とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。

そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。

今回はペンタックスのカメラ「PENTAX SP II」とその作例をご紹介します。

作例で使用した機材

camera:PENTAX SP II
lenz:Super Takumar 55mm F1.8・SMC Takumar 55mm F1.8

わたしがPENTAX SP IIで撮る理由

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sari

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はじめは、デジタル一眼レフにオールドレンズをつけて撮影しようと考えていました。そんなとき、「祖父が昔使っていたフィルムカメラとレンズがある」と、父から譲り受けたのがPENTAX SP IIでした。

このカメラは、M42スクリューマウントを採用しているため、さまざまなオールドレンズが装着できます。私が愛用しているのは、Super Takumarレンズ。フレアやゴーストが美しく、柔らかな描写力は、撮影した瞬間の空気感や光の印象まで思い出させてくれるように感じます。

自分で「撮る」喜びを教えてくれる

このカメラは、ピント合わせからシャッタースピード、絞り、フィルムの装填まで、すべてがマニュアル操作のため、撮影に少し手間がかかりますが、だからこそ現像された写真がうまく撮れていたときの喜びは格別です。たとえ思いどおりの写りでなくても、「自分の手で一枚ずつ撮った」という実感があり、愛着が湧いてきます。

「自分で撮る」という行為そのものの楽しさを教えてくれた一台です。機械と向き合い、手で操作しながら一枚を仕上げる喜びを体験したい方に、ぜひおすすめしたいカメラです。

▼Information

PENTAX SP IIについて

1970年代に旭光学工業(現リコーイメージング)が発売した、35mmフィルム一眼レフカメラ。名機「Spotmatic SP」の後継機として開発され、操作性や実用面においてさらなる改良が施されています。M42スクリューマウントを採用しているため、オールドレンズとの相性も抜群で、数多くのクラシックレンズが使用可能です。露出計はシャッター速度と絞りのバランスを針で示す「開放測光式」で、目で見ながら設定を調整できるアナログならではの感覚が楽しめます。

幅・高さ・奥行:143mm×92nn×91mm
重量:623g(本体のみ)