【作例レビュー】PENTAX 67II|ペンタックスのカメラ|#わたしのカメラ|vol.078
とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。
そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。
今回はペンタックスのフィルムカメラ「PENTAX67Ⅱ」とその作例をご紹介します。
写真家 / 吉田周平
娘の誕生をきっかけに写真を始め、グラフィックデザイナーから写真家へ転身。
自身の作品を撮りつつ、企業ブランディングやウェブメディアなどで活動する。
風景と人、人の中の風景を撮る。
instagram @yoshidashuhei
PENTAX67Ⅱの作例
わたしがPENTAX67Ⅱで撮る理由
10年ほど前、flickrで海外のインディーズフォトをたくさん見ている中で、PENTAX67Ⅱを知りました。
このカメラは、中判なのに瞬間的な発想について来てくれる瞬発力があります。このカメラで撮った時に初めて感じた写真の面白さが忘れられず、今でもそのインパクトが続いています。そしてそれは自分の作品にも反映されています。
レンズはずっと105mm f2.4を使っていますが、このレンズはクリアでスッキリとした描写をしてくれる気がします。35mm判換算標準画角で、中望遠クラスの圧縮効果と開放付近のピントが合致すると、人物が浮き立つような特有の背景分離感が表れます。自分が知覚している世界から、新しい感じ方を引き出してくれるところがとても好きです。
ボディがグリップしやすいことや、67判でAEが使えて直感的に撮影できるところも魅力です。カメラ自体は大きいですが、操作に気を取られにくいので、感覚的にはそこにカメラが無いかのような「透明」に近いカメラという印象をもっています。
中判フィルムカメラに早く慣れたい人の一台目におすすめのカメラ。67判カメラを探している方で、今回の105mm f2.4の作例を気に入ってくださったならば、たどり着く先はPENTAX67シリーズ一択になるのかなと思います。
information
PENTAX67Ⅱの基本情報
PENTAX67Ⅱは、中判フィルムカメラの中でも最高峰とされるカメラの一つです。その存在感と迫力あるデザインに惹かれ、手に取った瞬間から胸が高鳴ります。
大きなボディには、操作系がきちんと整理され、直感的に扱えるようになっており、まるで自分がカメラを生み出したかのような気分になります。また、使用する中判フィルムは一枚一枚が貴重なため、思慮深く慎重に撮影する必要がありますが、その分、一枚一枚の写真に自分の想いや感性を込めることができ、深い満足感と達成感を味わえます。
PENTAX67iiを使って撮影すると、写真に魂が宿るような感覚に陥り、その虜になってしまいます。
幅・高さ・奥行:156㎜×98㎜×121㎜
重量:1,660g(ボディのみ)