とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はオリンパスのカメラ「OLYMPUS PEN EES」とその作例をご紹介します。

作例で使用した機材
camera:OLYMPUS PEN EES
lenz:D.Zuiko 3cm F2.8
film:Kodak GOLD 200 / Kodak ColorPlus 200 / Kodak ULTRAMAX 400
わたしがOLYMPUS PEN EESで撮る理由
PROFILE

PROFILE
ここでそっと輝いて
2001年生まれ。
生活の音や輝きを拾い上げるような写真を撮っています。
"好き" の瞬間をそっと肯定してくれるような写真が好きです。
レンズの曇りも、油絵のようで愛おしい
OLYMPUS PEN EESは、私のファーストフィルムカメラです。フリマアプリでジャンク品として販売されていたものの、「シャッターが切れればいいや」と購入しました。
搭載のレンズは28mm、フルサイズに換算すると約40mmなので、見たままの世界を切り取れます。ピントは目測式ですが、ピントがあったときの繊細でクリアな描写は感動的。また、経年劣化によるレンズの曇りによって、油絵のようにおぼろげに写るところもたまらなく好きです。

film:Kodak ColorPlus 200
露出を気にしなくなり、写真のおもしろさを知った
このカメラは、明るさが足りないと赤い警告マークがでて、シャッターを切ることができません。しかし、レンズ周りの黒いリングをオレンジ色の数字に合わせると、露出に左右されずに撮影が可能です。これは、フラッシュ時だけでなく通常時でも使用できるため、この機能を使いこなしてからは、明るさが原因で撮影できない場面が減り、表現の幅がぐっと広がりました。
仮に露出オーバーになっても、ピントがあっていなくても、夢の中のような雰囲気になるのもこのカメラのすごいところ。意外に暗闇に強く、夕方の空や暗い部屋の中の光もしっかり捉えてくれます。同じ機種でもモノによって描写力は変わるので、ぜひお迎えしたカメラの個性を楽しんでみてください。

film:Kodak GOLD 200
▼Information
OLYMPUS PEN EESについて
1962年に発売された、世界初プログラムEEシャッター搭載カメラ。明るさに応じてシャッター速度が自動的に切り替わることで、「簡単にきれいな写真が撮影できる」と人気を博しました。シャッター速度は1/30秒と1/250秒。焦点調節は3点ゾーンフォーカス。F2.8の明るいレンズを使用しているのも魅力の一台です。
幅・高さ・奥行:106×66×46mm
重量:約390g