く @snksnm1997 別のタブで開く URLリンクのアイコン https://www.amana-visual.jp/photographers/sonoko-senuma 別のタブで開く

大学生の頃、私が写真をやっていることを知った親戚が、昔使用していたカメラをたくさん送ってくれた中の一つが、このカメラでした。

当時は中判カメラの存在は全く知らなかったのですが、大学で中判カメラを使う授業があり、タイミングがよかったので、使い始めました。

シャッターを切る時の、重ためのガシャッという音が他のカメラにはないので、「撮っている」というより「おさめている」という感覚が強くなります。

中判でかつ12枚しか撮れないため、気軽に持ち運べる機材ではないからこそ、見ている景色を収め、撮る瞬間への重みを感じます。

6×6判なので、スクエア型になるのがちょっと珍しくて魅力的。解像度もよく、光の入り方、ボケ方も綺麗です。

ファインダは上から覗くものなので、一つの箱に自分の魅力をギュッと凝縮できる感覚になるのが、好きなポイントです。

あのシャッターを切る感覚が忘れられなくて、どのカメラを使っても、「光を掬い上げるように丁寧に箱におさめる」ような作品を撮り続けよう、と思うようになりました。

今の自分の、光をふんだんに使った写真があるのは、このカメラがきっかけかもしれません。

▼Information

Zenza Bronicaについて

1947年、吉野善三郎氏が「世界一のカメラを作る」という夢を抱いて設立したカメラメーカーが、高級中判一眼レフカメラ「ゼンザブロニカ」を誕生させた。初のモデルは1959年に発売されたD型で、1961年には改良版のS型が登場。その後、1965年にはS型の機構を引き継ぎつつ、さらに改良された「ゼンザブロニカS2」が発表された。このカメラは手頃な価格と高性能から「和製ハッセルブラッド」と称され、多くのカメラ愛好者に支持されている。

幅・高さ・奥行:W1000×H1400×D100mm
重量:1,780g