【作例レビュー】OLYMPUS 35SP|オリンパスのフィルムカメラ|#わたしのカメラ|vol.076

とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。

そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。

今回はオリンパスのフィルムカメラ「OLYMPUS 35SP」とその作例をご紹介します。

写真家 / 大曽根一平(IPPEI OOSONE)

1984年千葉県出身、東京在住。カメラマンである父の影響と、祖父の形見のフィルムカメラを手にしたことをきっかけに写真を撮りはじめる。 主にスナップ写真をメインとして、呼吸をするように、何気なく口ずさむ鼻歌のように、とにかく写真を撮り続けている。写真家として展示や写真集制作を中心に活動中。

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OLYMPUS 35SPの作例

わたしがOLYMPUS 35SPで撮る理由

新婚旅行に行くにあたって、街を歩き回る予定があったため、フィルム一眼レフでは重たくて不便だと感じていた私は、中古カメラ屋に行って手軽なフィルムカメラを探していました。そこで出会ったのが、OLYMPUS 35SPでした。軽くて携帯性が良いだけではなく、しっかりとした描写力があるところも気に入っています。また42mmという焦点距離は、デジカメやフィルム一眼レフではそこまでメジャーではないかもしれませんが、実際の視野に最も近いと思います。スナップ写真を主に撮る私にとっては、とても心地良く撮れる画角です。レンズもF値1.7と明るいので使いやすいですし、もちろんクラシックなデザインもお気に入りです。

このカメラと出会ったことで、撮ることに対する向き合い方が変わった気がします。レンジファインダーカメラなので、一眼レフを使うときと比べて、より直感的に、感じるままに撮ることがそれ以前と比べて増えたかもしれません。好きな光や瞬間に対して、直感的にシャッターを切ることが増えました。私は露出制御をマニュアルで撮りますが、オート設定もある(ピントはマニュアルです)のは魅力だと思います。レンジファインダー初心者の方にもオススメです。そして何より軽いこと。カメラを持ち歩く頻度があがるので、なるべくカメラを持ち歩いていたい人にもオススメです。

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OLYMPUS 35SPの基本情報

OLYMPUS 35SPは、1971年にオリンパスが発売したレンジファインダーカメラ。軽量・コンパクトでありながら、高性能なシュナイダー製のレンズを搭載しているのが大きな魅力です。

レンズはF1.7と明るく、被写界深度を浅くすることができるため、被写体と背景のボケ味が美しく、人物撮影などにおいても優れた描写力を発揮します。また、焦点距離が42mmというのも特徴のひとつで、視野に近い画角で撮影できるため、スナップ撮影に最適です。また、マルチスポット測光機能を搭載しているため、複数のスポットからの測光を行い、被写体の明るさを正確に測定することができます。

また、レンジファインダーであることも魅力の一つ。一眼レフのようにシャッターを切った時ブラックアウトしないため、シャッターが下りる瞬間も被写体への意識を集中させることができます。

OLYMPUS 35SPは、一枚一枚に温かみを感じるような、美しい写真を手軽に撮影できるカメラ。お店で見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

幅・高さ・奥行:138㎜×82㎜×72㎜
重量:595g(本体のみ)

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