XR RIKENON50mmf2
とっておきの機材に出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はリコーのオールドレンズ「XR RIKENON50mmf2」とその作例をご紹介します。
PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
kururi
兵庫県在住。記憶の欠片を忘れずに残しておきたくて始めた写真。その永久保存先として始めたのがInstagramでした。お婆ちゃんになれた時に、アルバムをめくるように思い出の写真たちを眺めながら、のほほんと余生を送るのが密かな夢だったりします。
使用機材:Canon 5DmarkⅡ
わたしがこのカメラ/レンズで撮る理由
Instagramなどで様々な写真と出会う中で 思わず手を止めて見入ってしまう写真の多くがオールドレンズで撮影されていることに気付き、いろいろと調べていくうちに『和製ズミクロン』と呼ばれる富岡光学製のRIKENONレンズに辿り着きました。
あのライカズミクロンの日本版!?
しかもとても安価なことに驚き、46年前に製造された富岡光学製と言うだけでロマンすら感じてしまうレンズです。
フィルム時代に生まれたレンズをデジタルのフルサイズ機で撮影したらどんな描写になるんだろう?
是非撮ってみたい…見てみたい…
そんな一心でXR RIKENON50mmf2初期型限定で探し求めました。
運良くとても状態の良いレンズに出会えたのですが、そこからシャッターを切るまでには少し遠回りをすることになります。
…と言うのも私の愛機である一眼レフCanon5DmarkⅡで使用するためにはレンズの絞りレバー回りを改造しなくてはならず、撮影出来るようになるまでには3ヶ月ほどを要しました。
いろいろな方の知恵や手をお借りしてやっと撮れた一枚は想像以上の写りの良さに感動したのを今でもはっきりと覚えています。
その時、窓辺のトルコキキョウを撮影したのですが、花弁がシャープかつとても繊細で周辺を包む淡いボケがそれをより一層美しく引き立った一枚がオールドレンズ沼にはまるきっかけになりました。
レンズを覗いた先に広がるドラマティックな別世界を堪能したくて開放で撮影することが多いのですが RIKENONも開放で撮ることで映画のワンシーンのような趣のある画作りをしてくれる楽しいレンズだと思います。
初期型については最短撮影距離が45cm(初期型以降は60cm)なのでテーブルフォトや花を撮られる方にもちょうどいい距離感で使い易いレンズだと思います。
個体差はそれぞれにあるかと思いますが、オールドレンズマニアではない方にも一度は是非試していただきたいレンズです。
information
XR RIKENON50mmf2基本情報
一眼レフのフイルムカメラ「RICOH XR500」の発売とともに登場したXR RIKENON 50mm F2。
「和製ズミクロン」の愛称で現在でも多くの方を魅了し続けるこのレンズの描写は、製造元が「富岡光学」ということもあり、他のレンズでは味わうことのできない奥深さがあります。
お手頃な価格で本格的な描写を実現できるので、オールドレンズに興味を持つ方にもおすすめな銘玉。
ぜひお手に取ってみてください。