とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はニコンのカメラ「NikonFM3A」とその作例をご紹介します。

作例で使用した機材
camera:NikonFM3A
lenz:Ai NIKKOR 50mm f1.4 / Ai NIKKOR 35mm f2
わたしがNikonFM3Aで撮る理由
PROFILE

PROFILE
香穂
1995年生まれ、関東育ち。
専門学校卒業後、デジタル一眼レフカメラを購入し、趣味として写真を撮り始めました。
その後、知り合いの影響でフィルムカメラの魅力を知り、現在に至ります。
人が好きです。何気ない風景と、身近な人たちの飾らない表情や仕草、さり気なく流れていく一瞬の日常を形として残せる「写真」というものに未だ感激しながら、撮り続けています。
「連れまわせるタフなカメラがほしい」と思ったときに、尊敬する知り合いのカメラマンがNikon FM3Aを使っていたことから、このカメラを手に入れました。
ゴツゴツとした握り心地ですが、重心をしっかり捉えれば安定感が増すので構えやすいです。ファインダーの視野は広く、明るくて見やすいため、「今だ!」と思う瞬間を逃さず切り取れるのも魅力の一つ。それでいてタフなため、かれこれ6年の付き合いになりますが、快適に使い続けることができています。

影の部分も写し出し、今という瞬間を切り取る
写りはとにかく柔らかく、少し滲んだようにも見えるこってりとした光の線が、撮影した瞬間を思い出させてくれます。
また、影の部分を写し出す力強さに気付いてからは、さらに作品の幅が広がりました。光と影、どちらにも目を向けられるようになり、より立体的かつ重厚感のある写真も残せるようになったかと思います。
フィルムが好きで、壊れる心配を少しでも減らして連れまわせるカメラを求めている方におすすめカメラです。「Nikon最後のMF(マニュアルフォーカス)フィルムカメラ」とも言われているので、Nikonファンの方にも刺さるのではないでしょうか。

▼Information
Nikon FM3Aについて
2001年にニコンから発売された一眼レフカメラ。「Nikon最後のMF(マニュアルフォーカス)フィルムカメラ」として、今でも高い人気を誇っています。
電子制御「絞り優先オート」と機械制御「マニュアル露出」によるハイブリッドシャッターが搭載されており、バッテリー消耗時にもシャッタースピードの全速制御が可能。正確で信頼性の高い撮影ができるカメラです。
幅・高さ・奥行:約 142.5mm× 90mm × 58mm
重量:約570g