とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はニコンのカメラ「Nikon F3」とその作例をご紹介します。

作例で使用した機材
camera:Nikon F3
lenz:NIKKOR 50mm 1:1.4
わたしがNikon F3で撮る理由
デジタルカメラで撮る写真に物足りなさを感じていたころ、写真を始めるきっかけとなったドラマの中でNikon F3が使われていたことを思い出し、このカメラを購入しました。
Nikon F3は、完全マニュアルのため、じっくりとピントを合わせる時間も含めて、「写真を丁寧に撮ることそのものが心地よい」と感じられます。描写の繊細さや質感の豊かさが大きな魅力で、特にシャープとボケのバランスが絶妙。マニュアルフォーカスのNikkorレンズとの組み合わせでは、肌の質感や光のニュアンスを丁寧に表現してくれるので、写真にやさしい立体感が生まれます。

じっくりと向き合うことで表現に深みが生まれた
ボディが丈夫で、長年使い続けてもまったく壊れる気配がないのもNikon F3のいいところ。目の前のものとじっくり向き合い、重みを感じながらシャッターを切ることで、より深みのある表現ができるようになったと感じています。
写真を丁寧に撮りたい人におすすめしたいカメラです。ピントを合わせる時間、そして重厚なボディが、“撮る”行為の楽しさを再認識させてくれるはずです。

▼Information
Nikon F3について
Nikon F3は、1980年に登場したプロフェッショナル向けの35mm一眼レフカメラ。マニュアルフォーカスカメラでありながら、電子制御式シャッターや自動露出と一部電子化し、視野率100%のファインダーを搭載。しっかりとした金属製のボディと、信頼性の高いメカニズムが特徴で、長年にわたり多くの写真家から愛されている。
幅・高さ・奥行:148㎜×96.5㎜×66.5㎜
重量:620g(ボディのみ)