とっておきのカメラに出会うための連載「#わたしのカメラ 」。

そのカメラやレンズを通して見た世界は、どんなふうに映るのか。
また、フォトグラファーがその機材を選んだ理由とは。

今回はライカのカメラ「Leica M8」とその作例をご紹介します。

PROFILE

国分真央(Mao Kokubu)

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国分真央(Mao Kokubu)

映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。

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わたしがこのカメラで撮る理由

ご存知の通り、Leica M8はライカで製造された初めてのデジタルカメラ。私がLeica M8を使う理由は、操作性・機能美がシンプルで馴染みが良く、M8特有のコダック製CCD APS-Hセンサーであるため。ネガフィルムのような色合いと描写が他のM型と比べてかなり独特だと感じています。

それゆえに使う人をかなり選ぶカメラかもしれませんが、“カメラと関係を築く事”で、今では一心同体のような存在になっています。他のデジタル機器だと個体差はあまり感じないですが、修理時に代替機を手にしたときや、知人のM8を触ったときなどに確かな違いがありました。

そのようなことからも、自分の中ではLeica M8はフィルムカメラのよう。クセが強いカメラではありますが、そのクセを突き詰めた先に見える景色があります。

長く愛する事でその感覚が研ぎ澄まされ、このカメラでしか出せない色味や空気感が、今なお私が使う理由です。

information

Leica M8の基本情報

2006年に誕生した、ライカM型初のデジタルカメラ。真鍮削り出しの美しいボディと滑らかな操作性が大きな魅力です。

構造や機能はライカMシリーズのクラシックなデザインを踏襲しているため、一般的なM型ライカと大差ない使い勝手。1/8000秒で撮影できるので、晴天時でも開放で撮れるのは嬉しいポイントです。

描写はネガフィルムのような色表現が特徴的で、淡い印象に仕上がる傾向にあります。それゆえ「Leica M8でしか出せない雰囲気」があり、未だ根強いファンに支持されているカメラです。

幅・高さ・奥行:139mm×90mm×39mm

重量:545g