Planar C 100mm F3.5 nonT*
とっておきの機材に出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はカールツァイスのレンズ「Planar C 100mm F3.5 nonT*」とその作例をご紹介します。
PHOTOGRAPHER PROFILE
PHOTOGRAPHER PROFILE
イケダサトル
写真家。長崎生まれ、愛知在住。主にフィルムカメラを使用し作品制作を行う。
CAMERA:Hasselblad 500C/M
Film:Lomography Color Negative 400
わたしがこのカメラ/レンズで撮る理由
ハッセルブラッドを使い始めて2年ほど経ち、標準の80mm以外に興味が出てきた頃、友人のレンズを試す機会がありました。
レンズを装着してファインダーを覗いた瞬間、次に買うのはこれだと決めたことを覚えています。
そのレンズは「Planar C 100mm F3.5」。
当時は知らなかったのですが、解像度、歪曲の無さ、平面性に於いてハッセルブラッドの中でもトップクラスの性能だそうです。
性能がファインダーごしに分かったとは思えませんが、美しく輝いて見えたのは確かです。
その日からPlanar C 100mm F3.5を探す旅が始まりました。
オールドレンズの柔らかさやフレアが好きな私は、あえてコーティング無しの「nonT*」を選んだのですが、ただでさえ玉数が少ない100mmの中では更に少なく、何軒ものお店を回りました。
遂に見つけたこのレンズはとても美しく、フィルター径や鏡胴も小型でカメラに付けた時の取り回しも上々です。
解像度が高いと硬い画をイメージするのですが、シャープさの中に優しい柔らかさも併せ持ち、プリントされた被写体は手で触れそうな気がするほどです。
今では殆どカメラに付けっぱなしのメインレンズ、これからもこのレンズと大事な瞬間を残していこうと思っています。
information
Planar C 100mm F3.5 nonT*基本情報
Hasselbladから1969年に発売されたPlanar C 100mm F3.5 nonT*。
「先白」の愛称で知られるこのレンズは総数4500本と大変希少な銘玉です。
高い解像度と、100%に近い歪曲補正による歪みの無さから得られる描写は唯一無二。
コーティングが施されていない「nonT*」ならではの柔らかさも相まって、繊細かつ美しい画に魅了されます。
池田 聡 写真展『天国のことは誰も知らない』
池田聡の写真展『天国のことは誰も知らない』が2月29日(木)~3月6日(水)の期間中、東京都新宿区にあるアイデムフォトギャラリー「シリウス」にて開催される。
本展は、都心の建物と自然が調和する「新宿御苑前」駅から徒歩2分で池田氏憧れのギャラリーで開催され、開放的な空間に約60点の作品が展開される。
『天国のことは誰も知らない』
2024年2月29日(木)〜6月6日(水)※日曜休館
10:00-18:00 ※最終日は~15:00
at アイデムフォトギャラリー「シリウス」東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F